いつモノコト
100円ライターがガスバーナーに変身する「ポケトーチ」
2020年8月25日 08:00
加熱式たばこに代えてからもう3年ぐらい経ちますでしょうか。いまではすっかり加熱式派で紙巻たばこはまったく吸わなくなりました。するとですね、引き出しの中に使い道を失った100円ライターがたくさん放置状態となっているではありませんか。誰かに譲るといってもたかだか100円のライターです。欲しい人もいないでしょう。
捨てるに捨てられぬ100円ライター
と、いうことで捨ててしまおうと思ったのですが、これがなかなかにハードルが高いのでした。わたくしの住んでいる川崎市のサイトを見てみると、100円ライターは普通ごみ(いわゆる燃えるごみ)に分類されています。なんと危険な! と思いじっくり説明を読んでみると、「 使い捨てライターは使い切ってから出してください 」と記載されています。
残念ながら使い切れないから捨てるんですけどね……とさらに調べると「ガスの抜き方」というPDFがあるのを発見。正直これで解決すると思ったら……抜き方とは、着火させずに着火レバーを延々とガスがなくなるまで押し続けるというものでした。
試しにやってはみたものの、ライター1個で日が暮れそうな雰囲気です。あきらめてそっと引き出しに戻そうとしたときにハッとひらめいたのが「何か活用法があるのではないか」ということ。検索すると出てきましたね。100円ライターを小型ガスバーナーにしてしまうアイテムが。
その名も「ポケトーチ」。さっそくAmazonで購入。1,000円ちょっとのお値段です。
このポケトーチ、新富士バーナーという会社の製品で、社名よりアウトドアブランド「SOTO」の方が通りがいいかもしれません。バーナー、ストーブ、ランタンなどのブランドですね。
ポケトーチそのものも、デザイン違いでSOTO仕様のタイプが売ってます。こちらは300円ほど割高です。かっこよさげ感を求めるならこちらを買いでしょうか。
実際に手にすると、すでにライターがセットされています。いらない100円ライターを消費するために買ったのに、さらに増えてしまいました。でも、わたくし以外の人にはうれしいですよね。ライター付きですぐ使えるんですから。
意外としっかりガスバーナー。しかし使用できないライターも
着火してみると、見事に小さなガスバーナー。ちょっと感動してしまいます。あとは、引き出しからサルベージしたライターたちが使えれば問題なしです。
こちらがわが家の100円ライター軍団。計11個ありました。一つひとつセットしてみます。結論からいうと、使用可能なのは6個。約半分です。ヤスリがくるくる回る式でなければ使えないのですね。あと、ヤスリ式でも「BIC」の小さいタイプはサイズが合わず使用できません。
また、ライターの個体差といいますか、炎ののびといいますか出力に若干の差があったりします。つまり付属の純正ライターが安定していますが、ほかのライターもOKといった感じ。
とまれ、約半分しか使えないという微妙な結果でしたが、このころはもうポケトーチの火力に興味津々なので、大目に見て問題なしとしつつさっそく実践へ。
とりあえず蚊取り線香に着火します。
圧倒的な着火性能。無能な100円ライターが生まれ変わる
見てください! このパワー。あっという間に着火です。かつて火をつけたと思ったらついてなかったことがどれだけあったでしょうか。もうそんな凡ミスとは無縁です。一発着火です。調子にのってると2〜3cmすぐに灰になってしまいます。
そして線香に火がつかない問題は、実は墓参りのときの方が深刻なことを思い出しました。ちょうどお盆だったので、ポケトーチを持ってお墓参りにGOです。
お墓参りといえば線香の束に火を付けますよね。これがなかなかつかないという経験をお持ちの方も多いはず。100円ライターだと着火レバーを押している親指が熱いし、風で消えちゃうし。100均ショップで見つけたライターをセットする風防みたいなのを試したこともありますが、さほど効果がないうえ、プラ製だから溶けてしまいます。
それがなんということでしょう。ポケトーチなら線香の束にも吹く風にもひるむことなくボウボウと着火していきます。この様子だと、がんばれば炭の火起こしにも使えるかもしれません。
最後に、本格的なトーチバーナーみたいな使い勝手、パワーはありませんが、料理への応用も。サーモンをヅケにして炙り寿司です。ちょっと炙るくらいならそれなりに使えるので、クレームブリュレなんかに挑戦してみようかな、などとシャレ心まで芽生え始めてしまいました。