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iPhone引越しで躓きがちなポイント。SuicaとLINEに注意しよう
2022年10月21日 08:15
iPhoneユーザーの方は、毎年10月から年末にかけて機種変更を検討する時期ですね。最新モデルを買うべきか、それとも一世代前のモデルにするか、コスト優先でSEにしようかなど、悩んでいる時間が楽しかったりします。それで、購入後は結構忙しい。新しい端末が届いたらデータを移行して、フォーマット、早めに下取りへと考える人もいるでしょう。
iOSもアップデートされて使いやすくなっているため、古い端末からのデータ移行に戸惑うことは少ないと思います。新旧の端末を並べて電源ONから「クイックスタート」の処理に進めば、ほとんど何もすることなくクローンのできあがりです。
しかし、データが移行できたからといって油断してはいけません。特に決済可能なモバイルSuica(Apple PayのSuica)と、利用されている方も多いLINEは、古い端末での操作が残っています。今回は、iPhoneの新旧端末で注意するべきポイントについてまとめて紹介します。
バックアップは重要
クイックスタートが便利とはいえ、転送するデータの容量によってはiPhoneをしばらく使えなくなる弱点があります。また、旧端末の電源が入らない、カメラが動作しないということもあるので、万が一に備えてバックアップは作成しておくべきでしょう。
基本的にiPhoneのバックアップは、iCloudに保存されています。設定アプリを開いて、画面上部のApple IDから、[iCloud]-[iCloudバックアップ]の項目で設定状況を確認可能です。バックアップを意識したことがなければ、一度確認しておくといいと思います。
この例では、無償で提供されるiCloudの容量5GBを使い切っていて、このまま[今すぐバックアップを作成]をタップしても「iCloud Driveの容量が足りない」とメッセージが表示されます。このようなときは「データ移行のための一時的なバックアップ作成」の機能がオススメです。iOS 15以降で利用できます。
バックアップの作成は時間がかかるので、夜中に仕掛けておきましょう。なお、一時的にバックアップが保管されるのは21日間なので、新しいiPhoneを手に入れてから作業するのが確実ですね。ただし、あくまでも「一時的」なバックアップです。
現状でiCloudの容量が不足している場合、新しいiPhoneのバックアップも作成されません。iCloud上の写真や動画などを整理するか、iCloud+のサブスクリプション契約などでバックアップのスペースを確保するのが無難です。
バックアップがあれば、新しいiPhoneでの復元は簡単です。電源ONで「こんにちは」に続く画面の指示に従って、作成したバックアップを選択すればOKです。
新しいiPhoneでSuicaを使えるようにする
新しいiPhoneでSuicaを使うには、古い端末でモバイルSuica(Apple PayのSuica)を“削除”します。“削除”と言われると不安かも知れませんが、Suicaの情報はサーバーにいったん退避され、同じApple IDを使う新しい端末に紐付け直される仕様なので問題ありません。なお、[Suica]アプリはApple Payに連動するため、特に操作は必要ありません。ここでは、Suicaを例に操作していますが、PASMOも同様に操作できます。
JR東日本のヘルプにもあるように、“新旧の端末で同一のApple IDでサインインしておく”ことが条件なので、設定アプリでApple IDを確認しておきましょう。
続けて新しい端末で操作します。SuicaをApple Payに登録するには[Wallet]アプリを使います。新規登録ではなく、引き継ぎするので「以前ご利用のカード」を選択します。古い端末でApple Payに登録していたクレジットカードなども表示されるので、必要があればまとめて登録可能です。
LINEのアカウントの引き継ぎ前に古い端末で行なう操作
LINEのアカウントの引き継ぎは、[LINE]アプリのバージョン Ver.12.13.0以降、かなり簡単になりました。失敗も回避できるはずなので、[LINE]アプリを最新バージョンにアップデートしてから読み進めてください。本稿執筆時点で最新バージョンは、Ver.12.16.0です。
最新バージョンの特徴は2つ。どちらもメリットの大きいアップデートです。
- 古い端末で引き継ぎ用のQRコードを表示して、新しい端末で読み取れば引き継ぎ可能
- PINコードを設定しておくと、古い端末がなくても引き継ぎ可能(異なるOSも可)
ただし、QRコードとPINコードで引き継げるのは“直近14日間トーク履歴のみ”であることに注意してください。過去分のトーク履歴を引き継ぐには「バックアップ」が必要です。PINコードは未設定の方が多いと思いますので、この機会にバックアップの確認と同時に設定しておきましょう。まずは古い端末での操作になります。
はじめてバックアップを設定する場合、以下の操作中に[LINE]アプリからiCloudへのアクセスを許可するかどうかのメッセージが表示されることがあります。許可してLINEのバックアップをiCloudへ保存できるようにしてください。
バックアップがあるだけで安心できますよね。さっそくQRコードで新しい端末へ引き継ぎたいところですが、もう少し古い端末でのチェックポイントにお付き合いください。登録済みの電話番号、メールアドレス、パスワードを確認しておきましょう。[設定]の画面から、[アカウント]をタップして表示します。
正しい電話番号が登録されているかを確認してください。機種変更時に電話番号が変わる場合は要注意です。新しい電話番号を登録しておきましょう。SMSで届く認証コードを受け取れなくなってしまいます。
メールアドレスは、パスワードを忘れた時など、LINEアカウントに紐付く連絡先として、このメールアドレスに情報が送信されます。もし、古いキャリアメール(docomo.ne.jp)など、今は受け取れないメールアドレスが登録されている場合は、受診可能なメールアドレスを登録しておきましょう。
ここでの“パスワード”は、LINEアカウントのパスワードです。忘れている場合は再設定しておいてください。ちなみに、[LINE]アプリにログインするためのパスコードとは別物です。
なお、コインのほか、LINE PayやLINEポイントはそのまま引き継がれますが、コールクレジットを利用している人は注意。古い端末で使い切るしか方法がないようです。また、コールクレジットでオートリチャージ(自動継続)を契約している場合、タイミングによって古い端末にリチャージされてしまう可能性もあります。LINE STOREのマイページの[プラン管理]から、オートリチャージをキャンセルして、新しい端末で安定運用できてから設定し直しましょう。
新しい端末でLINEのアカウントを引き継ぐ
新しい端末でのLINEアカウントの引き継ぎに備えて古い端末でQRコードを表示しておきます。
あとは新しい端末の[LINE]アプリの画面の指示に従ってQRコードを読み込めばOKです。QRコードの読み込みが完了した時点で、古い端末に確認のメッセージが表示されるので[次へ]をタップしてください。
新しい端末にLINEアカウントを引き継げたら、LINE Payの“パスワード”を確認しておきましょう。決済時に使うパスワードです。今までFace IDなどで済ましていて、忘れているなら再設定しておきましょう。
そのほか引っ越しで気を付けるコト
今回はSuicaとLINEの引き継ぎについて紹介しましたが、引っ越しで気を付けるべきポイントはまだあります。新しい端末でアプリやWebサービスなどを利用する時は再認証が必要になるでしょう。Webブラウザーに保存したパスワードや各Webサービスの用意している「パスワードを忘れた場合は」を利用する必要があるかも知れません。
特に決済が必要なサービスなどでは、SMSによる二段階認証が一般的です。金融系のアプリなら送金時に利用するワンタイムパスワードなどの再設定も忘れがちです。「Google Authenticator」などの2段階認証のアプリも、移行作業が必要なものがありますので注意しましょう。
インストールされているアプリを一通り起動して、スムーズに利用できるかは確認しておきたいですね。不要なアプリを整理するのにもいい機会です。ユーザー辞書、インターネット共有、アラームなどの設定も見直してみてはいかがでしょうか。