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上海問屋の取り扱う多数の製品の中から、注目の一品を紹介するこのコーナー。今回は、これまで使ってきたビデオデッキやDVDを、薄型テレビと組み合わせて便利に使える新製品を紹介したい。コンポジットやSビデオ信号をHDMI変換する機能に加え、アップスケール機能までも備えた、欲張りなAVセレクターだ。
地上アナログ放送が紆余曲折ありつつも終了を迎えた2011年。地上デジタル放送へのシフトに伴って、リビングのテレビをいわゆる薄型テレビ(液晶やプラズマなど)に買い換えたという方も多いだろう。
こうした薄型テレビを買った後に意外と困るのが、これまで使っていたビデオデッキやDVDプレーヤーを使おうと考えた場合。
最近の映像機器でHDMI端子が標準になりつつあるためか、最新テレビにはアナログビデオ入力端子が少なくなっており、中には全廃したモデルも登場している。こうしたテレビを買ってしまうと、以前使っていたビデオデッキやDVDプレーヤーが繋げない、つまり見られなくなってしまうのだ。
今回紹介する「DN-HT410」は、そうした悩みをピッタリ解決してくれる、多機能AVセレクターだ。
なぜピッタリなのかというと、この機種は、アナログビデオ端子からHDMI端子への変換機能を搭載しているから。HDMI端子しかないテレビやパソコン用ディスプレイにも、アナログ接続のビデオを簡単に繋げるのである。
さらにこのモデルは、入力信号のアップスケール(解像度補間)機能も搭載している。これは、映像の解像度を擬似的に上げて、古いビデオテープなどでもシャープな映像にするという機能だ。
あくまでも擬似的なため、古いビデオが地上デジタル放送並みに綺麗になるというレベルではないが、しっかりとした効果がある機能だ。
そしてもちろん、AVセレクターとして機能も備えている。4台の映像機器を接続して、自由に映像を切り換えることができる。入力端子の仕様は以下の通りだ。
・HDMI入力
・コンポジットビデオ入力(+ステレオ音声)
・Sビデオ入力(+ステレオ音声)
・コンポーネントビデオ入力(+ステレオ音声)
対して出力端子はHDMIが1系統のみと、完全に薄型テレビに特化した仕様だ。
さて、本機の特徴は、これらの機能が1台にまとまっていることだ。というのもこれまでは、アップスケール処理+HDMI変換機はあったのだが、手頃な価格で、セレクター機能までが搭載されるというモデルは本機が初めてなのである。
言うなれば、一種のオンリーワン製品なのだ。
背面の横幅いっぱいに設けられた入力端子。コンポジットビデオとSビデオ、HDMI入力と出力が配置されている | コンポーネントビデオ(YPbPr)入力は正面に配置されている。変換ケーブルを仲介すれば、D端子を使う機器との接続も可能だ | 本体の操作ボタンは天面手前に配置。画質設定などのメニューを呼び出すには、RES/MENUボタンの長押しが必要だ |
付属のカードリモコンでは、1機能1ボタンになっているため、操作がスムーズ。基本的にこちらを使うのがよいだろう | 電源はACアダプタタイプ。消費電力が少ないこともあり、コンパクトなものが採用されている | 付属マニュアルは英文版のみ。本機の基本操作は難しくはないが、画質設定などの説明はもう少し詳しい方がいいと感じた |
本体の大きさは、幅194mm×奥行き118mm、高さ34mmと比較的大柄に見えるが、実は背面は入力端子でびっしり埋まっており、相対的にかなりコンパクトであることがわかる。
入力端子の切り換えや画質調整は本体天面ボタンと、付属のカード型リモコンで操作できる。実際の操作は、本体のボタンよりもリモコンを使った方が楽なタイプなので、リモコンの紛失などは気をつけたい。電源は付属のACアダプタを使う。
さて、実際に使ってみて、まず感心したのは互換性の高さだ。今回はS-VHSビデオデッキやDVDビデオプレーヤーなどに加え、S端子経由でプレイステーション2(PS2)も接続してみたのだが、PS2の特殊な解像度のゲームでもきちんと映し出してくれた。一部のPS2用シューティングゲームで搭載されている特殊な「縦画面表示モード」はダメだったが、これは流石に致し方ないだろう。
また、明るさ、コントラスト、色合い、彩度、シャープネスなど、画像調整と、音量調整も可能。ゲームやDVDには映像効果を狙って暗いものがあるが、そうしたソフトでも見やすい画質に調整できる。また、劣化したビデオテープなどで退色しているものも、ある程度フォローができるのが便利だ。
個人的に便利だったのが音量の調整ができる点。DVDビデオはソフトによって音量がまちまちだが、音の小さなものは、テレビだけでは音量を上げきれないことがある。本機であればこういう場合にもフォローが可能だ。
そして驚いたのがアップスケール機能の画質だ。3種類の処理後解像度(480p・720p・1080p)を選べる仕様になっているが、とくに1080pモードでの処理が見事だ。
写真はプレイステーション2のメニュー画面の一部を480pモードと1080pモードで撮影したものだが、1080pは数字の「6」や漢字の輪郭がシャープになっており、キチンとしたアップスケーリング効果を持つことがわかるだろう。
さて、アップスケーリング処理が入ることで、ゲームプレイ場合の表示遅延が気になる、という方もおられるだろう。表示遅延というのは、画像処理によって画面表示が遅れることで、画面を見てタイミングを合わせるゲームでは重要だ。
今回はプレイステーション2でいくつかの格闘ゲームなどをプレイしてみたが、大きな遅延は感じられなかった。おそらく悪くても3~4フレーム以内に収まっているのではないだろうか。
全体的に見て、ちょっと残念だったのは、使用頻度の高いS端子やコンポーネント端子(D端子から変換できる)がそれぞれ1系統しかない点。とくにS端子はビデオデッキやゲーム機など、一昔前の機器では比較的多く使うだけに、できれば2系統あると嬉しかったところだ。
こうした要望点もあるが、本機の便利さは本物だ。HDMI端子にアナログビデオ機器を繋ぐための便利アイテムというだけではなく、アップスケール機能の品質など、性能的にも注目に値するもの。将来的には、今後薄型テレビでHDMI端子のみのモデルが増えた場合、「アナログビデオを見るための頼みの綱」的な機器とも呼べそうにも思った。
■アナログソースを1080Pにアップスケール
スイッチング機能付き HDMI アップスケールコンバーター
上海問屋 DN-HT410 製品情報
http://www.donya.jp/item/20790.html#cat
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