(2015/06/18)
前回と前々回の記事では、ウィスカーくんと権之助くんというふたりの猫たちのオフィスでの暮らしについて、いろいろとレポートしてきました。しかし、マース ジャパンには、まだまだペット好き&ペットを飼っている人にはうらやましいペットに関する制度も整っているのです。今回は、日本一ペットフレンドリーな会社の「ペット奨励制度」についてお届けします。
――ウィスカーくんと権之助くんの話だけでもたくさん驚かされましたが、ほかにもペットに関する制度が充実しているとお聞きしています。
中村さん:先ほども申し上げましたが、マースは「A Better World for Pets」というミッションのもと、ペットのためのよりよい世界の実現を目指しています。それを実践するために、まずはペットオーナーを増やすために、ペットオーナーに対するサポートを手厚くしようとのことで、ペット奨励制度が設けられています。
スタパ齋藤:ペット同伴通勤なんてスゴいですよね~♪ いつでもペットと来ていいんですか?
中村さん:いまは1日2頭までペットを連れてくることができます。ペットといってもほぼ犬になりますが、ペット来社予定日のカレンダーで事前予約が必要になります。犬の場合は、狂犬病予防注射、ワクチン接種、ノミ・ダニの予防、トイレトレーニングを済ませていること。猫の場合も、ワクチン接種をしていること。そして、どちらもきちんとしつけができていることが前提です。それでも犬同士の相性もあったりしますので、ずっと吠え続けるような状況が生じてしまうと、仕事の妨げにもなってしまいますし、犬たちもかわいそうですからね。犬たちがオフィスの端と端にいれば、触れ合わずにすむので、そのへんも考慮して「2頭まで」としています。でも、どの子もきちんとしつけされていますので、オフィスを駆けめぐるような子はいませんね。
スタパ齋藤:こんなに大きなわんちゃんも来るんですか~♪
実際にペットが自由にできるエリアは、オフィスの中だけです。ビルの共用エリアに関しては、犬たちはケージやバギーにすっぽり入ってもらっての移動となります。エレベーターに関しても荷物搬出用を使い、ほかのテナントさんにはペットが苦手な方もいるかもしれないので、そのへんは配慮しています。また大型犬を連れてくる場合など、朝の満員電車での通勤が難しいときには、上限は設けられていますが、マイカーやタクシー通勤での交通費を支給しています。
――「ペット同伴通勤」は魅力的ですが、日本ではまだまだ難しい点も多いですね。
中村さん:海外は動物愛護が進んでいるので、オフィスや公共機関でも電車に乗るときでもケージは必要ありませんし、どこにでも犬たちを連れて行ける環境が整っていますが、日本の場合はまだケージには入れないといけません。朝の通勤ラッシュに大型犬と一緒に乗るのは、やっぱりちょっとためらってしまいますよね。そういった日本のペット事情も考慮したサポートを行っています。ちなみに出張の際には、ペットをペットホテルに預けるときに、こちらも上限はありますが、宿泊費をサポートしています。
――ほかにはどのような制度があるのでしょうか?
中村さん:ペットは家族の一員ですので、新しく迎え入れるときにはペットが家に馴染むまでいろいろと大変なので、その日は休みを取ることができます。また、逆にペットが亡くなったときには、仕事が手につかなくなりますし、いまはペットの葬儀もあるので忌引きのような有給休暇を取ることができます。
スタパ齋藤:ス、スゴイですね~!! というか、会社勤めの人にはうらやましすぎですね~。
中村さん:ほかにはペットの写真入り名刺やカレンダーなどもつくっています。
スタパ齋藤:おおおおっ!! イイですね、コレっ!! 中村さんの名刺には入ってないんですか?
中村さん:私はいまは飼っていないので入れていませんが、猫が飼えない猫の担当者はウィスカーや権之助の写真を入れている者もいます。ペット関連の方とご挨拶をすることが多いので、名刺交換時にはやっぱり会話が弾みますね。
スタパ齋藤:あっ、ウィスカーくん!! みんな、かわいいですな~♪ カレンダーもかなり本格的じゃないですか?
中村さん:ありがとうございます。名刺もカレンダーも「ペット ラビング コミッティ」という活動の一環です。カレンダーは基本的に社員に向けたもので、社員なら誰でももらうことができます。そして、カレンダーに載せる写真は、ペットのいちばん愛くるしい表情は飼い主にしか撮れないということで、みんな一年間カレンダー用の写真を必死に撮りだめています(笑) 単純に自分の家の子が印刷物になるのは喜ばれますし、カレンダーづくりの集まりの場、掲載した写真についてのトークなど、ここでもコミュニケーションが生まれています。
――ペット関連事業とはいえ、ここまでペットフレンドリーな企業の話を聞いたことがありません。日本ではちょっとズバ抜けていますよね。
中村さん:グローバルでペットケアを取り扱うマースは、ペットの栄養学と福祉をリードする科学的権威のウォルサム研究所をマース ペットケアの基礎科学センターとしてイギリスに構えています。ここでは、ペットの栄養に加え、人と動物の行動学が研究されています。高齢者が犬を飼うことによる効能、犬の散歩が新たな知り合いをつくったり、地域コミュニティに役立ったりと、ペットを飼うことによる効能などの研究結果は、学会や論文を通じて発表しています。そして、ペットが幸せになるのであれば、誰でもその公開情報を活用してくださいというスタンスです。
社内でも実際にこういった研究機関を持ちながら、それを私たちが実感するために、ウィスカーや権之助たちがいて、ペットを飼う人たちへのサポートが充実しているのだと思います。
――本日は貴重なお話を聞かせていただきました。ペットのためのよりよい世界が実現されるのを願っております。本日はどうもありがとうございました。
~取材を終えて~
この日は社員の方が入れ替わり猫たちの部屋へ遊びにきていました。シャイな権之助くんは取材中なかなか出てきませんでしたが、社員の方と楽しそうに触れ合っていました。ひと昔前のタバコ休憩ならぬ「猫休憩」は、癒されること間違いなしでうらやましいですね。また、中村さんのお話にもありましたが、ペットを通じて活発にコミュニケーションを取られているようでした。
まだまだペット後進国の日本で、マース ジャパンのようにペットフレンドリーな会社が増えれば、ペットがもっと暮らしやすい社会になってくれることでしょう。そのためには、私たちのペットに対するしつけやマナーなどが大切であることは忘れないでおきたいですね。