夏休みの自由研究に最適!完成までの全工程をベテランスタッフがフルサポート!毎月開催のドスパラ「自作パソコン組立イベント」密着レポート
パーツ構成も自由自在。親子でも、超初心者でもPC自作が楽しめる!! text by 石川 ひさよし
ドスパラは現在、毎月2回のペースで「自作パソコン組立イベント」を開催している。一般ユーザーを対象とした“講座”スタイルのイベントで、事前に店頭でパーツ構成を検討・購入した自作PCを、ドスパラスタッフの指導を受けながら一緒に組み立てるというもの。まだパッケージに入った状態からスタートし、電源投入の確認(OSの導入のスタートまで)をおよそ3~4時間かけてみっちりレクチャーしてもらえる。
今回は6月16日(日曜日)に秋葉原で開催されたイベントを密着取材したのでその様子をお届けしたい。
ドスパラ主催「自作パソコン組立イベント」は少人数制の密着指導!?
ドスパラはPCパーツやBTO PCの販売に加え、清掃などのメンテナンスや自作PCの組み立て代行といったサービスも手がけているが、このイベントは「PC自作の経験はないけど、せっかくゼロからパーツを揃えたのだからやっぱり自分の手でPCを組み立ててみたい」という自作PC初心者の方を対象に開催しているとのことだ。参加資格はなし。幅広い年齢の方が参加されるそうだ。小学生以下は保護者同伴が必須であるが、年齢に関係なく家族や友人の同伴も可能。中にはカップルで参加される方もいるとのこと。今回はいずれも10代の参加者だったが4組中2組がお父さん同伴だった。もちろん一人で参加しても寂しくない!
イベント自体は今回に限ったものではなく、毎月中~下旬の週末土曜、日曜に開催されている。7月の開催は20日(土曜日)、21日(日曜日)の2日間。申込期限は7月12日20時。開催地は同社一部店舗を除く全国北海道から沖縄まで約30店舗(※秋葉原本店を含む一部店舗は定員のため募集を終了しています)。気になる方は参加条件などの詳細を確認の上、本イベントの特設ページから応募してみよう。
なお、今回取材に訪れた本店の組立イベントの場合、6月開催は15日(土曜日)に2組、16日(日曜日)に4組が参加(東京の本店のみ各日最大4組対応。ほかの各店は最大2組)。参加者数を絞って大人数にせずに開催しているからこそ、組み立てからBIOS起動、OSのインストール(の途中)までの「PC自作の(ほぼ)全行程を」各スタッフがていねいに指導・サポートしてくれる。もちろん今回参加した4組もおよそ3時間半(今回の場合)でOSインストールまで完了した。
パーツ選択のしばりナシ!自分好みの構成でOK
今回は4組に対してスタッフが2名。スタッフ1人が2組を受け持つ格好だった。各テーブルの上には組み立てに必要な工具も整っている。あいさつ、スタッフの自己紹介の後、組み立て前にケガと静電気防止のために手袋が配布された。
今回参加した皆さんのパーツ構成は以下のとおり。似た傾向はありつつも細部に差がある、なかなかバラエティ豊かなものだ。
さて、こういったリスト自体を見て「おや?」と思った方もいるかもしれない。この手の講座イベントでは「イベント用構成のセットを購入して講座を受講して組み立てる」ということが少なくない。しかし、ドスパラの組立イベントでは、あらかじめ決められた構成や専用メニューのようなものは特に用意されておらず、おのおのが購入時、実際に相談などもしつつ、自由にパーツを選んで構成を決めているそうだ。
今回の例で言えば、1組目の方はビデオカードにGeForce RTX 4070を組み合わせたゲーミングPC構成、2組目の方はファンを追加して冷却性能重視&見た目もアップグレード、といった具合。過去の参加者の中には簡易水冷CPUクーラーを選ぶ方や、ピラーレスケースで組みたいといった方もいたとのことだ。
バラエティ豊富なPCができあがるところは実にユニークであるが、「完成までの所要時間が読みにくいのでは?」という疑問も。ただその点に関しては心配無用で、多少時間がかかったとしても、スタッフがきっちりと組み上がりまでサポートしてくれる。今回取材に入ったイベントでも、構成によって多少の作業進捗に差が生じたり、最後の仕上げで少し手間取ったりするところもあったのだが、最終的には大きな作業時間の差が出ることなく、無事全員がPCを完成させていた。「少人数制で全行程サポート」というスタイルの安心感、熟練スタッフによる見事な進行の賜物だろう。
PC組み立ての注意点、テクニックをスタッフが伝授
さて、パーツや工具の配布が終わり、簡単な説明を経て組み立て講座がスタート! 当日聞いたところによると、組立の手順はおおよそ決まってはいるものの、その日の構成や作業の進行具合で柔軟に調整しているそう。また、作業順や組立時のこだわりポイントなどにはスタッフの個性も出るようで、たとえば今回、マザーボードを取り出してCPU、メモリ、SSDをまず装着していく流れだったが、2組はメモリ→SSD、もう2組はSSD→メモリといった具合だ。
今回はAMD AM4 CPUを選んだ方が3組、Intel LGA1700 CPUを選んだ方が1組。ソケットが異なるが、そこもしっかりサポートされていた。CPUの向き、レバーで固定する手順など、各所に説明が入り、参加者の手で作業が進んでいった。
今回の参加者の構成では、使用メモリはすべてDDR4。切り欠きの向き、4スロット中2本のメモリ挿す場合のスロット番号、ラッチのロック状態の確認などにも言及しながらゼロから指南。やはりPCパーツの組み立て中ではやや固いメモリとあって、一発でしっかりロック状態まで持っていくのは初心者には難しいところだったかもしれない。そこはスタッフが確認し指摘、再挑戦することで問題なく装着できたようだ。向きやピン曲げ要注意のCPUの取り付けも無事にクリア。
SSDもヒートシンクの外し方、切り欠きの向きなどを丁寧に確認。CPUクーラーはバラバラだったこともあるが、意外に組み立てには手間がかかるので、時間をかけて個別に手ほどきしていた(グリス塗布済み or 別途要塗布の違い、マザー側のパーツの取り外しの要不要、ファンの固定の違い、などなど)。10代前半の学生さんの場合、“ボルトを締める”という作業自体はじめて、という方もいたかもしれない。十字を切るように交互に締め付ける、1回で締めるのではなく複数回に分けて締め付けていくといったコツもスタッフから伝授される。
工程はいよいよケース周辺に。ケースに電源を装着し、ケースに入れる前に作業しておきたいものを組み上げたマザーボードを装着して配線、最後にビデオカードを装着するといった段取り。各種端子の装着は、「マザーボードに取り付ける電源って思った以上に硬かった」という感想も。
今回の参加者は4組とも比較的スムーズで、見込みよりも早く組み上がっていった。そのため、少し時間に余裕が出たところで裏面配線のレクチャーも入る。この裏面配線もスタッフの個性が出るところとのこと。自分で組み立てたPCが、見た目も格好よければなおさら愛着がわくことだろう。
BIOS起動はハラハラするところ。3組についてはすんなり起動したが、1組だけ一発とはいかなかった。しかし経験豊富なスタッフが工程を細かく再チェック。一部パーツの取り付け工程をやり直すことで無事POSTを通過、Windowsのセットアップ画面の起動にたどり着いた。
最終工程の起動チェックへ。このあとWindowsインストールの冒頭まで実行して作業はひとまず終了。完成したPCは一旦箱詰めし、配送あるいは即持ち帰りが可能だ。ちょっと大荷物にはなるが「持って帰ります!」という参加者が多く、やはり自分で組み立てたPCを少しでも早く使ってみたいということだろう。分かります。
この日の本店会場参加者の皆さんと完成したPCを一挙ご紹介。今回唯一のIntel CPUの彼、F型番CPUに大型空冷のチョイスはなかなかの通好み(写真左)。今回もっとも早く組み上がったスピードスターはこのPCをCADの学習に使いたいとか(写真右)。
今回最年少の彼は現在中学生。初の自分専用PCとのことだ(写真左)。お顔写真はNGだったが撮影の際に見せた笑顔がとても印象的な2番目の方は、ファンにこだわりのPCが組み上がりおもわずサムアップ(写真右)。親子参加の皆さんにお父さんの自作歴を伺ったところ、ご自身も未経験とのこと。
組み上がったPCの用途について、親御さんからは「プログラミングにも」という希望は出ていたが、やはりと言うべきか「ゲーム」という声が一番。しかし高校生の参加者の方からは「CADの学習」という実用重視の回答も。“初めての自分専用PCが自作PC”という方がほとんどだったのもなかなか頼もしいなぁ、と取材するこちらも感慨深かった。
ここからはぜひ、自分で組み立てたPCで何ができるのか、そして自作PCの奥深さや楽しさも知りながら、PCを通じてさまざまなことにチャレンジしてほしいところ。そして今回組み立てたことで、「一度組んだからもう大丈夫」、「次もまた自作PCで」と将来につながってくれることを願うばかりである。
先に述べたとおり、ドスパラの自作パソコン組立イベントは毎月開催中。組み立ててみたいけれど不安がある、“初挑戦”はやっぱり経験豊富な人に教えてもらいたい、といった人はまずは開催情報をチェックしてみていただきたい。
ドスパラの公式サイト
https://www.dospara.co.jp/
自作パソコン組立イベントの開催情報ページ
https://www.dospara.co.jp/event/assembly-pc.html