いつモノコト
予想以上のおいしさ! 常圧凍結乾燥技術の「うなぎ飯の素」
2023年11月24日 12:55
パナソニック くらしアプライアンス社が、京都大学大学院 光学研究化学工学専攻の中川究也准教授と共同研究を進めている食品化工技術の「常圧凍結乾燥技術」。その技術を用いて加工した乾燥食品「うなぎ飯の素」が、9月21日よりECサイト「EATPICマルシェ」で数量限定販売されている。今回、実際に商品を提供していただいたので、食べてみた印象などを紹介したいと思う。
常圧凍結乾燥技術がどういった技術なのか、という点については、関連記事に詳しいのでそちらを参照していただくとして、ここでは簡単に紹介する。
常圧凍結乾燥技術は、ざっくり言うと、食品を冷凍し乾燥させる技術。いわゆる「フリーズドライ」と同じような技術と考えていい。ただ、通常のフリーズドライは冷凍した食品を真空下で乾燥させるのに対し、常圧凍結乾燥技術は冷凍した食品を常圧下で乾燥させるという点が大きな違いとなっている。
そして、この違いは食品に与える影響がかなり大きいようで、常圧凍結乾燥技術を利用すると、食品の色や香り、食感が良くなるのだという。もちろん、これまでのフリーズドライ同様に長期間の常温保存も可能。しかも、この技術は家庭用冷凍冷蔵庫でも応用可能とのことで、新しい高品質な食品加工技術として注目を集めている。
そして、常圧凍結乾燥技術を利用して加工した食品として初めて販売されているのが、今回紹介する「うなぎ飯の素」だ。
このうなぎ飯の素は、京都祇園の懐石料理店「京料理 直心房さいき」店主の才木充氏が、常圧凍結乾燥技術を活かした料理として考案したものだという。含まれる食材全てを常圧凍結乾燥技術で加工しており、家庭で炊飯器を利用して、京都の料亭で食べるような風味豊かな本格城料理が楽しめるとのこと。これは食べる前からとても期待が高まるというものだ。
フリーズドライとは異なる香りと形
パッケージには、お出汁、具材の野菜、焼き鰻と3つのパックが入っている。もちろん、全てが常圧凍結乾燥技術で乾燥され、真空に近い状態でパックされている。
パックを開けてみると、通常のフリーズドライされた食品と違って、食材それぞれの色や形がしっかり保たれていることに驚かされる。また、食材を触ってみても、簡単に崩れそうな印象もない。しかも、乾燥した状態でも、お出汁や野菜、焼き鰻それぞれからいい香りが漂ってくる。このあたりが、通常のフリーズドライとは大きく違う部分と感じる。
作り方も簡単だ。炊飯器に2合の白米と通常の炊飯と同じ分量の水を入れる。そして、乾燥出汁、乾燥野菜、乾燥焼き鰻を入れ、炊飯器の「炊込み」モードでスイッチを入れるだけだ。
びっくりするほどの美味しさ
炊き上がった炊飯器を開けると、ふわっとお出汁や香ばしい鰻の香りが漂ってくる。また、ご飯の上の野菜や鰻は、しっかり形が保たれている。色合いも同様で、特に、にんじんの鮮やかな色合いは、これがもともと乾燥されていたものとは思えないほどだ。この時点で、これはただものではなさそうだ、という印象が一気に高まった。
そして肝心の味だが、本当にびっくりするほどの美味しさだった。昆布と鰹の風味がしっかりと味わえる奥ゆかしいお出汁に鰻の風味が加わって、まさに京都の料亭らしい味わいだ。
具材のほうも、野菜は、にんじんの甘みやごぼうの香ばしさ、えのきやしめじの特有の食感もしっかり残っている。そして何より驚いたのが鰻だ。炊きあげていることもあるので、焼いた直後のようなパリッとした皮目が楽しめるわけではないものの、鰻自体の風味はもちろん、関西風の焼き鰻の特有の香ばしさや歯ごたえのある食感もしっかり残っている。黙ってこれを出されても、フリーズドライされた鰻とは誰も気がつかないのではないか、そう思わせるほどの味わいや食感だった。
2人で2合はちょっと多いなと最初は思ったのだが、食べ始めるとその美味しさに箸が止まらず、一気に食べ尽くしてしまった。パッケージには「お家で簡単、京の味」と書かれているが、その言葉は正しいと言っていいだろう。
冒頭でも紹介したように、このうなぎ飯の素は「EATPICマルシェ」で数量限定販売されている。価格は送料込みで3,850円。なかなかのお値段ではあるが、実際に食べてみると、この値段でも十分満足できると感じる。自分へのご褒美だったり、親しい人への贈答にもお勧めしたい。