いつモノコト

ラミーの名作ペンをジェットストリーム化 単品リフィルを試してみた

昨今の文房具界隈の話題の中でも大きな注目を集めている「LAMY×JETSTREAM」。詳細は本誌でもお伝えしているニュース記事に譲りますが、要ともいえるジェットストリームインク搭載の油性ボールペンリフィル「JETSTREAM替芯 M17」は単品でも販売されています。価格は1,100円で、販売店によっては880円など少し割引されているケースもあります。

今回、ボール径が0.5mmの「JETSTREAM替芯 M17EF」を買ってみたので、手持ちのいくつかのラミーのペンのリフィルと交換して試してみました。

「JETSTREAM替芯 M17EF」

M17は、ラミーの既存の油性ボールペンリフィルである「M16」と互換性があります。このため、M16を使っているペンなら、ジェットストリームインク搭載のM17に交換できます。このリフィルは、元々の太い形状から、比較的大容量なのも特徴でしょうか。M17のボール径には0.5mm(EF)と0.7mm(F)の2種類が用意されています。M16はドイツ製ですが、M17は日本製です。

M17。JETSTREAMのロゴも入っています
サファリなどに搭載されているM16(中央)をM17(下)に交換できます
左がM16(M)、右がM17EF。M16の先端が大きいですが、書ける線幅に見た目ほどの違いはありません
左がM16(M)、右がM17EF
写真のように筆圧が低いとM16(M)とM17EFの線幅はほぼ同じ。筆圧を強めればM16(M)はM17EFよりわずかに太く書けます

手持ちのラミーのペンを引き出しから出して、改めてリフィルを確認してみると、「サファリ(ボールペン)」「ラミー2000 タクサス」「ラミー ダイアログ 1」の3本がM16を使うペンでした。ほかに、リフィルにローラーボール(水性インク)の「M63」「M66」を使うペンもありましたが、リフィルの形や長さが違うため、ジェットストリームインクのM17に交換することはできませんでした。

ローラーボールのリフィル「M63」「M66」は形が違います

M16を使う3本のリフィルをM17に交換してみましたが、当然ながら問題なく装着・使用できました。ジェットストリームのなめらかな書き心地が、サファリだけでなく、ラミー2000のボールペンなどでも味わえるようになりました。M16も十分になめらかですし、わずかに大きめのボール径の関係もあってか、しっとりとした書き心地が印象的。それに比べると0.5mmのM17EFは硬質でキビキビ書けると感じます。

M17を搭載した「ラミー2000 タクサス」(上)と「ラミー ダイアログ 1」(下)

実は、こうしたラミーのペンに日本メーカー製のボールペンリフィルを搭載できるようにするサードパーティ製の「リフィルアダプター」が以前から販売されており、ラミー好きの間では知られた存在になっていました。私もいくつか購入して使っていたのですが、ちょっと残念だなと感じていたのは、その書き心地の部分ではなく、動作の部分でした。

サードパーティ製のリフィルアダプター

リフィルアダプターは形状が厳密には同じではないため、ノックする際のストロークのスムーズさが違ったり、ペン先の突出量が違ったりと、純正の軽くスムーズな動作とは異なることが多く、違和感を感じがち。ペンを出して、使って、仕舞う、というトータルな体験の観点では、純正を上回れないという印象でした。

例えば「ラミー2000 タクサス」ではカチっとロックする際のクリック感が固く違和感がありましたし、内部が繊細な「ラミー ダイアログ 1」ではノックしてもロックに失敗して戻ってしまうことが多々ありました。M17はラミーの純正品なので、そうした内部がすこし繊細なペンに装着しても動作に違和感は無く、快適に使えます。

ラミーファンが思い描いていた夢が現実になった「LAMY×JETSTREAM」。第1弾として、あらかじめM17を搭載したサファリが発売されましたが、リフィル単品のM17も純正ならではの品質が約束されています。すでにラミーのペンをたくさん持っている人は要注目ではないでしょうか。

太田 亮三