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視聴者のほうが年上【YouTubeはじめました】

弊チャンネルの人口ピラミッド

3月で会社を辞め、4月からフリーライターとしての生活が始まり、日々のサイクル的にも少し馴染んできたような感じです。もう「俺は自由だ!」的なテンションのブチ上がり方も特になく、まずは元気に目覚めてから、今日やる仕事を考えつつ起き上がります。

でもライターの仕事相手は会社員(ほぼ出版社の編集者)なので、土日が休日という感覚は意外と残っています。「金曜中に返信しておこう」「原稿は月曜朝に送ってあればいいよね」「朝一番のメールが帰ってくるまでは起きてようかな」みたいな感じです。基本はメールなので土日に送ってもいいのですが、相手が真面目な人だと休日にもしっかりした返信があるので、先方が急いでいないことであれば、あえて月曜になってから送ったりもします。

まだ会社を辞めて半年未満なこともあり、「夏休み」と自称して、先方から依頼があった仕事しかやっていません。これでは早々に生活が困窮しそうですが、会社を辞めたことにより、自分が怠けても困る人がいなくなった開放感があるので、ついついノンビリしてしまいます。とはいえ締切のないYouTube投稿を後回しにしてしまうぐらいには、やることがあるという感じです。

はい、のっけから動画アップ本数が少ない言い訳でした。

ある日の仕事はカメラマン。インタビューの状況撮影を依頼され、とりあえず手元にあるカメラ2台、ワイヤレスで光る小さなフラッシュ、フラッシュ用のスタンドを持参。むしろ緊張を顔に出さないのが仕事でした

YouTube、仕事のポートフォリオとして効果抜群

ずっと私のカメラYouTubeを見てくれていた人(出版社の営業担当)から声が掛かり、とある写真イベントのモデレーターを拝命しました。写真家のトークの相手役と、それをタイムキープするような役割です。人前で喋る、場を仕切るなんて初めてのことでした。しかもメディアとメーカーがタイアップしたイベントで。

その起用のキッカケだったのが「カメラに詳しくない私でも、鈴木さんのお話はわかりやすいから」でした。それなりにカメラ知識があるから参加者目線で突っ込んだ質問ができて、かつ適度に専門用語の補足を入れられる感じが良かったみたいです。

自分としてはマニア向けの質素なカメラ解説動画をやっているつもりだったので、むしろ詳しくない人達のお役に立っていたというのは予想外でした。しかも、そのほうが需要があるという事実。以前も書きましたが、自分が何をできるかなんて、自分ではわからないものです。

こうして仕事のポートフォリオとしてYouTubeが大いに役立っているという点では、ある意味で収入に繋がっていると言えそうです。今までやったことのない仕事が多く、依頼メールを受け取った段階では一瞬ひるむこともありますが、わざわざ声を掛けるということは「あいつならできそう」と先方が思っている証拠だと解釈しています。

カメラ系の取材もやってます

独立後も引き続き個人として取材させてくれているメーカーがあり、もろもろ問題の範囲で動画レポートを作っています。言ってしまえば現状では一銭にもならない作業なわけですが、「メーカー担当者から直接説明を聞けて、質問もできる」という立場にあるからには、どうにかお伝えせずにはいられません。読者=視聴者に“役得”と思われたら負けだと思っています。

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上の動画、なぜ取材現場ではなく、わざわざみすぼらしい机の前で喋っているのかというと、取材現場で新製品機材を占有したり、周りに人がいる中で大きな声を出して撮影するのは気が引けるからです。

会社員時代であれば、そのまま取材現場に残って他の人がいなくなってからサクッと動画を撮らせてもらったりもしましたが、今の私はただの弱小YouTuberです。忙しいメーカー担当者のお手間は取らせませんし、大メディア様方の取材のお邪魔もいたしません。

変わらない取材道具です。DJI Osmo Pocket 3にテーブル三脚とマイク(ピンマイク付き)。基本的に現場の音声は使わないので、マイクは一応1つだけ持っていきます。iPhoneで撮った動画も多用します
左は、最近入手したOsmo Pocket 3用のネックマウントです。何が違うかというと……
以前紹介したものよりジョイント部分がシンプルで、樹脂製のため軽く使いやすいです。耐久性はあまり期待できません
というのも、Osmo Pocket 3本体を固定する部分は、滑り止めのゴムが貼ってあるだけ。すぐズレたり剥がれたりするのは目に見えていますが、割り切って使います

さて、以前も話題にしたとおり、注目製品の動画にはシャープなコメントも誘引されます。カメラ知識について「○○という説明は間違いです。正しくは○○です」という指摘の内容がそもそも間違っているとか。投稿者が見るからに若いので(※若くないですが。後述)、何かしら言ってやりたい気が起きたりする日もあるのでしょう。もとい、それだけカメラの仕組みや歴史は奥が深いという証拠でもあるので、今後の解説動画を作るヒントだと受け取ることにしました。

会社員時代は「YouTubeやっても給料は増えないのに、イヤな思いだけ増えるのはタマラン」と思ってコメント欄は閉じていましたが、今は何かあってもこの連載でネタにできるのでオッケーという気持ちになっています。「説明がわかりやすいです」みたいなコメントが1つでもあれば励みになります。ありがたいです。

機材ポーチはクリアタイプが便利です。写真はシンクタンクフォトの「ケーブルマネージメント30 V2」(旧製品)

扱うジャンルを広げたいが、果たしてどうか

アップした動画を再生回数順に並べ替えたところ

ちょっとした悩み……というほどでもありませんが、チャンネルの方向性をどうしようかなと考えていたりもします。これまでにアップした動画の再生回数上位を見ると、

・キヤノンの「ゴルフ距離計」発表会レポート……5.5万回
・リズムのハンディファンを買った(雑談)……1.2万回
・パナソニック「LUMIX S9」発表会レポート……1.2万回

といった具合に、カメラ以外の単発ネタのほうが多く再生されています。特にハンディファンの動画はチャンネルのテーマにあまり関係ないものの、夏の暑さに連動して再生数が伸びました。収益化していたらハンディファンのモトが取れそうなぐらいです。

こうなるとチャンネル登録者がつくかはさておき、幅広いネタを扱ってみるのもアリだなという気がしてきます。例えば、お気に入りのイヤフォンについて喋るだけの動画もアップしてみました。こちらも今後、仕事に繋げて詳しくなりたいジャンルではあります。

【雑談】イヤフォン買った話。JBL TOUR PRO 2がお気に入り

私自身も移り気なので、その時のマイブームに応じてアレコレ取り上げていきたいところです。いずれはチャンネル名だけ変更してもいいのかもしれません。でも“ガジェットチャンネル”と間口を広げるのも逆に弱いよなあ、なんて思ったり。

視聴者は年上

私のチャンネルの視聴者層をチェックしてみました。年齢でいうと、多い方から「55〜64歳」(28.8%)、「45〜54歳」(26.3%)、「65歳以上」(16.9%)となり、若年層に向かって減っていきます。ちなみに私が今年38歳なので、ほとんど自分より年上の方々が見ていることになります。いわゆるカメラ専門誌と似た傾向です。今はなき老舗のカメラ雑誌は、もっと年齢層が上でした。

チャンネル全動画の「年齢と性別」

女性比率1.4%というのも驚かない結果です。カメラを買ったり写真撮影を楽しむ人は男女それぞれですが、ハードウェアの話題(カメラやレンズのうんちくとか)を好み、新製品イベントや中古カメラ市に毎回出かけるぐらいの人は、やっぱり男性メインな印象です。

その点、若い人が見ていそうなカメラ関連チャンネルは、ちゃんと視聴者の楽しさを考えてエンタメに振っている印象があります。SNSで盛り上がりそうな“煽り”スタンスでいくのもそうですね。なるほどなあとは思いますが、自分の引き出しに全くないコンテンツ作りなので、到底マネできないと自覚しています。それぞれが自分にとって自然なスタイルでやっていくのが一番ですね。

あまりパッとしない時期でした

そろそろ「収益化キター!」ぐらいのトピックをひっさげてお届けしたかったのですが、まだまだでした。それでロクに動画も上げていないのに連載原稿だけ送るというのも気が引けて、フンワリと先延ばしにしていました。しかしその葛藤もまた紛れもないリアルなので、最近のトピックをまとめてみたのが今回です。

次回はさすがに1,000人達成・再生回数による収益化スタート! といきたいところですが、どうでしょうか。YouTube動画のアナリティクスを見ると、視聴者の半分以上は「チャンネル未登録者」であることもわかっています。そろそろYouTubeらしく収益関係の話題も出したいので、いよいよ、よしなに、チャンネル登録をよろしくお願いいたします。

この97.6%がチャンネル登録してくれたら、登録者数は3万人を超える計算です。これを皮算用と言います。
鈴木 誠

ライター。デジカメ Watch副編集⻑を経て2024年独立。カメラのメカニズムや歴史、ブランド哲学を探るレポートを得意とする。インプレス社員時代より老舗カメラ誌やライフスタイル誌に寄稿。ライカスタイルマガジン「心にライカを。」連載中。日本カメラ財団「日本の歴史的カメラ」審査委員。趣味はドラム/ギターの演奏とドライブ。 YouTubeチャンネル「鈴木誠のカメラ自由研究」