トピック
機種変&アプリ引越しの注意点。iPhone 12 miniへの引継で実践
2020年12月3日 08:15
前回は、iPhone 8 Plus → 12 miniにSuicaを引っ越した話でした。12 miniを使い始めて2週間、何か忘れているかも知れないと思って、古い端末をフォーマットできないまま。バックアップから復元しているので、何の問題もない“はず”なのですけど……。
しかし、古い端末の処分先が決まったこともあって、本腰を入れてアプリの引っ越しを完了しなければいけなくなりました。お金が絡むApple Payよりは気楽に作業できましたが、引っかかった点がいくつかあり、今回紹介するのはそのあたりの話です。
特にネットバンキングのアプリは、送金などに利用する「ワンタイムパスワード」の機能も兼ねており、設定を忘れるところでした。
そのほか、IDどころか、アカウント情報を何もかも忘れていて困ったり、“引き継ぎコード”が必要なアプリがあったりと、機種変更したからといって、古い端末を即フォーマットというのは危険だなと思った次第です。
なお、LINEとSuicaの引っ越しについては、こちらの記事を参考にしてください。
利用中のWebサービスはアカウント情報を確認しておく
古い端末でバックアップを作成し、新しい端末で復元、もしくは、新しい端末で「クイックスタート」を使って古い端末のクローンを作成した場合、インストール済みのアプリや設定はそのまま引き継がれています。
Webサービスと連動するアプリがほとんどなので、そこまで神経質にならなくてもいいだろうと高をくくって、どんどん“ログイン”していきます。
さっそく引っかかりました。Apple IDやGoogleアカウント、Facebookアカウントなどを利用してログインできるWebサービスは多く、「ソーシャルログイン」とも呼ばれます。何のアドレスでログインしていたんだろう? 薄い記憶を頼りに試したら通りましたが、その後にSMS認証。受信できる電話番号を登録しておいてよかった。
決済のあるWebサービスの場合、メールや電話番号で再度認証が必要になることがほとんどです。ECサイトやポイントサービス、ストリーミングサービスなど、冷静に考えると結構な数のアプリがあるのではないでしょうか。ログイン済みの古い端末やパソコンから、自分のアカウント情報を見直しておくことをおすすめします。
なお、アプリによっては、古い端末で“引継コード”を生成し、新しい端末で入力する手順が必要なこともあります。ゲームアプリにありがちですね。思い当たる方は、古い端末で引っ越し方法を確認しておきましょう。
パスワードを忘れたらここを確認
アカウント情報をすべて忘れているような状況なら、まずはiPhoneのみで解決できるかどうかを試してみてください。筆者もずいぶん忘れていました。
Safariを使っている方は[設定]アプリの[パスワード]を確認。Chromeの方は、お使いのGoogleアカウントでログインして、[設定]メニューから、パスワードを表示します。
キーワード検索も可能なので、URLの一部を入力して検索するのも手です。ここでヒットしなければ、iPhoneにパスワードが保存されていません。各Webサービスの用意する「パスワードを忘れた方はこちら」の手順に従ってください。
ネットバンキングのアプリはワンタイムパスワードも忘れずに
ネットバンキングのアプリの場合、ログインできても設定完了ではありません。送金などの際に確認される「ワンタイムパスワード」を筆者も忘れるところでした。
昔は通帳、カードと一緒に専用端末を渡されたものですが、最近では多くの銀行で、アプリを使ったワンタイムパスワードの発行が主流になりつつあります。自動音声でかかってくる電話に“確認番号”を入力するなど、ひと手間かかります。
送金したい時になってからこの処理を行なうのは面倒なので、新しい端末に引っ越したら必ずチェックしておきたいところです。以下は、三井住友銀行アプリを例に操作しています。
アプリはいくつ入っている?
いい機会なのでアプリを整理することにしました。いくつのアプリが入っているのか確かめてみたところ108個もインストールされていました。“数”は[設定]アプリの[情報]の項目、一覧は[一般]-[iPhoneストレージ]の項目でチェックします。
アプリの要不要は、前回使⽤した⽇付とサイズを⽬安にしてもいいですね。なお、再インストールの可能性があるなら[Appを取り除く]の利用がおすすめ。アプリ自体は削除されますが、関連のデータは保持され、アプリを再インストールした時に復元可能です。
なお、容量の節約が目的ではなく、ホーム画面をすっきりさせたいのであれば、ホーム画面の何もないところを長押しして、アプリアイコンに表示された[-]をタップ。その後のメッセージで[ホーム画面から取り除く]を選択します。
ホーム画面からアプリアイコンは消去されますが、アプリは削除されません。アプリアイコンは、iOS 14の新機能「Appライブラリ」で確認可能です。ウィジェットで確認することの多いアプリなどは整理しておいてもいいかも知れません。
その他ちょっとした設定
最後にその他のちょっとした設定を見直しておきましょう。現状を把握して、気になる場合は変更してください。
まず、iPhoneの名前。バックアップやクローンで新しいiPhoneを設定した場合、“iPhoneの名前”もそのまま引き継がれます。
この名前は、例えばテザリングしたいときなどに表示される名前です。パソコンからテザリングしようとして、あれ、古い端末がまだ生きてる? なんて焦ったりもします。
また、Googleの2段階認証やAmazonのKindleの配信先など、端末名が重要なWebサービスもあります。新しい端末の名前は再設定しておくことをおすすめします。
あわせてテザリングに利用するパスワード(“Wi-Fi”のパスワード)は自動的に割り当てられているため、必要に応じて更新しておきます。
続いて、ユーザー辞書。古い端末からそのまま引き継がれます。変更不要な方はそのままで。引っ越しの機会に見直してもいいと思います。サンプルの「きららざか」は自動的に追加されます。要らないので消しました。
Face IDとパスコードの設定は、初回起動時に完了しているはずですが、メガネの人におすすめしたいのが、“もう一つの容姿をセットアップ”です。また、自動ロックのタイミングも見直しておいてはいかがでしょうか。
びっくりした設定がもう1つ。バックアップやクローンでは、アラームも引き継がれます。新旧両方の端末で“鳴る”ので注意です。
ということで、iPhone 12 miniへのアプリ引っ越しは無事完了しました。新しい端末への完全移行に踏ん切りがつかない時の参考になればと思います。