トピック
第3回
やはり新製品ネタ強し。トーク動画の相方も発見【YouTubeはじめました】
2024年5月29日 08:20
YouTubeに新製品紹介の動画が多い理由
雑誌やWeb媒体と同じように、集客に繋がるのはやはり新製品情報です。
新製品の話題をいち早くアップできる手立てを考えることが、YouTubeにおいても視聴者数を増やす王道。自動車系チャンネルであれば新車試乗、ガジェット系であれば先行レビューという感じで、速さは絶対正義のひとつです。会社員時代の私も、そういう仕事をしてきました。
ただ、業界で名の通った媒体や、マスメディア的な拡散効果のあるインフルエンサーでないと、ホットな新製品をいち早く借りて紹介することは難しいです。なので私がYouTubeで新製品動画をやることはないだろうなと思っていたのですが、幸いにしていくつかの新製品を扱うことができました。
印象深いのは、ライカと共同開発したことで話題のカメラスマホ「Xiaomi 14 Ultra」です。もともとスマホ業界と接点はありませんでしたが、モバイル系ライターの方々が先方に紹介してくれたことで、カメラに詳しい人として発表会に参加できました。そこで、Web媒体の記者として長年やってきた発表会レポート(テキストと写真)を動画に置き換えてアップしてみました。
今回試したXiaomi 14 Ultraは、カメラに詳しい人が見るほどに興味深い、細かすぎてライカマニアにしか伝わらないようなギミックもあったりして、とてもテンションの上がる製品でした。結果として私の弱小YouTubeチャンネルとは別に、紙媒体のカメラ専門誌でもレポート記事を担当することになったので、(メディア露出が増えたという点で)私をメーカーに紹介してくださったライターさんの顔も立ったのかなと思っています。
続けて実写レポートにも取り組んでみました。正直、デジタルカメラの実写レビューは、私自身が写真家ではないため避けてきました。「こんなダサい写真しか撮れないカメラなのか」というコメントがついて(※高価なカメラのレビュー記事にありがち)、それを見て「なるほど、このカメラは良くないんだな」と受け取る人がいたら不本意だからです。
ただ、会社員時代にやっていた業務YouTubeでは、実写サンプルを紹介した動画のほうが低評価が少ない傾向がありました。今回のXiaomi 14 Ultraについても「実写サンプルなしの発表会レポート」は高評価率90.9%、「実写サンプルありの解説動画」は高評価率97.5%なので、ひょっとするとこれまでの動画についていた低評価は「新しいカメラの紹介なのに実写サンプルがないぞ!」という意味だったのかもしれません。
確かにカメラ機材ですから、どう写るのかを知りたいですよね。私が撮る写真がイケてないのは仕方ないとして、せめてそれぞれの作例でどんな描写性能やレンズ特性を伝えようとしているのか、口頭で説明を添えることにしています。決して難しい言葉を並べて、煙に巻こうとしているわけではありません。「難しいことをやさしく、やさしいことはそのままに」とは、カメラ誌編集者の大先輩の言葉です。
会社員時代、写真家に機材レビューの記事を書いてもらうときも、描写の見るべきポイントがどこであるかの解説を各写真に書き添えてもらえるよう依頼していました。私がわからなければ、読者にもわからない人がいるだろうなという単純な考えからでした。
取材での撮影スタイル
発表会に持っていくカメラはDJI Osmo Pocket 3とiPhone 14 Proです。ずっと動画カメラを手に持っているのは難しいので、とりあえず目に付いたものはポケットのiPhoneで撮っておき、話の合間に差し込みます。現場で撮るのは長くても1〜2分ぐらいの動画です。最初から画的に欲しいシーンを狙って撮ることで、編集時に目的のシーンを探す手間を省略します。話の内容はテキストでメモしています。
多くの動画では、DJI Osmo Pocket 3で収録した音声を使っています。付属のワイヤレスマイク(DJI Mic 2トランスミッター)を使えば、撮影画面に音声レベルゲージが表示されるためミスがなく、かつマイク本体内にバックアップ録音もされるため安心感が高いです。
カメラ専門誌出身という立場的にはミラーレスカメラで撮影するのが美しいのでしょうが、必要十分な機材を状況に応じて選ぶのもワザでして、周りのメディアの方々の邪魔にならずにシレっと撮影できる装備を好みます。そのため、声を出す必要がある喋りのパートも帰宅後に撮影しています。だいたい、会場を追い出されるギリギリまで粘って取材や質問をしますし、現場で落ち着いて要領よく喋れるほどのワザを持ち合わせていないからです。
あとは帰りの電車で取材メモをまとめて、何をどう話すかを構築します。帰宅したら、せっかくヨソ行きの服を着ていますから、そのままカメラの前に座って、取材メモを見ながら喋って撮影します。これを撮り終えるまでが取材という感じです。
相方はホワイトボード
発表会のみならず、ただ喋るだけの動画も作ってみました。カメラ系らしく“ライカの成り立ちを解説する”という内容ですが、「勉強になりました!」「続編を楽しみにしています!」みたいなコメントも頂いたりして、アリな方向性かなと思っています。
これをやってみた理由は、ホワイトボードを使うというワザを思いついたからです。トーク系のYouTubeでよく見ますね。私こと凡庸なおじさんの顔が映っているだけの動画では酷ですから、手元にホワイトボードを置いて、それを示しながら話すことで、視線が程よく散って見やすい映像になるかな?と考えたのです。顔を写さずに声だけ聞こえるというのも、耳に100%意識がいってしまうので、それはそれでハードルが高い気がしています。
またホワイトボードの効能として、書ける文字量に限界があるため、話が広がりすぎないというメリットもあります。私はカメラ雑誌の座談会に出ていても、話の寄り道・脱線から戻れない傾向にあるので、話題を強制的に限定することでボリュームに抑えようという狙いです。出演ギャラもいらない頼もしい相方、それがホワイトボードです。普段は家族の伝言板として、洗面所に設置しています。
音声も調整してます
音声の話に戻りますが、DJI Mic 2のトランスミッターには3.5mmジャックが備わっていて、市販のピンマイクを接続することもできます。襟元の見た目がスッキリしますし、どうやら音質的にもメリットがありそうです。具体的には、高音域のディテールが失われにくく、より明瞭に聞こえるように感じます。そのため余裕がある場面では、積極的にピンマイクを使って収録しています。
使っているのはFIFINEのピンマイクで、会社員時代から私物機材として持っていました。たまたまAmazonでよく売れていそうだから買ったもので、何かと比較検討して選んだわけではありません。延長ケーブルと4極→3極の変換アダプターが付いていて、今のところトラブルなし、という評価です。
これだけでも十分、自然に聞ける音声だと思いますが、動画の再生環境がいろいろであることを想像して、編集時に調整を加えています。声の帯域の音抜けを良くして、スマホやPC内蔵のスピーカーでもストレスなく聞けるようにという工夫です。もともと楽器が趣味なもので、エレキギターの音作りみたいな感覚でイコライザーやコンプレッサー/リミッターを扱います。
凝った設定ができない編集環境であっても、せめて不要な低域をカットします。“Bass Reduce”とか、それぐらいでも十分です。欲しい音域をブーストするのではなく、不要な音域を削るのが自然に仕上げるコツだと思っています。Premiere Proならエッセンシャルサウンドの「ポッドキャスト音声」を適用するのが一番早くて確実です。音量はなるべく大きめにして、広告が入った時に大きな音でビックリさせないようにしています。といっても私はYouTube Premiumのユーザーなので、ほとんど広告を見たことはありませんが……。
それとBGMですが、たまに気分次第で入れますけど、必要と感じなければ入れません。「BGMがうるさい」という不満コメントを多く見かけるのに対して、「BGMがない」という不満コメントは見たことがないからです。BGMも選曲が楽しく、それによって動画全体のトーンや構成が決まる時もあったりするのですが、その辺の話はまたいずれしたいと思います。毎度のお願いにはなりますが、チャンネル登録をよろしくお願いします。