いつモノコト

“脚”があるからド安定する Ankerの車用ワイヤレススマホ充電器

iPhone 12 Pro MAXを購入したことで、筆者は初めて、スマホの「ワイヤレス充電」を使い始めました。購入前にはさほど期待はしていなかったのですが、実際使い始めてみると、もうこれ無しでは無理、というほどなじんでしまいました。

毎朝、「ケーブルを抜いてスマホを取る」という作業がなくなり、充電台から持ち上げるだけでスマホを持ち出せる、というだけで、ストレスが大幅減少。当たり前ですが有線だと、充電するのにケーブルの抜き差しをする手間が毎回必要です。ワイヤレス充電を使うまでは、「手間と言うほどではないだろう」と思っていたのですが、今や、挿すのも外すのも「手間」と思える状態で、もう元には戻れません。

筆者はリビング用と自室用に2つ、同じワイヤレス充電器「Anker PowerWave 10 Stand」を購入して使っています。スマホを立てかけて使うタイプですが、これがなかなか使い勝手がよく気に入ってしまいました。

Anker PowerWave 10 Stand

あまりに便利なので、もう「あらゆるところでワイヤレス充電を使いたい!」とは思ったものの、仕事はリモートですしそれほど「あらゆる場所」は無いのですが、「そうだ、クルマにも搭載しよう」と思いつき、早速物色を始めました。

これまで有線が当然だったので、「クルマ用のスマホホルダーにワイヤレス充電」を、などとは全く考えたことがありません。早速、いつものごとくAmazonで商品を物色してみました。ワイヤレス充電自体はそれほど新しい機能ではないので、対応製品はけっこうあります。

最初は、アームが自動で動いてスマホをホールドしてくれる電動のワイヤレス充電器など、なかなか面白そうなものが目に付いたのですが、レビューの評価が芳しくなく躊躇しました。どうも「すぐに壊れる」という評価が多く、確かに安価な製品に電動で可動する部分を持たせるとなると、耐久性は気になるところです。

迷ったあげく、困った時にはそれなりのメーカーで、ということで、結局「Anker PowerWave 7.5 Car Mount」を購入しました。Amazonでの購入価格は3,999円です。自動でアームが動く機能はなく、「手動」でスマホを固定するタイプです。

「脚」があるから安定する

一見、エアコンの吹き出し口に取り付ける、よくあるタイプのホルダーなのですが、大きな違いは根元に「脚」がついているところです。そこに惹かれました。

筆者はそもそもエアコン吹き出し口にドリンクホルダーなどを付けるのが好きではありません。理由は「吹き出し口を塞ぐのでエアコンの効率が落ちる(気がする)」「吹き出し口のフィンに付けると、ホルダーの重量で吹き出し口が下を向く」などがありました。前者はある程度仕方ないのですが、後者についてはなんとかならないかといつも思っていました。しかし、今回の製品はその問題を見事に解決してくれました。

存在感抜群の「脚」

何しろ「脚」があるのです。このおかげで重量があるスマホを付けても、ホルダーがブラブラせず、吹き出し口が下を向きません。なにせ「脚」があるので、きっちり「踏ん張って」支えてくれます。これはもう感動物です。よくあるドリンクホルダーは、エアコンの「フィン」に取り付けるだけの物が多いので、ブラブラと不安定でフィンが下向きになりがちだったりしますが、しっかり固定されます。

脚の接地面自体に粘着性があるわけではないですが、ゴム足が付いています。このおかげでスマホとホルダーの重量によってしっかり固定される印象です。ちなみに脚がないタイプのアダプターも付属しています。

こんな感じで踏ん張ってくれます。

取り付け自体は洗濯ばさみのような口部分をフィンに挟むだけです。挟んでからレバーを動かして締め付けるタイプで、かなりしっかり固定されます。

レバーを倒して締め付けます

スマホのホールド機構自体は手動です。取り付け時は手動で「ギュッ」と左右を押さえてやればロックされますし、外すときは本体横のボタン一つで解放されます。さほど手間ではありません。脚があるおかげでしっかりしているので、こうした作業も楽になります。

本体の側面に取り外し用のボタンがあります

スマホ自体の角度はボールジョイントで調整します。これによってある程度の角度までなら自由な角度で固定できます。

そして、ワイヤレス充電ですので当然ながら、ケーブルの抜き差しがありません。これは本当に楽です。今まで車から降りるときには外し、乗るときには付ける、という作業は当たり前ながら面倒で、充電ケーブルを挿し忘れる、などということもよくありました。これからはホルダーに置いてロックするだけで充電がされ、ボタン一つで持ち出せます。実に幸せです。

セットするだけで充電される

スマホリングが鬼門も使い勝手は大満足

非常に快適度の高い製品ですが、1つだけ問題がありました。それは「スマホリング」です。ワイヤレス充電の鬼門です。ワイヤレス充電に御法度な金属製パーツ、かつ厚みが増してしまうことにより、充電ができない可能性があります。筆者は対策としてジルコニア製のスマホリングを購入したので金属問題は回避できたのですが、問題は「厚さ」です。

自宅用に購入したAnkerの充電器は、筆者のスマホリングとスマホカバーを付けた状態でも充電してくれていたので、こちらの商品にも期待したのですが、残念ながらダメでした。こちらの方がよりシビアなようです。スマホリングはスマホケースに貼り付けているのですが、はがすのももったいなく、結局、ケースを別途購入し、クルマに乗るときはそのケースを使う、という悲しい結果になりました。一応、スマホリングが無く、ケースだけの状態なら無事に充電できました。面倒ですが筆者は毎日クルマに乗るわけではないので許容範囲です。いずれなんとかしたいところではありますが。ちなみに過去に何度もスマホを落として痛い目を見ている筆者的に、ケースを付けないという選択肢はありません。

スマホリングの「厚さ」がアダに

個人的に、スマホリングの件だけはちょっと悲しい結果にはなりましたが、製品自体には満足しています。とにかく「脚」がアピールポイントです。これのおかげで安定感がとてもあり、気持ちよく使うことができます。ホールド機構は手動ですが、その分信頼性が高いとも言えます。可動部分は多ければ多いほど壊れやすくなりますので、それでいて安価な製品となると、ちょっと信頼度は劣ります。本製品は自動機能が無い割に価格は安くはないですが、その分作りがしっかりしており非常に好感が持てる製品です。

清宮信志