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新紙幣 発行開始 世界初の3Dホログラム採用
2024年7月3日 13:59
日本銀行は、7月3日から新デザインの一万円札、五千円札、千円札の3券種を改刷しました。150年以上にわたり日本が培った偽造防止技術の結晶とされ、さまざまな新技術が盛り込まれているのが特徴です。
今回新たに採用された偽造防止技術は、「高精細すき入れ」と「3Dホログラム」の2つです。特に、3Dホログラムについては、銀行券への採用は世界で初めてとなります。
現行の「すき入れ」に加えて採用されているのが高精細すき入れ模様です。肖像の周囲に、緻密な画線で構成した連続模様が施されています。
3Dホログラムは、一万円札と五千円札には「ストライプ型」、千円札には「パッチ型」のものを採用。3Dで表現された肖像が、見る角度によって回転して見える最先端の技術で、肖像以外の模様なども角度によって変化します。
言葉で説明しても伝わりにくいと思いますが、紙幣の印刷を行なっている国立印刷局が3Dホログラムが実際にどう見えるのかがよくわかる動画を公開しています。
技術面以外でもユニバーサルデザインが施され、ホログラムとすき入れのかたちや配置を券面毎に変えることで、券種を識別しやすくしているほか、金額の数字を大型化することで、より識別を容易にしました。
指で触って券種を判断できる「識別マーク」については、触った際により分かりやすい形(11本の斜線)に統一し、券種毎に位置を変えることでも識別をしやすくしています。
その他にも、お札を傾けると表面に額面数字や「NIPPON」の文字が見える「潜像模様」、お札を傾けると、左右両端の予約部分にピンク色の光沢が見える「パールインキ」、カラーコピー機などでは再現が困難な微小文字を印刷した「マイクロ文字」、紫外線を当てると印章や模様の一部が発光する「特殊発光インキ」などの技術も従来から引き続き採用されています。
日本銀行では、決済のキャッシュレス化が進む現代でも、現金への需要は根強く、誰でもいつでも安心して使える現金は、引き続き決済手段として大きな役割を果たしていくとの考えです。現行紙幣は2004年11月から発行され、相応の期間が経過しているため、新技術を採用することで今後も日本銀行券の偽造抵抗力を確保することも目的としています。
なお、新しい日本銀行券が発行された後でも、現行の日本銀行券はこれまでどおり利用可能です。日本銀行では、「現行の日本銀行券が使えなくなる」などと騙った詐欺行為に注意するよう呼びかけています。