いつモノコト
重いガジェットも快適。タフなミステリーランチの都会派デイパック
2021年4月3日 09:30
昨年の引っ越しで驚くほどの量のモノを手放してしまったため、取材などの「ちょっと真面目な用事」に向いたバックパック(リュックサック)が手元に残っていないことに気が付きました。そこで、すでにいくつか製品を購入し信頼を寄せているバックパック専門メーカー「ミステリーランチ」から、「プライズファイター」という製品を買ってみました。正規輸入代理店のA&Fのオンラインストアで購入し、価格は19,250円でした。
「プライズファイター」は通勤や通学に最適というコンセプトで、容量は20リットルです。街中で使うことを想定した製品なのでカラーバリエーションも豊富ですが、今回選んだ2021年の新カラー「ミステリーポップ」は、ブラックをベースに、止水ジッパーとブランドロゴのバッジ、ジッパーのコードで色を分けたマルチカラーになっています。マルチカラーは服の色をあまり問わず合わせやすいので重宝すると思います。
また、後ろから見るとシルエットはスクウェアで、サイドポケットがなくスッキリとしていて、都会的なデザインです。休日はもちろん、カジュアルなジャケットぐらいまでなら合わせても問題なさそうです。
背中が当たる部分には、横から見るとゆるやかなS字になっているプラスチックフレームとパッドが入っています。フレームはカチカチではなく曲がるため、ほどよく背中にフィットします。
ショルダーハーネスはちょっとアウトドアな雰囲気が残っていますが、ブランドのコアでもある背負い心地に直結するので、バックパックカテゴリーの製品として妥協できない部分だったのでしょう。ショルダーハーネスには肉厚で本格的なパッドが入っていますし、位置を保つチェストストラップも付いています。さらには、バックパックを体に引き寄せるロードリフトストラップも付いています。日常で気軽に使える20リットルクラスとはいえ、体に触れる部分や重さに対する設計は総じて本格的です。
外部からアクセスできるポケットは2つで、赤いジッパーの上部ポケットはサングラスなどを収納するグラスポケットとなっています。見た目より奥行きと幅があって、500mlのペットボトルが余裕で入るので、いろいろと便利に使えそうです。
メインコンパートメントにアクセスする水色のジッパーは、角度が巧妙に設計されていて、ジッパーを全部開けると、ガバッと外に折って開けられるようになっています。メインコンパートメントの底までアクセスしやすく、かなり便利です。
内部は、ポケットがたくさん付いた収納部などが黄色で派手ですが、入れたものを見やすい・発見しやすいという現実的なメリットもあります。底周辺は黒色なのが惜しいところです。
今どきのバックパックには必須のノートPCやタブレットを収納できるパッド入りのスリーブは、内部で“宙吊り”になっているのもポイントです。ノートPCをスリーブの底まで差し込んでも、バックパックの底からは浮いてる状態になっているのです。より安全な仕様といえるでしょう。ただ、この宙吊りの影響なのか、ノートPC以外にあまり荷物が入っていない状態だと重心が高くなり、床などに置いても“座り”が悪いという面があります。
ミステリーランチのバックパックでアイコン的存在なのは、Y字にジッパーを配した「3ジップデザイン」を備えた製品です。大小さまざまなものがありますが、私は「スクリー」という製品を、主に日帰りの焚き火といったアウトドア用として使用中。3ジップデザインはガバッと開けて中身を取り出しやすく、収める際にも整理しやすいので、荷物が多くなる30リットル以上のサイズでは非常に便利です。一度は使ってみることをオススメします。
20リットル前後のデイパックでは、この3ジップを備えた「アーバンアサルト」がミステリーランチの定番デイパックになっています。今回買った「プライズファイター」は、この「アーバンアサルト」の3ジップデザインを、1つのジッパーで開閉するタイプ(パネルローダー)にしたというものです。なので、しっかりとした背面のフレームやパッド、ショルダーハーネス、生地が500Dのコーデュラナイロンといった仕様は「アーバンアサルト」と共通です。
バックパック側は、縫い目のほとんどを内側にしている仕様や、生地の撥水コーティング、しっかりとした縫製やストラップ先端の熱処理、厳選された樹脂パーツを使用といった、しっかりとした品質で、これはミステリーランチ製品で共通しています。内部には製造番号や製造時期、製造ラインなどを記したタグも付いています。正規輸入品は、材質や製造上の欠陥については生涯保証で、無償修理または交換の対象になりますし、経年劣化や過失での損傷も有償で修理が可能です。
取材に行く際には、ノートPCに加えて、ミラーレス一眼カメラ、ストロボ、マイク一式、そのほか細々としたガジェットなども持ち運びます。こうしたデジタルガジェットはサイズに対して重くなりがちです。バックパックのサイズが問題なくても、ショルダーハーネスがショボかったり背負い心地が悪かったりすると、みるみる疲労が溜まっていくのです。もう肉体が若くないということも大きいですが……。
「プライズファイター」は、「アーバンアサルト」よりもスッキリとしたスクウェアで都会的なデザインですが、背負い心地やショルダーハーネスはアウトドア譲りのしっかりとした仕様で、荷物が重くても快適に背負えます。アウトドア全開なデザインはちょっと避けたいけれど、荷物が重いので背負い心地はちゃんとしたものがいい、という私にはぴったりでした。