いつモノコト

夫婦間で「位置情報」共有 本当に便利

待ち合わせ相手と電話で「いまどこにいる?」と、相手に居場所を尋ねたり、自分の現在地を教えたりしたことがあると思います。現在、子育て中の筆者は、夫婦間でこの「いまどこ?」をなるべく省くために、お互いに位置情報を常時共有しています。

位置情報を共有するツールは多くの選択肢が多数ありますが、筆者が主に使っているのはGoogleマップによる位置情報共有です。Googleマップでの位置情報共有は、いちど位置情報を共有する設定にすれば、明示的にオフにしない限り、Googleマップ上で位置情報が共有されるようになるので、その後は特に手間がかかりません。Android、iOSともに利用でき、私は主にAndroid、妻はiOSで共有しています。

スマートフォンを多数所有している場合でも、Googleマップをインストールして、ログイン状態で使っていれば共有相手に位置情報が通知されますので、位置情報を共有するために専用アプリを個別に設定したり、機種変更の都度設定しなおす手間が小さい点も、長く使い続けるにあたってストレスが少ない点です。

また、設定で「1時間だけ共有する」なども可能ですので、友人や知人との待ち合わせなどの際に使うのもありでしょう。もっとも、友人とのやりとりの多くはSNSを介して行なっているため、友人と位置情報を共有する場合は、そのSNSがサポートしている位置情報共有を利用しています。

Googleマップの位置情報共有、一定の時間だけ共有する設定も可能
Facebook Messengerにも位置情報共有機能がある

なお、Googleマップのリアルタイム位置情報共有はプライバシー保護を目的に、位置情報を共有する設定にした時だけでなく、それ以降も「リアルタイム位置情報を共有していますよ」という通知が定期的にGoogleより送られます。

Googleマップでリアルタイム位置情報の共有が設定されている旨は定期的にメール通知される

子育て中の夫婦で位置情報を共有すると、位置情報だけで多くの情報が得られます。例えば、どちらかが子どもの送迎中に現在地を確認すれば、「あとどれぐらいで帰ってくるのか」とか、「帰ってくる途中で買い物してるな」などの情報が、いちいち電話やメールなどで相手に確認をしなくても、任意のタイミングで確認できます。

他にも、子どもと公園で遊んでいる最中に、夫婦どちらかが買い物に行くというケースでも、公園で遊んでいるチームと買い物チームで、いちいち電話やメッセージ送受信をしなくても、位置情報だけで、ある程度はお互いの状況が理解できます。また、初めて訪れる場所で相手に現在地をうまく説明できない場合でも、位置情報を頼りにある程度の検討をつけて合流できるのは、本当に便利です。

広い公園ではぐれたりしても、位置情報でどの辺にいるのかだいたいわかる

基本的には実用ツールとして便利な位置情報の共有ですが、家族のコミュニケーションのきっかけになることもありました。筆者が小松市(石川県)に出張中にハニベ巌窟院に滞在していたところ、たまたま位置情報を見ていた家族が、入口にそびえ立つ大仏の写真を見て大笑いした、なんてことがありました。

ハニベ巌窟院の入口、インパクトのある大仏が待ち受けていた

一方で、現時点で解決できない課題として、高層の商業施設などで別行動をしていると、共有される位置情報には高さ(フロア)の情報が含まれないため、何階にいるのか? の確認には使えません。どのフロアにいるのか確認するには、メッセージのやりとりや、電話をするなど、別の方法でコミュニケーションが必要です。

また、移動中であるとか、その移動手段(徒歩、自転車、自動車、電車など)も特段表示されませんので、駅ナカの施設で買い物中なのか、電車に乗って移動中なのかは、マップに表示される位置情報を見るだけでは確認できません。こうした点は、相手に開示する/開示しないを選べるようにして欲しいところです。

ほかにも、Googleマップを使った位置情報共有では、「指定の時間帯やエリアにいる場合に限り位置情報を共有する」というような設定はありません。設定できるのは、一定の時間のみ有効にするか、常時有効にするかの2択です。筆者は、利便性を重視して常時位置情報を共有する設定にしていますが、いくら家族でも常時位置情報を共有するのは避けたいな、と思う方もおられるでしょう。そうしたニーズに応える細かい設定には非対応です。

筆者の子どもはまだ小学生ということもあり、一人で遠くに出かけることはありませんが、一人で出かけている最中で、途中に合流したり用事を頼むようなことがある年齢になったら、子どもを含めて位置情報を共有することになるでしょう。

ただし、Googleマップの位置情報共有で確認できるのは「現在地」であって、子ども向けの見守りサービスと異なり、その履歴の確認はできません。こうした点から、あくまでも「現在地を確認するためのツール」として、割り切って使う必要があります。

細かな使い勝手には不満を感じることもありますが、それでも位置情報がサクッと確認できるメリットは大きく、特に子どもが一人で習い事などで出かけるようになったら、複数対複数で位置情報を確認できることによる恩恵がありそうです。

島田 純