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パソコンで見られる動画の充実や、パソコンの接続にも適したHDMI端子搭載テレビの普及で「テレビにパソコンを繋いで楽しむこと」は、数年前に比べてぐっと敷居が下がった。読者の中にも、ゲームや映画などを楽しむ際には、パソコンをテレビに接続しているという方もいるだろう。
そうした際に、意外と扱いに困るのがキーボードやマウス。パソコン用のマウスやーキーボードは基本的に机の上に設置して使う前提で設計されているため、手頃な台がないと使いにくい。テレビの前に適当なテーブルなどがあればよいが、そうでない場合はなんとか置き場所を工夫しなければならない。
最近静かに人気を呼んでいるのが、こういった場合などに便利な、小型のワイヤレスキーボードだ。手持ちで操作できるぐらいの小さな大きさで、マウスの機能を内蔵しているため、テレビの視聴に適した距離(だいたいは画面より2~3メートルほど離れているはず)からでも一通りのパソコン操作を可能にする……というタイプの製品である。
今回紹介するマウススティック付きワイヤレスキーボードマウス「DN-WMKB17」は、まさにこういったターゲットを狙った製品だ。
本体の大きさは、幅14.5cm、高さ9cm、薄さ2.8cm。これは両手に軽く収まる程度のサイズで、キー配置も手持ちで便利なように、一部変更されている。メインキーのピッチは約8mm。キーの大きさは約6mm角だ。また、重さも重めのスマートフォンや家庭用ゲーム機のコントローラと同程度(公称134g)。使いたいときに気軽に操作できるのも特徴だ。使用電波は2.4GHz帯なので使用できる距離も長く、必要とするバッテリーは単3乾電池2本と、利便性も優れている。
キー配列のベースは英語キーボードで、左上に配置されたカーソルキーや、省略された「F1」~「F12」キーなどは特に大胆な変更といえる。これらは、マウスの役割をするアナログスティック(右上に配置)と対になるよう、あるいは本体の大きさを小さくするためなのだと思われる。
カーソルキーとスティックの間には、12個の特殊キーが配置されている。内訳はWindows Media Playerなどで使えるキーが6個(音量調整/選曲用)、Webブラウザ/メールソフトの操作用キーが4個、そしてWindows Media Center起動用キー(Media Centerを搭載するWindowsでのみ動作)と、数字キーの動作を変更するための「Fn」キーだ。
「Fn」キーを1度押した状態(押すたびにオン/オフが切り替わる)での数字キーは、「1」から「6」までがWindows Media Center用の操作キーに、「7」から「=」までの6個がウィンドウ操作(「閉じる」やアクティブなウィンドウ切り換え、フリップ3Dなどの操作)のキーとなる。 これらの特殊なキーにより、Windowsで便利なショートカット操作が、キー1個で手軽に実行できる。
ここまで機能を解説して、特殊キーはWindows Media Centerで動作するものが極端に多いことに気づかれただろうが、これは最初に説明したように、本機が「パソコンをテレビと接続して使う」目的に重点を置いているからだ。本機の対応OSは、Windows XP/Vista/7となっているが、Windows Media CenterのないエディションのWindowsでも、それ以外の機能は問題なく使える。64bit版でもOKだ。今回筆者は64bit版Windows 7 Ultimateでテストしたが、動作に問題はなかった。
続いて、実際の使用感を紹介したい。今回は1週間ほど使ってみたのだが、まず思ったのは「細かな部分の完成度が非常に高い」ということ。先ほども簡単に触れたが、まず握ったときの感触が非常にしっかりしており、手にすっぽり収まるのだ。さらにホールディングもしっかりとでき、持っている間に滑るといったこともない。
そして気になるキーの感触だが、これはスマートフォンのBlackBerry風。比較的堅めでクリック感がしっかりとしているタイプだ。キーの入力はかなりユーザーごとの好みに左右されるが、個人的にはミスタイプを防止しやすく、便利に感じた。反面、タッチパネル式のスマートフォンを使っている人にとっては、このキーはかなり力を入れないと入力できない、という印象を持つかもしれない。ここは購入前に意識しておいた方がよさそうだ。
また、マウス機能として動作するアナログスティックの感触も良好。この構造は、スティック本体がスライドする仕組みで、PSPのアナログスティックと同種のもの。さすがに細かな操作は慣れが必要だが、比較的力を入れずに操作ができるため、長時間操作していても疲れることはない。これは嬉しいポイントだ。
スクロール操作も、Webブラウザなどで問題なく可能。ただし、上下の移動幅はあまり大きくないため、高速スクロールは難しい。上下が非常に長いWebサイトを見る際はカーソルキーでスクロールした方が良いだろう。
電波の到達距離も十分。スペックは未公開だが、筆者が試したところ、USBレシーバーから7m程度の距離でも問題なく使用できた。他の製品と比較すると、公称10mクラスの実力は持っていると思われる。
また、レシーバーは赤いLEDを内蔵しており、これが使用時に点滅する。キーボード側の電源スイッチは本体裏にあるのだが、本体のスイッチが切れていると、レシーバーのLEDも消えるため、動作しているかどうかが遠くでもわかりやすい。キーボードの電源状態は、本体側に搭載されたLED(Caps LockとFnキーのオン時に光る)でも確認可能だ。
また、使っていて便利だったのが、Fnキー+数字キーで可能なウィンドウ操作だ。とくにアプリケーションの切り換え(「Alt」+「Shift」+「Tab」キーと同等の操作)やフリップ3Dがキー1つで実行でき、カーソルキーによって使いたいウィンドウを選択できることから、一般的なキーボードよりかえって使い勝手がいいほどだ。
このように、細かな部分にまで気が配られた製品なのだが、ちょっと残念な点もある。それは、「マニュアルで触れられているインストール方法が簡素にすぎる」という点だ。
実は日本語キーボードを搭載したパソコンで英語キーボードを使う場合、ちょっとした問題が発生する。それは、日本語キーボードとの配列の違いから、記号などの文字がキーの通りに入力されないというものだ(これは本機だけでなく、日本語キーボードのパソコンに英語キーボードを接続した場合に共通する問題だ)。
これを解消するにはWindows上で英語キーボードを使うための設定を変更しなければならないのだが、その方法が解説されていないのである。
はじめて英語キーボードを購入する方は、この設定方法をWebなどで調査してから購入することをお勧めするが、本来は設定マニュアルがあった方がよいところ。本機には英語マニュアルと日本語の簡易マニュアルが付くが、この点については紹介されていない。製品自体の完成度は高いだけに、ちょっと気になってしまった箇所である。できればここは、上海問屋側でのサポートをお願いしたい。
しかし、この問題を除けば、同種の製品の中でも完成度は高く、かなり使える製品と言える。価格は上海問屋のキーボードとしては比較的高級な4,999円(税・送料込)だが、それだけの価値はあるアイテムだ。とくに大画面テレビとパソコンを家族で使っている方は、ぜひ検討してみてほしい。
■マウススティック付き ワイヤレスキーボードマウス
DN-WMKB17 商品情報
http://www.donya.jp/item/18936.html
[PR]企画・製作 株式会社 Impress Watch 営業統括部
問い合わせ先:watch-adtieup-donya@ad.impress.co.jp
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