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2012年4月27日

高級感としっかりした音質が魅力!!
本格USBヘッドホンアンプ「DN-USB DAC120SE」で音楽を楽しんだ

 

上海問屋の取り扱う多数の製品の中から、注目の一品を紹介するこのコーナー。今回は、安価ながら本格的なオーディオ機器として十分な実力を備えたUSBヘッドフォンアンプ「DN-USB DAC120SE」を紹介しよう。

高級オーディオ用定番パーツで構成されたヘッドホンアンプ

今回紹介するのは、USB接続機能を搭載したヘッドホンアンプだ。ヘッドホンアンプとは文字通り、ヘッドホン用に調整された専用アンプのこと。一般的なアンプはスピーカーを動作させるため、ある程度大きな出力が必須だが、ヘッドホンはずっと出力が小さくてよい。そのためヘッドホンアンプは、小さな出力の時に音質を向上させるという、一般的なアンプとは異なった設計が必要とされる。

本機は、一般的なヘッドホンアンプとしての機能に加え、さらにUSB接続サウンドユニットとしての機能と、D/Aコンバーター機能(デジタルオーディオ入力)、そして簡易的なオーディオセレクター機能を搭載する。そのため、パソコンやタブレットデバイス(USBサウンドユニットに対応したモデル)だけでなく、オーディオ機器やテレビなど、さまざまな機器を直結して、音楽を楽しめるのだ。

いい意味で上海問屋製品らしくない、高級感のある外観。素材もアルミなので、触った感触も優れたものだ フロントパネルは2つの入力切り換えスイッチとヘッドホン端子、音量調節ツマミのみとシンプルだ。ヘッドホン端子は金メッキが施されている
本体は幅13cm×奥行き16cm×x厚み6.1cmとかなりコンパクト。iPod Touchと比べても2回り大きな程度だ 背面には電源スイッチとACアダプタ入力端子、RCAピン入力・出力とS/PDIF端子、そしてUSB端子が配置される。ケースの縁は曲面形状だが、ここの仕上げも優れている

価格は1万9,999円(税込・送料別)と、上海問屋のオーディオ機器としてはかなり高価なモデルだが、音質的や操作感などは、それだけの価値があるものに仕上がっている。

まず、USBサウンドチップには、音質とコストパフォーマンスで定評のあるバーブラウンブランド(日本テキサスインスツルメンツ)の「PCM2707」を搭載。このチップはオーディオメーカーの高級なUSBサウンドユニットにも使われているものだ。

さらにデジタルオーディオ信号からアナログ信号に変換するD/Aコンバーターチップには、バーブラウンの「PCM1793」を、微小信号を増幅するオペアンプチップには同社の「OPA2604AP」を採用。これらも高級オーディオ機器でも定番となっている高音質な製品だ。

一方、低価格・高音質路線の機種だけあり、機能的にはかなりシンプル。入力はデジタル入力がUSBと同軸デジタル入力(S/PDIF)端子の2種、さらにアナログとしてRCAピンジャックの計3系統だ。対して出力はメインとなるヘッドホン出力に加え、ライン出力も搭載。ライン出力を使えば、簡易的なプリアンプ(コントロールアンプ)としても使える。

音質調整などは搭載されていないが、USB機器側での調整はもちろん可能だ。本機は基本がしっかりとした製品なので、極端な音質調整をしても音割れなどは少ない。こうした機能を積極的に使うのも面白いだろう。

スイッチやツマミまで筋の通った品質の高さが大きな魅力

さて、実際に使ってみると感じるのは、品質の高さだ。これは音質という側面だけでなく、きょう体(ケース)やスイッチ、ツマミの高級感も含まれる。

そして筆者がまず驚いたのは、音よりも仕上げの精度の高さだ。例えば、フロントパネルはアルミ製で、8mmもの厚さ。表面加工もヘアライン加工となっており、高級オーディオと並べても見劣りしない、価格からは考えられないほどの仕上げだ。

音量調整用のツマミは、素材は高品質なアルミで、形状も砲弾状と凝ったもの。もちろん回したときの感触もよく、使い勝手にも優れる。入力切り換えは、2つのトグルスイッチが用意されている。左がUSBとSPDIFの切り換えで、右がアナログとデジタル入力の切り換えだ。

さらに、本体の四方を覆う黒いシャーシはアルミ製で、底面には簡易的なヒートシンクとして動作する溝が設けられる。こうした加工は精度が悪いと逆効果だが、本機の仕上げはしっかりとしたものだ。フロントパネルのネジ止めなどの精度も高く、振動や放熱に対する配慮もなされている。こうした外観を見ているだけでも、本機はしっかりとした製品であることを予感させてくれる。

また嬉しいのは、こうした仕上げの良さに反するかのような、本体の小ささと軽さだ。幅13cm×奥行き16cm×x厚み6.1cm、重量は1.75kgに押さえられているので、必要があれば持ち歩きも十分可能である。

S/PDIF端子はネジが切ってあるタイプの大型端子を搭載。高級デジタルケーブルにも対応する仕様だ 底面には放熱効果の高い溝が掘られている。ここの仕上げの精度も高く、高級感がある
付属品は小型のACアダプタ、オーディオ用にノイズ対策が施されたUSBケーブル、そしてヘッドホンのミニ→標準端子用変換プラグだ マニュアルは英語版のみだが、記述は比較的平易。本体の機能も比較的シンプルなので、難しくはない。末尾には、周波数特性の測定データなども記載されたオーディオ機器仕様だ

さて、気になる音だが、今回はオーディオテクニカの「ATH-CK90PRO」とボーズの「TriPort OE」という、キャラクターの異なるヘッドホン2機種での試聴をメインとした。前者は繊細な音を得意とするタイプで、後者はひたすらパワフルな低音をベースとしながら、出す必要がある音はしっかりと出すという個性派だ。

全体としての音質傾向は、パワフルで、かつ立体感を重視したタイプだ。下手な製品では粗が出てしまいやすい音場(音の広がり)を重視しつつも、全体的なまとまりも見事に聞かせてくれる。

また、ヘッドホンの駆動力も見事。今回使った2種のヘッドホンは、キャラクターが正反対とも言える製品だが、どちらを接続しても腰のしっかりとした音を聞かせてくれる。

さらに、ATH-CK90PROの弱点である低音のパワフルさや、TriPort OEの弱点である音の分離度などもかなりカバーしてくれる奥の深さも併せ持っているのには驚いた。こうした特性はアンプとしての底力がかなりのレベルであることを示している。

なお対応本体は、上海問屋ではWindows 7/Vista/XPのみ推奨としているが、マニュアルではMac OS Xへの対応も表明されている。さらに筆者の方では、iPad+Camera Connection Kitとの組み合わせでも動作を確認した。iPadとの組み合わせでの相性は抜群で、とくに新iPadの高精細ディスプレイでYouTubeなどの高音質番組などを視聴すると、ハマってしまいそうな魅力を醸し出す。

また、ライン出力もそうした傾向は引き継がれており、腰のしっかりとした堂々とした音を奏でる。良質なパワーアンプと組み合わせれば、大型スピーカーと組み合わせても格が劣るといったことはないだろう。全体としては、非常にコストパフォーマンスが高い点に感心する。やはりいい意味で上海問屋ブランドの製品と言えそうだ。

2万円は上海問屋製品としては高価だが、コストパフォーマンスは間違いなく高い。本格的なヘッドホンアンプに興味が出てきたユーザーの方には、ぜひとも検討してほしい製品だ。

バーブラウン製D/Aコンバーター搭載USB ヘッドフォンアンプ
DN-USB DAC120SE 製品情報

http://www.donya.jp/item/18977.html

 
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