いつモノコト
一家に一つ常備したい「ヘッドランプ」
2023年1月14日 09:30
ヘッドランプはアウトドア向けの本格的な道具というイメージがあるかもしれませんが、カジュアルに使っても非常に便利で、防災グッズとして常備しておいても役に立ってくれそうです。私は釣り道具としてひとつ持っていたのですが、もう少しシンプルで使いやすい製品が欲しいと思い、常備できる防災グッズも兼ねて、ペツルの「タクティカ+」を買ってみました。購入価格は本体が5,346円で、オプションの充電式バッテリーが4,070円でした。
「タクティカ+」(E089EA)はペツル(PETZL)の多数のラインナップの中でもフィッシングやハンティングといったアクティブなアウトドア向けの製品で、明るさは最大350ルーメン、近距離・遠距離に対応するミックスビーム、赤色光、乾電池と別売りの充電式バッテリーに対応するハイブリッド仕様など一通りの機能を備えています。明るさは3段階で調整でき、角度も変更できます。防水は全天候型としてIPX4です。ヘッドバンドはバックル部分で切り離すことができます。
製品はプラスチックの質感そのままで高級感などはありませんが、重量はかなり軽量です。対応する電池の種類はアルカリ電池、リチウム電池、ニッケル水素電池です。バンドを含めた重さは公称85gで、実測はアルカリ乾電池3本を使う場合で86.5gでした。パナソニックのニッケル水素電池(1本930mAh)の場合は91g、USB充電式バッテリー「ペツル コア」の場合は75.9gでした。
店頭やネット通販を問わず、今ヘッドランプを探すと最大900ルーメンといった明るさの製品も販売されていますが、正直なところ900ルーメンクラスになると、目に入ると顔を背けるレベルの明るさです。真夜中に山に分け入っていくとか、まったく明かりのない環境で走るとかの、光量に命を預けるような本格的なシチュエーション向けだと思います。少なくともほかの人が近くにいるカジュアルなアウトドア用途や、夜間の都市部、天井裏や棚の裏を覗くといった日常用途、停電時に使うとかの防災グッズとしては、350ルーメンでも十分すぎる光量だと感じています。
ペツルのヘッドランプを使ってみて一番印象的だったのは、とにかく配光が綺麗だという点でした。照射した面に模様やムラがまったく出ず、デスク用のスタンドライトで照らしているかのように非常に綺麗です。これは暗い環境で対象を正確に見たい場合や作業の質が問われる場面では特に重要だと思います。「なんか黒くなっていると思ったら配光ムラだった」というのはけっこうありがちな経験ではないでしょうか。救命用具や工事現場用などさまざまなヘッドランプを数多くラインナップしているペツルが得意とする部分なのかもしれません。以前使っていた釣り用のヘッドランプはLED部分がただの鏡面の反射板を組み合わせただけのもので、照射すると同心円状にムラが出てそこは不満だったので、ペツルの「タクティカ+」にして嬉しい部分でした。
両手が使えるヘッドランプは、使ってみるととても便利です。デスクトップパソコンの裏の配線を確認したいという場合も、スマートフォンのカメラライトを点灯して見るということが多いと思いますが、両手が使えると作業のしやすさは格段に上がります。棚の裏を見る、浴室の天井のハッチみたいなフタを開けて天井裏の配線を確認するといった作業でもヘッドランプなら格段に作業がしやすいです。もちろんアウトドアや夜釣りでも同様です。
頭と照射方向を連動させたくないとか、アウトドアでもっとカジュアルに使いたいという場合は、本体の上下を逆にして首にかければ身体の前方を照らすライトとして使えます。ベルトには分離できるバックルが付いているので首への着脱も比較的簡単です。
アウトドアグッズは優れた防災グッズであるという考え方が広まりつつあります。防災グッズで定番の懐中電灯も、ヘッドランプにすれば、普段のちょっとした作業にも便利に使えます。今では我が家ではリビング・ダイニングの簡単に手に取れるところに置いて、いつでもすぐに使えるようにしています。