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空いている予定で自動的に日程調整してくれる「Calendly」
2021年8月11日 08:30
リモートワークの普及により、オフィスだけでなく自宅や外出先などさまざまな場所でビデオ会議することが当たり前となったことで、打ち合わせの予定を調整する機会も多くなりました。カレンダーに予定を登録する回数が飛躍的に増えたという人も多いでしょう。
日程調整の手間を削減するために便利なのが、今回紹介する「Calendly」というサービスです。Google カレンダーと連携することで、自分の予定から都合のいい時間だけを相手に見せることができ、相手が選んだ時間帯が自分のカレンダーへ自動的に登録されるので、「どの時間が空いてたっけ……。」とカレンダーを見ながら日程を調整する手間を大幅に省くことができます。
有料で提供されているサービスですが、ごく基本的な機能に限定して無料で利用できるプランも用意されており、Google アカウントがあればすぐに使い始められます。海外サービスのため表記は英語なものの、日本語での利用にも対応しており、初期設定と基本的な設定をすませればその後はほとんど設定することなく利用できます。
今回は無料プランでの利用を前提として、Calendlyの初期設定や基本的な機能、運用する上でのコツを紹介します。Calendlyをうまく活用して、日程調整の面倒から解放されましょう。
Google アカウントがあれば基本機能は無料で利用可能
前述の通り、CalendlyはGoogle カレンダーを設定したいGoogleアカウントでログインするだけですぐに利用できます。
初期設定では好きな文字列を入力して自分だけのURLを設定できます。この文字列は後で変更することも可能ですが、他のユーザーがすでに利用している文字列は使用できません。
URLを設定したら、Google カレンダーの中で設定したいカレンダーを選択します。
(1)は、予定が入っているかどうかをチェックするカレンダーで、(2)はCalendlyで作成した予定を追加するカレンダーを選択できます。基本的には初期設定のままで問題ありませんが、Googleカレンダーで複数のカレンダーを使い分けている場合は、任意のカレンダーをここで指定しましょう。
続いてCalendlyで利用できる時間帯を設定します。ここで設定した時間帯以外ではCalendlyで予定が入らないようにできるので、業務時間以外に予定が入らないように調整しましょう。最後に業種アンケートに答えると初期設定は完了です。
自動で設定される内容を使いやすくカスタマイズ
初期設定が終わると、最初から15分、30分、60分という3つのスケジュールが用意されていますが、初回利用時は有料プランを一定期間無料で利用できる「Pro trial」プランが適用されており、期間が終了すると無料アカウントではスケジュールを1つしか利用できなくなります。
Calendlyの仕組みを理解する意味も含め、自分が使いやすい設定のスケジュールを作成してみましょう。画面右下のチュートリアルに表示される「New Event Type」または右上の「Create」から新規のスケジュールを作成できます。
「Event name」には好きな名前を付けることができます。予定を入れる相手にも表示されるので、相手にもわかりやすい名前を設定しましょう。最初から作成されているスケジュールのように、「60分ミーティング」など時間を入れるのもわかりやすくておすすめです。
「Location」は、ミーティングする方法を選ぶことができます。オンラインミーティングの場合はGoogle Meet、Zoom、Teamsなどのサービスに対応しており、設定したサービスのURLが相手に自動で発行されます。また、実際の場所で会う、ミーティングを申し込んでくる相手にミーティング方法を任せるという選択肢も用意されています。
画面最後の「Event link」は、このイベント固有の好きな文字列を指定できます。こちらも後から変更可能なので、「meeting」など一般的な名称を入れておくのもいいでしょう。「Event color」は、相手に表示する画面の色を10色からカスタマイズできます。
次の画面ではミーティングの時間を設定します。「Date Range」は、何日間先まで予定を入れられるかを設定します。標準では60日間になっていますが、余り先の予定を入れたくない場合などは日数を減らすなど調整しましょう。
「Duration」はミーティングの時間を設定します。プルダウンでは15分から60分まで15分単位で選択できるほか、「Custom」から1分単位で最大12時間まで設定できます。
「How dou you want……」で始まる次の項目は、ミーティングが入る日時を設定できます。初期設定ですでに設定が終わっているので、「Use an exsiting schedule」で作成済みのスケジュールを選びましょう。
最後に、ミーティング前後に予備の時間を設定します。前のミーティングが長引いても次のミーティングに影響しないよう、前後に少し時間を設けるのに便利ですが、確実に1時間ごとでミーティングを切り替える、という場合はオフにしましょう。これで設定が完了です。
作成が終わったら「View booking page」をクリックして実際の画面を見てみましょう。Google カレンダーの予定とはリアルタイムに同期しており、自分の空いている時間帯とミーティングの候補が表示されるので、相手にこのURLを送るだけで予定調整がとても簡単になります。
Calendlyをより便利に使うためのカスタマイズ
Calendlyの基本的な使い方はここまでですが、ここからはよりCalendlyが使いやすくなる設定を紹介します。
初期設定ではミーティングの申込時に名前とメールアドレスしか入力欄がありませんが、会社などとやり取りする場合、名前だけだと相手がわかりにくいこともあります。その場合は設定の「Invitee Questions」にある「+Add New Question」から「会社名」「部署名」など質問項目を追加しましょう。
また、「Name」「Email」は英語から変更できませんが、「Please……」の部分は表記の変更や順番の入れ替えも可能なので、ここも「備考」「打ち合わせの概要」などと日本語に変更しておくと相手にわかりやすくなります
Calendlyは海外サービスのため、通知メールも英語で送られます。相手によっては英語だけだと読みにくい場合もあるため、メールの内容も日本語でカスタマイズしてわかりやすくしましょう。
設定の「Notifications and Cancellation Policy」にある「Calendar Invitations」の「Personalize」からメールの文章をスタマイズできます。件名や本文は「+variables」を使うと、相手が入力した内容やミーティングのURLなどをメール内に引用することも可能です。
Calendlyは一度設定すると自分で見ることがあまりないため、これらの設定をきちんとしておかないと、相手にとってわかりにくい画面のまま使い続けてしまう可能性もあります。設定を変えたら自分で自分の予定を取り、どんな画面が表示されて、どんなメールが送られるのかを確認するをことおすすめします。
なお、Google カレンダーに1日単位で設定した予定は、Calendlyでは反映されないため、休暇に設定しておいたのに予定が入ってしまうことがあります。Google カレンダーに用意されている「日本の祝日」カレンダーを利用している場合も同様のことが起きかねません。Calendlyを活用する場合、予定を入れたくない日は1日単位ではなく時間単位で登録するようにしましょう。
使い慣れていないうちはCalendlyの設定ミスも起きやすいため、慣れるまでは相手にURLを送る前に自分の予定がちゃんと反映されているかを確認するのがいいでしょう。最初は面倒かもしれませんが、自分の空き時間を1つ1つチェックすることに比べれば大幅に手間を削減できるはずです。
設定が終わればあとは自動で日程を調整
表記はすべて英語であり、使い方に多少コツをつかむ必要があるものの、なれてしまえば予定調整がとても便利になるCalendly。今まではカレンダーを見ながら空いている時間帯をメモして相手に送り、日程が決まったらそれをカレンダーに入力、という作業を手動で行なっていましたが、CalendlyならURLさえ送ってしまえば後の調整は自動でやってくれます。筆者もCalendlyを使い始めてからは、予定調整をできるだけCalendlyに任せるようになりました。
仕事の打ち合わせはもちろん、お店の予約をCalendlyで受け付ける、ということも可能です。また、会社内で1つのZoomアカウントを共有している場合は、Zoomアカウントの簡易予約システムとして活用するのも便利です。
有料プランでは複数ユーザーや複数カレンダーの予定から空いている時間帯を調整する、1つの時間帯に複数の予約を入れる、相手にリマインドメールやフォローアップメールを送るといった機能も用意されています。無料プランで物足りなくなったらこれら有料機能も検討するといいでしょう。
なお、Googleカレンダーを提供するGoogleも、個人事業主向けの「Google Workspace Individual」というサービスの中で同様の予約スケジュール機能を提供しました。好きなカレンダーを選べないなど機能に制限はあるものの、Calendlyにかなり近い機能を利用できますが、一番の違いはGoogle Workspace Individualは月額900円の有料サービスということです。
Calendlyで一番安いプランである「Premium」は月額8ドルと、Google Workspace Individualとほぼ同額で、法人向けの「Google Workspace」では現在のところ同様の予定調整機能は提供されていないようです。また、有料プランで比較すると、複数カレンダーや複数ユーザーの対応など、Calendlyのほうが機能が充実しています。
今後Google カレンダーが予定スケジュール機能の対象を拡大する可能性もありますが、まずはCalendlyを使って、予定を自動で調整してくれる便利さを体験してみるといいでしょう。