いつモノコト
プロ御用達 不織布の使い捨て雑巾を使う
2021年7月3日 09:30
立ち食いそば屋や社員食堂などで、テーブルを拭くために置かれた緑やピンクの雑巾を見たことはないでしょうか。もちろん、飲食店などで働いている人(働いたことがある人)にはお馴染みのものだと思います。不織布でできた業務用のふきんです。様々なメーカーから販売されていますが、「カウンタークロス」という名前で売られていることが多いように思います。50~100枚入りですし、基本的には業務用なのですが、ホームセンターなどでも売っていますし、通信販売で扱っているところは少なくありません。
筆者宅では、定番ともいえる尚美堂の「フジ カウンタークロス ホワイト厚手」を使っています。60枚入りで1,600円くらいでした。大きさは35×60㎝で、個人的にはこれくらいが使いやすいと思います。大きさや厚さはメーカーによって異なります。
筆者は、調理中に手を拭くためや、電子レンジやオーブントースターの清掃といった台所周りから、家具や建具、屋外に設置してあるものや窓ガラス(乾拭きは別のタオル)まで、色々なところの清掃に使っています。
1枚約30円の使い捨ての雑巾として
不織布は使い捨てのマスクでお馴染みの布です。一般的な布は糸を編んで作るのとは異なり、文字通り糸にせず繊維の状態をそのまま板状に加工したのが不織布です。
使い捨てマスクのようなものがふきん? と思うかもしれませんが、材料に違いがあります。使い捨てのマスクの多くは、石油を主成分としたポリプロピレンやポリエチレンが使われています。一方で不織布のふきんの多くは、主にレーヨンが使われています。化学繊維(再生繊維)の一種ですが、その成分は植物の繊維です。そのため、使い捨てマスクよりは、吸水性があります。
ただし、綿で出来たタオルのようにはいきません。何種類か、不織布のふきんを使いましたが、スッと水が染み込むものもあれば、乾いてしまうとむしろ水をはじくくらいのものもありました。使い方によりますし、ポリエステルが多く混ざっていているものは吸水性が落ちるようです。どちらかといえば、乾拭きや拭き上げのような濡れたものを拭く用途よりも、濡らしてきつく絞って汚れを落とすといった使い方で便利だと思います。
1枚30円程度ですから、気軽にバンバン使えるのが利点です。捨てることを前提に酷い汚れを掃除するという割り切りもできます。屋外の酷い汚れなどは、捨てる前提で使用することも少なくありません。
キッチンペーパーやキムタオルなどの紙製品を雑巾代わりに使うこともあると思います。しかし、不織布のふきんは、紙よりは柔らかく濡らして使えるという違いがあります。油汚れなどは紙でふき取った後、濡らしたり洗剤をつけた不織布のふきんで拭くといったように使い分けてもいいかもしれません。
ただし、すごく柔らかいというわけではないので、カメラのレンズや、テレビなど、わずかな傷が性能や使い勝手に影響するものには避けたほうが無難です。
洗って繰り返し使える
使い捨てで使ってもいいのですが、もちろん洗えます。布でできた雑巾のような耐久性はないので、使っては洗ってを繰り返しているとボロボロに毛羽だってきますから、いつかは捨てることになります。どれくらい使えるかは、使用状況にもよるのですが、洗って使う分には一箱60枚はそう簡単にはなくなりません。あまりにもひどい汚れを掃除したときは使い捨てにし、そうでなければ洗って繰り返し使うようにしてもいいでしょう。
洋服でレーヨン製というと洗濯は大変ですが、ふきんですし不織布ですから、普通の雑巾やふきんと同様に洗えます。洗濯用洗剤でゴシゴシともみ洗いし、そのまま1~2時間ほど洗剤につけておけば十分でしょう。繰り返し洗っているうちに、縮んだり薄くなったりしますが、ふきんですから、問題はないでしょう。台所で使うなら、漂白剤につけても構いません。ただし、漂白剤によって傷みやすいのか、洗剤で洗うものに比べて生地が薄くなっていく感じが若干早いように思います。
メーカーにもよりますが、複数の色が用意されています。学生のころにアルバイトをしていた喫茶店では、3色のふきんを使い分けていました。白いふきんは、包丁やまな板、食材を入れる道具を拭くため専用で、洗濯には漂白剤を使っていました。ピンクのふきんは床や灰皿など、触れたらその後で手を洗う必要があるものを拭くために使用。緑のふきんは、一般に手が触れるような場所を拭く用途でした。ちょうど白とピンクの中間といった具合です。ピンクと緑は洗濯用洗剤で洗っていました。
ある工場では最後に機械をキレイに拭くのに、一度ゆすいで水をきつく絞った白の新品を使うという話も聞いたことがあります。洗ったら、その用途には使わないものの、ほかの掃除に使っていたようでした。
家庭で使うときは、複数の色を用意して用途別に使い分けてもいいでしょうし、1色だけでも使用頻度や汚れ具合に応じて汚いもの用に格下げしていってもいいでしょう。
筆者の場合は、1色で洗って繰り返し使っていますが、台所用/屋内用/屋外用などと用途別に分けるようにしています。
大きくて厚手のものを用途に応じて切って使う
色だけでなく、大きさや厚さ、素材の配合による違いによって様々な種類があります。用途が決まっているのであれば、最適な大きさや厚さのものを選べばいいのですが、これから初めて買うのなら、まずは厚手で大きいものを選ぶのがいいと思います。どうせ折り畳んで使いますし、あまりに大きければハサミで切ってしまえばいいからです。
素材としては、前述のようにレーヨンやポリエステルが使われます。吸水性がうたわれているものは、レーヨン100%が多いようです。一方ポリエステルが加わると耐久性が上がるようです。個人的には、家庭で使うのであればレーヨン100%のものが、幅広く使えるように思います。
先日スーパーに行った際入り口に、不織布のふきんが、大量に積まれていました。その日は雨が降っていたので、客が濡れたものを拭くために用意されていたのです。これほど大量に箱から出されている様子は、初めて見ました。せっかくなので一枚頂戴してきました。ピンクで薄手のタイプ、大きさは約30センチ四方の小さいものでした。ちょっと拭くには十分でしょうから、顧客サービスとしては面白いアイデアです。
尚美堂のカウンタークロスの箱を見ると「厨房から店内、事務所、ご家庭での拭き掃除までアイデアしだいで用途は広がります」と書いてあります。ふきんではありますが、掃除以外の用途に使ってもいいかもしれません。