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葛西駅高架下の東京メトロ「地下鉄博物館」が面白い 20周年特別展も
2024年12月14日 08:30
東京メトロ(東京地下鉄株式会社)が2024年で発足20年を迎えました。それを記念して「地下鉄博物館」(ちかはく)では、2024年12月3日から特別展「東京メトロ 20年のあゆみ展」が開幕しました。ここでは特別展と常設展の様子をレポートします。
地下鉄博物館はメトロ文化財団が運営する博物館で、東京メトロなどの地下鉄に関する展示を行なっている施設です。東京メトロと言えば、去る10月23日に東証プライム市場に上場して話題になりました。株主優待の一つとして同館の無料招待券が含まれており、感心を持った人も多かったのではないでしょうか。
鉄道関係の博物館だとさらに大規模な施設もありますが、この地下鉄博物館もしっかり見て回ると3~4時間はあっという間というボリュームがあります。入場料も大人220円、子供100円とリーズナブルなのでオススメです。
場所は東京メトロ東西線葛西駅高架下で、同駅が最寄り駅となっています。開館時間は10時~17時(入館は16時30分まで)。休館日は毎週月曜(祝日・振替休日となる場合、その翌日)および年末年始(12月30日~1月3日)です。
特別展「東京メトロ 20年のあゆみ展」
【展示会概要】
会場:地下鉄博物館 企画展示コーナー
会期:2024年12月3日~2025年3月9日
料金:無料(別途入館料が必要)
前身となる営団地下鉄(帝都高速度交通営団)が民営化し、東京メトロに変わったのは2004年4月1日。2024年で20周年になります。特別展ではこの20年間にフォーカスし、その時々で用意されたアイテムや解説のパネルで歴史を振り返る内容になっていました。
東京メトロは2024年12月現在、9路線195km、180駅を擁しており、1日当たり約652万人が利用する鉄道になってます。
展示アイテムは多くが本展のために集められたもので、一般の人が見られる機会としては貴重なものです。展示物は撮影も可能(一部撮影不可あり)となっています。
特別展の入り口には発足日にまつわる展示がありました。シンボルマークはそれまで親しまれてきた「Sマーク」からハートを模した「ハートM」(Mマーク)に切り替わりました。発足前後に新聞などに掲載されたビジュアルも出ていました。
中に入るとまず目に入ってくるのは大きなハートMの看板(4面Mマーク標)。拡大模型かと思いきや実物だそうです。上野駅の出口を再現した台座の上に載せています。実際の看板をこの近さで見られるのは、他には無いのではとのこと。
多数の解説パネルも展示されており、20年の歴史やトピックが詳しく解説されていました。副都心線の開業、丸ノ内線の車両でサインウェーブが復活、総合研修訓練センターの開設、東京メトロ初の新駅となる虎ノ門ヒルズ駅の開業などがありました。
東京メトロが発足してから新たに開業した路線は2008年6月開業の副都心線のみとなります。その開業時のテープカット用ハサミなどのほか、列車の形をした非売品の弁当箱も見ることができます。
2024年5月11日と12日に行なわれた東西線南砂町駅改良工事で実際に使われたスタフとスタフキャリアも初めて展示が実現しました。
工事に伴って、西葛西駅~葛西駅間の複線区間で片方の線路のみを使用して列車が往復する運行が行なわれ、その際にスタフが使われました。いずれも今回の運行のために新しく作ったもので、新しめのスタフやキャリアを見るのは新鮮なものです。
東京メトロの株式上場は知名度と大型案件ということで注目を集めました。その上場に関する展示もあり、上場通知書や小槌も飾ってありました。
常設展も珍しい展示がずらり
特別展の内容を見てきましたが、ここからは常設展の一部を紹介します。常設展は7つのテーマに分かれた構成になっており、実際に操作したりできる体験型の展示も多くあります。
進んで行くと、日本初の地下鉄開業に大きな貢献を果たし“地下鉄の父”と呼ばれる早川徳次(のりつぐ)氏の像がありました。同じ表記で早川徳次(とくじ)氏と読むと現シャープの創業者が有名。鉄道なので「乗り継ぐ→のりつぐ」と憶えるとよいと学芸員が話してくれました。
続いては「地下鉄をつくる」のエリア。トンネルの作り方などが解説されています。ミニチュア模型が充実していて見応えがあります。
「地下鉄をまもる」のエリアでは指令所の仕組みやシールドトンネルを見ることができます。
さらに「地下鉄車両のしくみ」エリアではモーターやパンタグラフ、台車といったパーツが展示されています。
「地下鉄プレイランド」は運転シミュレーターや鉄道模型を楽しめるエリアとなっています。シミュレーターは追加料金無しで体験できます。また、シミュレーター体験時は運行に関わった経験のあるスタッフがサポートしてくれるとのこと。
鉄道関係のガチャやグッズも充実
地下鉄博物館では、展示以外にも映画の上映やグッズの販売などがあります。また、プレゼント付きの館内スタンプラリーも行なわれています。
都心の大手町駅から地下鉄で18分ほどの場所にこれだけの博物館があるのはなかなか貴重なのではないでしょうか。初めて訪れると、思った以上の規模に驚くと思います。子供連れでも楽しめる工夫が多いのも良いところでしょう。今回の特別展を機に一度訪れてみてはいかがでしょうか。
なお、博物館を出る際に「メトポ」(メトロポイントクラブ)の会員証を見せるとオリジナルノートがもらえる特典もありますので、まだの人はメトポに登録してから行くと良いでしょう。