ミニレビュー

人気の防災食は美味しい? 尾西食品のアルファ米を食べてみた

尾西食品 アルファ米12種類セット

能登半島地震から1年が経過し、阪神・淡路大震災からは今年で30年。災害が頻発する日本では、防災対策の一環として防災食への関心が高まっています。

そんな中、注目を集めているのが尾西食品のアルファ米ごはんシリーズ。防災食なのにおいしいと評判で、ネット通販の在庫切れが続出する人気商品です。

アルファ米は炊きたてのごはんを急速乾燥させたもので、水かお湯を注ぐだけで手軽においしいごはんが味わえます。5年間の長期保存が可能なため、頻繁な買い替えの必要がありません。

今回は、「尾西食品 アルファ米12種類セット」を実食し、作り方や味の特徴についてレポートします。

水かお湯を注ぐだけで調理できる

作り方は簡単でした。まず袋を開封して、脱酸素剤とスプーンを取り出します。脱酸素剤やスプーンは食材の中に埋まっている場合があるので、見逃さないように注意が必要です。

水またはお湯を「注水線」まで注ぎ、ごはんと具材が均一になるようにかき混ぜます。メニューによっては、この時点で調味料を加えます。

あとは、ジッパーを閉じて水なら60分、熱湯なら15分待つだけです。最後に底からほぐすように混ぜれば出来上がりです。パッケージの裏に丁寧な説明文が記載してあるため、迷うことなく調理できました。

一部の商品には調味粉末などの袋も付属
パックを広げると注水線が見える

まずは、「白米」に水道水を注水線まで注ぎ、60分待って食べてみました。量は大盛りごはん1杯分程度で、1人分としては多めの印象です。少食なら2人で分けても十分な量でしょう。

防災食で水を加えるだけの調理ということで、正直、味気ないかもと思っていましたが、食べてみると想像以上においしくて驚きました。淡白な味わいではなく、お米らしい甘みと風味も感じられ、不快な臭みやクセもなく、おかずとの相性も良好。見た目も炊飯した白米と変わらない印象です。

「白飯」出来上がり量:260g、366kcal。単品価格:324円

食感については、若干のぼそつきと、部分的に芯が残っているようなぶよっとした歯ごたえがありましたが、ふりかけをかけることで食感も気にならなくなりました。

炊飯やパックごはんのほうがおいしく感じられますが、災害時にはありがたさを実感するような味わいだと思います。パックごはん特有のニオイがないため、むしろこちらを好む人もいるかもしれません。

水で調理した白米

続いて、「五目ごはん」を、同様に水道水で調理し、60分待ち実食しました。「五目ごはん」は、野菜中心の五目具材を使ったまぜごはんです。

全体に味付けがされており、とくに具材には味が染みています。風味も感じられますが、一般的な五目ごはんと比べると大分あっさりとした味わいです。先ほどの「白米」に近い食感ですが、若干芯に硬さを覚えやすい印象でした。「白米」とは異なり単体でも食べやすく、味が控えめなのでおかずとも合わせやすいです。

「五目ごはん」出来上がり量:260g、377kcal。単品価格:410円

お湯の調理でさらにおいしい

今度は、沸騰したお湯を注水線まで注いで15分待って、「きのこごはん」を実食してみました。

「きのこごはん」は、ぶなしめじ、しいたけ、なめこ、くらげの4種類の具材が入ったごはん。「五目ごはん」と同様に単体で食べられますが、やはり一般的なものよりやさしい味わいで、おかずやスープとの相性がよさそうです。食感は、水で戻した白米と同じように、部分的に硬さを感じることがありました。

ですが、お湯で調理すると温かい状態で食べられる分、断然おいしく感じられます。お米らしい風味や食感が引き立つ印象がありますが、水で戻した場合と比較したときに、予想していたほどの大きな違いは覚えませんでした。味の品質はほとんど変わらず、水で戻しても十分においしいことを実感しました。

「きのこごはん」出来上がり量:260g、362kcal。単品価格:410円

ドライカレーやチキンライスなど種類も豊富

尾西食品のアルファ米は種類が豊富なのも特長です。他の味も沸騰したお湯で調理して食べてみましたので、いくつかご紹介します。

「松茸ごはん」は、松茸、油揚げ、にんじん、ごぼう具材をかつおと昆布だしで煮込んだメニュー。炊き込み系の中では、一番好みの味でした。しっかり味が付いており、食材の風味も感じやすかったです。他の商品より少しだけ高額ですが、おいしさ重視の人にはこちらがおすすめです。

「松茸ごはん」出来上がり量:260g、366kcal。単品価格:475円

炊き込み系は全体的に薄味傾向なので、濃い味わいをお好みの方にはドライカレーやチキンライスもおすすめ。これらも一般的な味付けと比べると控えめな味わいですが、ラインナップの中では比較的濃い味わいで、単品で食べるのにも向いています。

「ドライカレー」出来上がり量:260g、261kcal。単品価格:410円
「チキンライス」出来上がり量:260g、356kcal。単品価格:410円

個人的に特においしく感じたのは、もち米系のアルファ米でした。こちらは国産のもち米を使用しており、もち米特有の粘りや弾力も感じられます。

「赤飯」については、一般的な赤飯のイメージとそれほど遜色がなかったです。食塩が付属しており、お豆もやわらかく、塩加減もほどよいです。防災食とは思えないほどの完成度の高い、とてもおいしい赤飯でした。

「赤飯」出来上がり量:210g、353kcal。単品価格:410円
「山菜おこわ」出来上がり量:210g、359kcal。単品価格:453円。もち米を使用し、赤飯と同様にもち米の風味が感じられて、おいしかったです
「白がゆ」出来上がり量:245g、105kcal。単品価格:302円。食塩付き。味もついていて、一般的なおかゆのようにおいしく食べられました

尾西食品のアルファ米シリーズは、日常食としては控えめな味わいの印象なものもありますが、災害時には十分おいしく食べられるでしょう。

どの種類も十分なカロリーが含まれており、腹持ちもよさそう。収納がしやすく、備蓄用として場所を取りにくいため、ローリングストックの管理に悩む方にもおすすめできる商品です。

福永 太郎

フリーランスの編集者・ライター。ライフスタイル系メディアの家電記事の担当を経て独立。現在は複数のWebメディアに寄稿。