ミニレビュー

iPhone/Android両対応スマートタグ「Pebblebee」の”選べる”嬉しさ

「Pebblebee」には左からタグ型、クリップ型、カード型の3つのタイプがある

ソースネクストから販売されているスマートタグ「Pebblebee(ペブルビー)」から、新しくタグ型が発売されました。iPhoneとAndroidの両方に対応できるのが特徴のPebblebeeの新型で、価格は既に発売済みのクリップ型、カード型と同じく4,980円です。今回、試用品が提供されたので紹介していきます。

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今回、新しくタグ型のPebblebeeが追加された

Appleの「探す」とGoogleの「デバイスを探す」に対応

Pebblebeeは、Appleの「探す」およびGoogleの「デバイスを探す」に対応するスマートタグです。iPhoneとAndroid両対応を謳うスマートタグは、iPhoneの「探す」には対応しているが、Androidの「デバイスを探す」には対応していないといったパターンが多く、片方のOSではメ―カーが用意したアプリを使わなければならないことが大半でしたが、iPhoneとAndroidの標準機能の「探す」に対応している点が最大の特長ともいえます。サードパーティ製の独自ネットワークを用いる製品とは異なり、iPhoneやAndroidのネットワークと標準搭載機能をそのまま活用しているため、世界中のiPhoneやAndroidを介してタグの追跡が可能です。

ただし、両対応しているもののiPhoneとAndroidの「探す」機能を“同時に使う”ことはできない点には注意が必要です。また、iPhoneの「探す」からAndroidの「デバイスを探す」のネットワークに切り替えるには、一度Pebblebeeをリセットしなおす必要があります。AndroidからiPhoneへネットワークを切り替えるのも同様です。

AppleとGoogleの探すネットワークに両対応(同時に使用することはできない)

選べる3つのタイプ

Pebblebeeには、「クリップ型」、「カード型」、「タグ型」の3つのタイプがあります。どれも機能に差異はなく、取り付けたいものに合わせて使い分けるイメージです。

クリップ型には丸型のカラビナが付属するため、それを使ってバッグや鍵などに取り付けるという使い方が向いていると思います。

クリップ型
充電用のUSBケーブルと丸型のカラビナが付属している
鍵と一緒につけたところ
バッグなどへの取り付けも簡単

カード型はクレジットカードに近いサイズなので、財布のカード入れに忍ばせたり、薄さを活かしてバッグの薄いポケットに入れておくといった使い方が適しています。

カード型
専用の充電ケーブルが付属する
クレジットカード2枚程度の薄さなので、財布に入れるのにちょうどいい

そして、新しく登場したタグ型。これはかなり色々な使い方ができそうです。非常に小さいのでカード型同様にバッグのポケットに忍ばせておくのも良いですが、付属の両面テープを使ってパソコンやリモコン、カメラなど様々なものに取り付けられます。また、シリコンストラップを使うと、細めのストラップに通すことも可能なので、クリップやカード型以上に使い道の幅が広いです。

タグ型
専用の充電ケーブル、シリコンストラップ、両面テープが付属する
小型なのでリモコンなどにつけることもできる
ノートPCの天板に貼り付けたところ
カメラに貼り付けたところ

IPX6の耐水性があるため、軽い雨や、こぼれた水程度であれば耐えることができます。屋外での急な雨でも安心して取り付けられる仕様です。

また、どの形状でも、繰り返し使える充電式のバッテリーを搭載しています。一度の充電で、クリップ型は最大12カ月、カード型は最大18カ月、タグ型は最大8カ月連続で使用可能です。

クリップ型はUSB-Cで充電するので、汎用性が一番高く、手持ちのUSBケーブルでも充電ができます。カード型とタグ型は片側が専用コネクタになっている専用のUSBケーブルを使います。

充電式のスマートタグも増えてきましたが、電池を消耗したら買い替えるタイプもまだまだ見かけます。Pebblebeeについては、すべての形状で充電式なのがいいですね。ただし、先述の通り、カード型とタグ型は付属専用ケーブルでしか充電ができないため、紛失には注意が必要です。

クリップ型はUSB-Cケーブルで充電する。充電状況はLEDで確認可能
カード型は付属の専用ケーブルで充電する
LEDインジケーターで充電状況が確認できる
タグ方も付属の専用ケーブルで充電する。充電中はロゴ部分が光る

ペアリングするだけの簡単セットアップ

セットアップは、iPhoneの場合は「探す」アプリから行ないます。新規追加メニューから「その他の持ち物を追加」を選択してペアリングします。自動検出には非対応で、それぞれのタグに付いているハチのロゴ部分を2回押すとペアリングモードになり、アプリ側で検出可能になります。対応OSはiOS 14.5、iPadOS 14.5、macOS Big Sur 11.1以降で使用可能です。

セットアップの手順はApple純正のスマートタグ「AirTag」と若干異なりますが、特に難しいこともなく画面の指示に従っていけば完了します。ペアリングが完了するとマップの現在位置に設定したアイコンが表示されます。AirTagと同じ「探す」アプリのマップなので、他のAirTagを含むスマートタグと一元管理が可能です。

iPhoneの場合、「Pebblebee Card」と表示されるので「接続」をタップ
ペアリングが完了するとアプリのマップ上に持ち物が表示される

「手元から離れたときに通知」で自宅などをスポットに設定している場合、その設定は引き継がれているので、改めて設定し直す必要もありません。「探す」アプリに対応していると、もともと使っていたAirTagとの共存も可能です。何より一つのアプリでスマートタグを管理できるのが嬉しい。また、「サウンドを再生」「紛失モード」などのAirTagに標準搭載されている機能も利用可能です。

Androidの場合は、あらかじめ「デバイスを探す」アプリをダウンロードしておきます。端末によっては最初からインストールされている場合もあります。スマホ側のBluetoothをオンにした状態で、Pebblebeeを近づけます。その後、ハチのロゴを2回押すと音が鳴り、ライトが点滅。画面に従って接続をしましょう。このように接続自体はiPhoneでもAndroidでも差異はなく非常に簡単です。Androidでも、他の「デバイスを探す」に対応した製品の一覧と共にPebblebeeが追加されます。

注意点としては、UWB(超広帯域無線通信)による近距離での「タグがどの方向に、どのくらいの距離にあるか」という捜索はPebblebeeではできません。AirTagの場合、UWBに対応しているため、10m程度の近距離であれば極めて正確に位置を探し出すことができます。家の中で行方がわからなくなった財布などを探すときに重宝しますが、Pebblebeeではそういった機能が使えないのは頭に入れておく必要がります。とはいえ、家の中であればPebblebeeを鳴動させることでおおよその紛失位置がわかるので、UWB非対応でもそれほど困ることはないかと思います。

AirTagのUWBでの探索を利用すると、紛失物の方向や位置が分かる

これまで紹介してきたPebblebeeですが、財布など薄い必要があればカード型、キーホルダーやストラップにつけたければクリップ型、持ち物に直接貼り付ける、バッグに忍ばせておく場合であればタグ型と、ユーザーが選択できるのが嬉しいです。

タグ型、SDカードを比較してもコンパクト
カード型もクレジットカードとほぼ同じサイズ
タグ型は右のAirTagと比較して大きめだが、ストラップホールがある

また、AndroidとiPhoneが標準で用意している「探す」機能を同時に使うことができないというデメリットもありますが、サードパーティアプリが不要で利用できるという安心感と管理のしやすさ。多彩な形状による取り付け自由度による汎用性の高さなど、日常の持ち物管理が今より楽にできる製品といえるのではないでしょうか。

小出 悠太郎

1990年生まれ、青森出身のWebエンジニア。高専卒業後、放射線業務従事者、Webライター、編集者の職を経て現在に至る。2012年から運営しているブログでは、自作PCやカメラ、スマホといったガジェットのレビューを発信中。エンジニア、ブロガー以外にも、ライター、カメラマンなど、活動は多岐にわたる。