いつモノコト
見た目は普通だけど音を聞けるメガネ。「HUAWEI Eyewear」が便利
2022年7月6日 08:15
サングラスを除くと初めて購入したメガネ「OWNDAYS×HUAWEI Eyewear」。目が悪くないために購入する機会のなかったメガネですが、このコロナ渦と目前に迫った夏によって、購入に踏み切ることになりました。
常に音を聞ける態勢で夏の仕事を乗り切る
私は、人生でメガネを常用したことがありません。小学生の低学年で一度目が悪くなったような記憶があるのですが、いつの間にか復活し、その後は1.5をキープしていました。最近は老眼気味ですが……。
結果として、車を運転するようになってからサングラスを運転中にするぐらいで、メガネを着けることはなく、メガネ型デバイスにあまり食指が動いていなかったのも確かです。
ライターという職業柄、このコロナ渦にあって、自宅に籠もりきることが多くなりました。最近はようやく外に出ることも増えてきましたが、オンラインでの発表会もまだ多く、自宅取材は継続しています。
オンラインでは当然、PCから流れる音を聞くのですが、オフライン取材でもたいてい録音をしており、記事を書く際はそれを聞き直すこともあります。つまり、オンラインでもオフラインでも、「音を聞く」というのは重要な作業なのです。
自宅で音を聞く場合、今はPCに接続したUSBヘッドセットを使っています。マイクの付いたビジネス用途のヘッドセットで、音はいいのですが、ケーブルも付いているし、耳を両側からイヤーカップで押さえつけるので、長時間の着用には向いていません。
必要に応じて付けたり外したりをしていましたが、そうすると、執筆していて「あの音声を聞き直したい」と思い立ったときに、いちいちヘッドセットを付けるのが面倒だなあと思っていました。電話が掛かってくると、ヘッドセットを外して電話に応答して……というのも面倒です。
そこで手元にはコンパクトな完全ワイヤレスイヤフォンを常備。最初はずっと付けっぱなしにしておこうと思ったのですが、たいていは耳孔内にイヤーピースを差し込むので、長時間装着していると耳に違和感があり、耳の中がかゆくなって仕方ありません。
そしてやってくる夏です。イヤーカップで耳を覆うのは暑すぎるので、エアコンなしの室内では使えないでしょう。インイヤー型の完全ワイヤレスイヤフォンも、あまり夏場に装着したいとは思いません。ある程度室温が高くなる時間帯まで、エアコンを使っていないからそう感じるのかもしれません。
こうした事情に悩んでいたところに登場したのがHUAWEI Eyewear。メガネのテンプル部分にセミオープンスピーカーを搭載し、音も聞こえる「オーディオグラス」です。耳を覆わないメガネ型なので、耳がかゆいと耳をかけます。メガネは通常、長時間装着していることを前提としているため、きっと自分も長時間装着できるに違いない、と考えたわけです。
メガネ型デバイスの懸念点として、今まではデザインという問題がありました。Google Glassに代表されるようなARグラスは、メガネレンズに投影する機器が必要で、外界を認識するカメラも搭載されていて、「メガネ」とは言いづらい見た目。
かなり小型になったNreal Airも、メガネ型を維持するためにスマートフォンと有線接続する必要があって、これも目的を考えると不向き。ワイヤレスでの音声転送に限るとメガネらしいデザインの機器が増えましたが、なぜかサングラスタイプが結構あって、これは日常用途に不向きでパス。
メガネとして自然に装着できるデザインと機能を考えた結果、HUAWEI Eyewearがよいという判断に至りました。メガネのOWNDAYSと協業したこともあって見た目はほぼ普通のメガネ。インタビューで同社社長も「メガネ屋としても販売できる」と太鼓判を押していて、その辺りを信頼して購入することにしました。
実用的なオーディオグラス。2台同時接続が便利
というわけで、購入したのはOWNDAYS×HUAWEI Eyewear。オリジナルのファーウェイ版と異なり、SNAP LENSと呼ばれる、マグネットでサングラスを追加(1,650円)する機能があります。運転もするので、この機能に期待しての購入です。
基本的な機能は同じです。購入時は、ファーウェイ版の方が楽天市場でのクーポンがあってお得だったのですが、今後の継続も期待してOWNDAYS店頭での購入となりました。価格は32,780円です。
実際装着してみると、重さは許容できます。他のメガネと比べられないのですが、数時間程度であれば問題を感じていません。マスクをしているとメガネが曇るというのは初体験でしたが、何とか曇らないような着け方を工夫しています。
PCに接続しておけば、原稿を書きながら音声メモを聞きたいときは録音再生ボタンを押せば、すぐに音が聞こえます。ヘッドフォンを装着する手間もなく、まるでスピーカーを使っているような気軽さがあります。
便利なのは、2台同時接続。PCに加えてメインスマホにも接続しておけば、着信時に着信音がメガネから流れます。ツルをダブルタッチして応答すれば、そのまま話せます。ヘッドフォンを外してスマホを手に取って……といった動作も不要。耳をふさがれていないので聞きやすく話しやすい。この感覚は、ちょっと今までになかった感じがします。
音漏れは想像以上に小さく、自宅内なら音漏れはあまり気にならないですし、電車内では完全ワイヤレスイヤフォンを使えばいいでしょう。メガネなので、当然それらとも併用できます。
Googleマップのルート案内も良い感じ。要所要所でメガネからルート案内が流れてきます。画面が出ないので、細かい道案内は難しいかもしれないですが、それなりに正確に道案内できます。人と話しながらでもルート通りに歩けます。これも、常に装着していられるHUAWEI Eyewearならでは。ただ、夏の屋外だとメガネ型に日焼けするのが心配です。
人と会ったらヘッドフォンやイヤフォンを外す人は多いでしょうが、メガネを外す人はいません(多分)。いちいち外さずに済んでずっと付けっぱなしなら、必要な瞬間にすぐに音を流せるわけです。
音を流すという目的では、今回のHUAWEI Eyewearにかなり満足しています。
これが「AR」になると、一段難しくなりそうです。HUAWEI Eyewearは特にAR機能はありませんが、ARグラスを自分が使う場合も、これぐらいのサイズであれば実用的だと感じます。
自宅でも、物理的なディスプレイの代わりに、ARとして画面が表示されるのは良さそうですが、それも「常時装着できるレベルなら」という但し書きが付きます。外出先では、常時AR表示していなくても、思い立ったらいつでも表示できるのが重要です。「必要なときに取り出して装着する」のでは、好事家向けを脱しきれないでしょう。そのためには、HUAWEI Eyewearと同じレベルで常に装着できることが重要です。
オーディオグラスを使ってみて、逆にARグラスのハードルも上がりました。HUAWEI Eyewearレベルのデザインとサイズで、ARが実現できるか。そこまでくると、メガネ型であり続けるのかどうかも予想できないところ。そうした世界を期待して、しばらくはオーディオだけを活用したいと思います。