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ZOZOマリンスタジアムでJ-Coin Payする。コード決済とスポーツ観戦の好相性

8月6日より、ZOZOマリンスタジアムの観客席内でのビール等ドリンク販売で、みずほ銀行のコード決済「J-Coin Pay」が導入された。さっそく球場に足を運んで試してみたので、使用感をレポートする。

J-Coin Payをスマホにインストールしてみたものの、アプリやホームページでは、一向に対応店舗等が掲載されることなく、使いどころもないので登録すら途中でやめていた。

そんな中7月に、ZOZOマリンスタジアムで導入されることが発表。各「ペイ」が対応を進めているコンビニ、量販店、ドラッグストア、飲食店のどれでもなく、最初に大々的に発表されたのがZOZOマリンスタジアムであったことに少々驚いた。

一方で「キャッシュレススタジアム」化は確実に広がりを見せている分野であり、コード決済未踏のZOZOマリンスタジアムでの対応という選択は正しいようにも思える。そして何より、スポーツ観戦とコード決済との相性は良さそうだ。

ということで平日の8月8日、海浜幕張にあるZOZOマリンスタジアムに、仕事の名目でナイター観戦に向かった。

千葉ロッテマリーンズの公式サイトにて、千葉ロッテマリーンズ-福岡ソフトバンクホークス戦のチケットを、クレジットカード決済で購入。キャッシュレスではあるが、コード決済ではない。また、チケットレスでもない。

紙のチケット

なお記事内の写真のQRコード部分は一部加工をしている。

QRコードに価格情報も埋め込み

ZOZOマリンスタジアム内のJ-Coin Pay決済方法は、提示されたQRコードを利用者が読み取る方式。この方式の場合、一般的にはQRコードを読み取った後に支払う金額を入力する必要があるが、ZOZOマリンスタジアム内のJ-Coin Payでは、金額入力をすることなく決済に進める。

QRコードを読み取るだけで
ビールが買える

これができる理由は、QRコードの中に価格情報も埋め込まれているため。金額入力での誤りを防ぐため、ZOZOマリンスタジアム内での決済ではこの方式を採用したという。また、売り子さんは、ビールのみ、サワーのみなど、1つの商品しか取り扱っていないため、この方式が可能となる。

売り子さんにとっても、QRコードを持っていれば良いだけなので、負担にはならなそうだ。話を聞いてみると、現金の扱いには慣れているのでそれが負担と感じたことはないが、コード決済は、小銭を確認する手間や、1万円札のお釣り対応などの負担が少なくなるのは助かるとのことだった。

金額入力がないことは、サクッと支払えるという長所がある一方で、欠点もある。それは、2杯以上購入する場合は、数量分決済を繰り返さないといけない点だ。

複数購入する場合、読み込み、決済確認、完了を、数量分繰り返す必要がある

ZOZOマリンスタジアムのコンコース内の一部アルコールワゴンでも、ビールを主とした飲料のみJ-Coin Payに対応しているが、2サイズ展開をしている場合は、2つのそれぞれの価格情報が埋め込まれたQRコードが用意されている。なお撮影をしたお店では、18時時点で「今日はJ-Coin Pay決済をした人が10人くらいいた」と教えてくれた。

2サイズある場合は
それぞれの価格情報が埋め込まれたQRコードが並ぶ

また、J-Coin Payに対応しているのは、ビールやドリンクのみ。フードの購入には対応していない。1QRコード1商品という方式だと難しい部分もありそうだが、この点についてみずほフィナンシャルグループの担当者に話を聞くと、「まだトライアル段階なので、利用状況などを検証してから拡大を進める」とのことだった。

なお、ZOZOマリンスタジアム常設の販売店はJ-Coin Payには対応しておらず、QUICPayやiD、Suicaなどの交通系ICなどに対応している。また、ZOZOマリンスタジアム内でJ-Coin Payが利用できるのは、千葉ロッテマリーンズのホームゲームのみ。

グループ観戦時に便利に使える「個人間送金」

観戦日には、コンコース内204通路付近(一塁側)に、来場者対応のためのJ-Coin Pay特設ブースが設けられており、ここでみずほフィナンシャルグループの担当者に話を聞くことができた。

J-Coin Pay特設ブース

スポーツ観戦シーンにおいて、決済以外で使ってほしいのは、グループ観戦時の個人間送金機能だという。

グループ観戦のチケットは、誰か1人が幹事としてまとめてチケットを購入し、同行者から集金することが多い。集金にJ-Coin Payの個人間送金機能を使えば、現地で集金する必要はなくなり、また幹事は集金したお金をそのまま銀行口座に戻せる。

この「銀行口座に手数料なく戻せる」点は、筆者も便利であると感じた。というのは、J-Coin Payを使うに当たりチャージをしたが、他でJ-Coin Payを使う機会が今のところない。しかし余ったチャージ分は口座に戻せば良いので、遠慮なく多めにチャージでき、チャージの手間を減らせる。

余ったチャージ分を銀行口座に戻す。左からJ-Coin Pay操作画面、通知、みずほ銀行口座の取引履歴

対応店舗は増えないの?

スポーツ観戦利用で便利に使えるとはいえ、生活の中でも使えるようにならないものか。この点を担当者に聞いてみると「秋に動きがある」そうだ。アプリ提供開始時には、導入検討中企業として、ビックカメラ、ファミリーマート、ダイソー(大創産業)、すかいらーくホールディングス、東京急行電鉄などが挙げられていたが、このうちのどこかなのか、あるいはまた別のチェーンなのか、そこは明言しなかった。

また中小規模の店舗についても、提携している地銀とも協力しながら登録数を増やしており、現在の登録数は1万店舗を超えるという。専用端末やタブレットなどの利用習熟を促しているとのことだった。

ちなみにZOZOマリンスタジアムでは、8月6日から8日、10日から12日に、売り子・一部アルコールワゴンにおけるJ-Coin Pay支払いで、全飲料が半額になるキャンペーンを実施していた。

ZOZOマリンスタジアムで配布されていたチラシ

このキャンペーンの効果もあって、特に千葉ロッテマリーンズファンを中心としたリピーターのJ-Coin Pay登録が増えているという。8月20日以降も、2019レギュラーシーズン中は、一部の試合を除いてビールが100円引き、サワー・ソフトドリンクが50円引きとなる。

半額だったためこんなに飲んでしまった
試合結果