文具知新
蛍光ペンのヘビーユーザーにオススメしたい! 蛍光鉛筆「ネオンピツ」
2024年7月23日 08:20
今回ご紹介するのは、「蛍光マーカー」だけれど「蛍光ペン」ではない、というちょっと変わったアイテム。クツワの「ネオンピツ」(330円)です。
普段あまり使わない人にはピンとこないかもしれませんが、蛍光ペンは「使う人はとにかくめちゃくちゃ使う」というタイプの文具ではないかと思います。例えば、大量にプリントアウトした紙の資料をじっくりと読み込んだり、書類などの校正やチェックを行なったりといった業務では欠かすことができません。
そこまでヘビーユーザーではないという方も、資格試験などの勉強のために本や参考書を読むとき、手帳で大事な予定を目立たせたいときなど、何かと使う機会はあるので、ペンケースに1本は入っているかと思います。
私のようなライターも、蛍光ペンなしでは成り立たない仕事のひとつです。取材やインタビューから記事を作るときなどは、テープ起こしをプリントアウトして「ここは!」という部分にマーカーを引いていきます。テープ起こしは1時間程度の取材でもコピー用紙で20〜30枚くらいになりますから、それにマーキングをするとなるとまずまずのヘビーユーザーと言っていいと思います。
ヘビーユーザーだからこそ気になるコト
そんなわけで蛍光ペンには日々お世話になりっぱなしなのですが、ヘビーユーザーなればこそ、常識的な蛍光ペンユーザーであればおそらく気にもとめないであろう、ささいな点が気になってしまうのも事実です。
例えば、キャップの開け閉めはそのひとつ。蛍光ペンは、ペン先が乾かないように密閉性を高めなければいけないという性質上、キャップ式であることがほとんどです。キャップ式のペンは両手を使わなければ開けられないため、資料を手に持っている場合はいったんそれを置く必要があります。また、外したキャップもうっかりどこかへ転がってしまいがちで、そうなるとなかなか見つけられません。何しろ、ただでさえ机の上に紙が多いものですから……。
また、一度に大量の線を引くような使い方だと、ペン先へのインクの供給が追いつかず、線がかすれがちになってしまうのも気になります。その際に、インクがもうないのか? 一時的にペン先が乾いているだけなのか? 判断がつきにくいのも困りもの。なかなか新しいペンに移行するふんぎりがつかず、カスカスの蛍光ペンを使い続けてしまう、なんてことはありませんか? 私はあります。
インクがしっかり出たら出たで、次の問題は裏抜けです。特に、書き始めや書き終わりのインクが溜まりやすい部分は裏にまで抜けがち……。片面印刷の資料なら特に問題はありませんが、両面印刷の資料や手帳、参考書などの場合は少し困ってしまいます。
蛍光「鉛筆」ならすべて解決!
このような蛍光ペンのヘビーユーザーの困りごとを解決してくれるのが、クツワのネオンピツなのです。ネオンピツは、かんたんに言ってしまえば蛍光カラーの色鉛筆。「蛍光(ネオン)」+「鉛筆」でネオンピツ、というわけですね。色鉛筆の芯の部分だけを取り出して、シャープペンシルのようにノック式で使える形になっています。
このノック式というのがとにかく便利! ボールペンのようにサッと手に取ってカチカチッとノックすれば、片手ですぐに使い始めることができますし、キャップをうっかりなくしてしまうこともありません。使わない時には、シャープペンシルの要領で芯先を収納できますので、芯が折れたりペンケースの中を汚したりといった心配をすることなく、持ち運びが可能です。
ネオンピツは色鉛筆のように色材が固形になっており、インクと異なり乾くことを考慮しなくていいため、ノック式にできるのです。乾かないということは、芯を出しっぱなしにしても問題がないということ。キャップのしめ忘れを気にする必要がありませんし、ペンを片手に集中して資料を読んでいたらいつの間にかペン先がカピカピに!なんてこともありません。また、連続して筆記をしてもかすれず、一定の濃さで書き続けることができます。
加えて、個人的に嬉しいなと思うのは、使い終わりが物理的に目に見えることです。軸が透明なので、残っている芯の長さからあとどれだけ使えるかが直感的にわかるのです。終わりがハッキリしているので、「このペンはまだ使えるのか?」と悩む必要もありませんし、「使おうと思ったら書けなかった!」なんてこともありませんから、仕事の相棒として安心して身を任せられます。
インクと違って紙に浸透しないので、裏に抜ける心配がないというのもありがたいポイント。さらに、書いた部分が乾くのを待つ必要もありませんから、サッと書いてサッと閉じたい手帳などのマーキングにも最適です。
鉛筆ならではの細さが意外といい
ここまで、一般的な蛍光ペンとネオンピツの違いについて書いてきましたが、ネオンピツにはさらに「鉛筆ならでは」の特徴があります。
ひとつは、一般的なマーキングペンに比べて書ける線が細い、ということです。これは、しっかり太い線を引きたい人にはアピールしない点かもしれませんが、「文字の上にがっつりマーカーを引いてしまうと、下の文字が読みにくく感じる」という人にはありがたいのではないでしょうか。アンダーラインのように下に線を引いたり、強調したい部分を丸で囲ったりといった、書き方による変化のつけ方にも対応できます。
ちなみに少し話はそれますが、太い線でしっかり塗りつぶしたいという人には、近いコンセプトのアイテムとしてステッドラーの「テキストサーファー ゲル」(220円)があります。筆記線の太さは、ネオンピツが蛍光カラーの色鉛筆だとすると、テキストサーファー ゲルはクレヨン、というイメージです。
まだまだある! ネオンピツのいいところ
その他にも、鉛筆ならではの特徴として「定規で線が引ける」があります。蛍光ペンだとインクが定規と紙のスキマに引き込まれて線がにじんでしまうことがありますが、ネオンピツならその心配もありません。定規に色がついてしまっても、すぐにウェットティッシュなどで拭けばキレイに落とせます。
また、インクをはじいてしまう物やにじんでしまう物、紙以外の素材にも書けます。つまり、木工や裁縫の時に、木や布に印をつける筆記具として使うこともできるということ。黒い紙に書いても色が沈まず、チョークのような感覚で使えるというのは、ちょっとユニークなところです。
替芯もあるので長く使える
ネオンピツのカラーバリエーションは、蛍光グリーン、蛍光オレンジ、蛍光ピンク、蛍光イエローの4種類。それぞれ替芯(2本入・198円)も用意されているので、詰め替えながら長く使えます。
蛍光マーカーを使う頻度が高い人、インクのかすれや裏抜けに困っている人には大変おすすめのアイテムですので、気になる方は試してみてください。
最後に、完全に余談かつマニアックな情報になりますが、ネオンピツの替芯は3.8mmの芯ホルダー(鉛筆の芯のような専用芯をくわえこませて使う筆記具)に入れて使うことが可能です。私はコヒノールの「VERSATIL 5356」を愛用中。ネオンピツのもともとのデザインも好きですが、芯ホルダーに入れると高級筆記具のような見た目になり、ひと味違った趣きが感じられます(言うまでもなく、メーカー推奨の使い方ではりませんので、試される場合は自己責任で……)。
そんなわけで、ネオンピツは仕事に、プライベートの手帳にと、私にとっては毎日のように手に取る文房具のひとつです。なくなってしまうと本当に困るので、皆様にもぜひお使いいただきたく。なにとぞ、よろしくお願い申し上げます。