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第5回 フラッグシップと銘打つにふさわしい一台!最新テクノロジ搭載PC 「Endeavor Pro3000」
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PCご意見番 大原雄介の即買いコラム
大原雄介 第5回 2004.06.25掲載
フラッグシップと銘打つにふさわしい一台!最新テクノロジ搭載PC
Endeavor Pro3000
▲ 最新のテクノロジを投入した最高峰フラッグシップマシン「Endeavor Pro3000」
 6月22日にインテルは最高3.60GHz駆動に達する新しいソケット形状のPentium 4と、これと組み合わせる新しいIntel 925/915シリーズチップセットを発表したが、これをいち早く採用したのが今回紹介する「Endeavor Pro3000」である。


■静穏性、拡張性に優れた新筐体

 筐体は従来と異なる、重厚感あふれるもの。グレーをベースとしたカラーリングだが、中央のスリットの効果もあってか、重苦しい印象は受けない。この筐体、5インチのオープンベイ×3、3.5インチオープンベイ×1を持つほか、3.5inchのドライブベイ×4をケース下部に備える。ICH6Rの搭載で、最大4台のSerial ATA HDDを接続できるわけで、RAID0+1やFlexRAIDの構成で使うこともできる。

 内部構成はというと、基本的には通常のATXの構造であるが、導風カバーが用意されており、確実に冷却風をフロントパネル下側及びケース側面から吸い込んで、背面に吐き出す仕組みが取られている。これにより、冷却効率は非常に高い(HDD用の冷却ファンは特に用意されていないにも関わらず、HDDの冷却がきっちりと行える)上、大径ファンを利用しているため騒音レベルはそう高くない。加えて導風カバーによる遮音効果もあり、結果としてハイエンドマシンとは思えないほどに静かである。

 しかもこのケース、側面パネルやHDDベイ、導風カバー、拡張スロットの抑え金具に到るまですべてがドライバレスで作業が行える様になっている。これは過去にない配慮で、後から構成を変更したりする際に作業を非常に容易にする。このケースだけでもかなりの価値があると言っても差し支えないだろう。


▲ 5インチのオープンベイ×3、3.5インチオープンベイ×1を持つほか、3.5inchのドライブベイ×4をケースを備える。 ▲ 側面パネルやHDDベイ、導風カバー、拡張スロットの抑え金具に到るまですべてがドライバレスで作業が行える。


■最新構成に対応したスペック

▲ グラフィックはPCI-Express 16Xレーンを装備し、空きスロットはPCIスロット×4、PCI-Express 1Xレーン×2となっている。ビデオカードにはRADEON(TM) X600 XT を標準搭載。
 「Endeavor Pro3000」のスペックだが、マザーボードはIntel 925X+ICH6Rという最新の構成。CPUソケットはLGA775となっており、現状ではHT テクノロジ Intel Pentium 4 プロセッサ 520~560までがラインナップされている。またメモリはいち早くDDR2に対応。4スロット構成で最大3GBまで搭載できるようになっている。
 グラフィックはPCI-Express 16Xレーンを装備する。空きスロットはPCIスロット×4、PCI-Express 1Xレーン×2となっており、普通に利用する限りこれで不足するケースはまず無いだろう。ちなみにオンボードサウンドは搭載されていないので、Sound Blaster Live!かSound Blaster Audigy 2をBTOで選ぶことが必要となっている(試用機にはSound Blaster Live!が搭載されていた)。その一方、オンボードでGbEコントローラが搭載されているのは嬉しいところ。このGbEはPCI-Express 1Xレーンを利用しているので、その性能をフルに発揮させることができる。

 現時点でのEndeavor Pro3000の構成は、「どんな用途にも適したベースモデル」という位置付けだろう。例えばRAID0を組んで、メモリを1GBほど搭載してやれば、HDDレコーディングやノンリニア編集のための良いベースモデルになるし、とりあえずはサウンドカードにSound Blaster Audigy2を奢っておき、後でビデオカードを強化すれば、最強ゲームマシンを狙うこともできよう。あるいはTVチューナーカードを追加して、マルチメディアPCを狙うのも悪くない。現状のまま利用しても、ビジネス用途で計算能力を必要とするケース(Excelで巨大なシートの再計算を掛ける、など)にはぴったりではないか、と思う。

 もちろん現時点ではBTOメニューがやや少ない(特にPCI-Expressがまだ立ち上がったばかりなので、ビデオカードで選べる製品が極めて限られてしまう)のは残念だが、今後はPCI-Expressがメインストリームになってゆくことは明白なだけに、逆に言えば今後のアップグレードを見据えた場合には、既存のPCI+AGPという構成よりも将来性があるのは明白である。言ってみれば、Endeavor Pro3000を選ぶというのは、こうした将来性を選ぶのと同じと考えてよい。


■その性能、及びコストパフォーマンス

▲ 背面にはUSB2.0×4、シリアル×2、パラレル×1、などを装備する。
 純粋に性能面だけ見てもEndeavor Pro3000は突出している。3.60GHz動作のPentium 4は、新しいLGA775プラットフォームでのみ提供されるから、Endeavor Pro3000を選ぶことで、このハイエンドの性能を手に入れることができる。またこれと組み合わせるIntel 925Xチップセット+DDR2 533MHzメモリは、2チャンネルで8.4GB/secもの帯域を提供する。CPUが必要とするのはこのうち6.4GB/secで、余った2.0GB/secの帯域はそのままI/Oのスループット向上に繋がる事になる。つまりRAID0やGbEで大量のデータ転送を行っても、CPUの必要とするメモリ帯域を食いつぶす心配がないから、トータルでの性能向上に大きな貢献があるわけである。Endeavor Pro3000は新たなフラグシップマシンという位置付けにあるが、そうした位置付けがなされるだけの理由はちゃんとあるのである。
 もちろんこうしたハイエンドの構成であるから、絶対的な金額という面では格安とは言いがたいわけではあるが、それでもBTOの構成を考えた場合には相対的に割安である。例えば今回試用した構成は

・Windows XP Home Edition
・HT テクノロジ Intel Pentium 4 プロセッサ 560(3.60GHz)
・256MB メモリ×2
・160GB SATA HDD
・スーパーマルチドライブ
・Sound Blaster Live! 5.1
・109 USB K/B & Optical Mouse

となっているが、この構成で\249,270(税込)となっている。ただ、このうちプロセッサの価格が\99,750と半分近くを占めており、例えばこれをHT テクノロジ Intel Pentium 4 プロセッサ 540(3.20GHz)にすると\193,620まで下がる計算になる。これは、構成を考えるとそれほど高いとは言えない。

 また、メモリは256MB×2で\23,100、512MB×2で\46,200という価格がついている。ところが秋葉原での平均市販価格を見てみると、256MB×2で\34,100ほど、512MB×2で\70,900ほどになる。つまり、BTOメニューで購入した方が圧倒的に安いのである。


■というわけで

 「まだPCI-ExpressもLGA775も要らない!」なんて人に、無理にお勧めしても無駄になるかもしれないが、「今から購入するなら長く使えるマシンを」と思う人には是非「Endeavor Pro3000」をお勧めしたい。構成に無駄はないし、安く上がり、動作保証もされており、おまけにケースが優れものである。フラグシップマシンと銘打つだけの事はある、と保証しておく。


Endeavor Pro3000 主な仕様
最小構成価格 ¥144,900 (税込)
CPU HTテクノロジ インテル(R) Pentium(R) 4プロセッサ 520/530/540/550/560から選択
OS Microsoft(R) Windows(R) XP Home Edition、Microsoft(R) Windows(R) XP Professional、から選択
チップセット インテル(R) 925Xチップセット + ICH6R
メインメモリ/
ソケット
512MB~3072MB(PC4300 デュアルチャネルDDR2 SDRAM)/ DIMMソケット(240ピン)×4(同容量2枚1組で使用)
ビデオコントローラ RADEON(TM) X600 XT (128MB DDR SDRAM)
ハードディスク
ドライブ
80~160GB(シリアルATA、4基内蔵可能)、 160~320GB(シリアルATA RAID0キット)、 320~640GB(シリアルATA RAID0キット×2)から選択
CD/DVDドライブ CD-ROMドライブ、コンボドライブ(CD-R/RW&DVD-ROM)、 スーパーマルチドライブから選択(2基内蔵可能)
サウンド機能 選択したサウンドボードによる
LAN 1000Base-T/100Base-TX/10Base-T (PCI Express接続)
インターフェース USB2.0×6(前面×2、背面×4) 、 シリアル(D-Sub 9ピン×2)、パラレル(D-Sub 25ピン×1)、LAN(RJ-45×1)
ドライブベイ
(空き数)
3.5型×1(1) 5.25型×3(2)、3.5型HDD専用<25.4mm厚>×4(3)
オプションスロット PCI Express 16× VGA:1 (フルサイズ×1:ボード長312×幅108mmまで) PCI Express 1×:2 (フルサイズ×2:ボード長312×幅108mmまで) PCI×3 (フルサイズ×1:ボード長312×幅108mmまで、ハーフサイズ×2:ボード長200×幅108mmまで)
外形寸法
(幅×奥行き×高さ)
217×505×432mm(突起部を除く)
質量 約17.5Kg(最小構成時)

Endeavor Pro3000の詳細はこちら

大原雄介 専門分野を聞かれると困ってしまう何でも屋。カバー範囲はCPUやメモリ、チップセットから通信関係、OS、データベース、医療関係まで多岐にわたり過ぎ。今は愛猫と戯れることを心の慰めにする毎日。
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