ミニレビュー

LUUPのサブスクを試す 月3000円で30分乗り放題の魅力と課題

7月1日に施行された改正道路交通法を受けて、電動キックボードの高速化や免許不要といったリニューアルを図った電動マイクロモビリティのシェアリングサービス「LUUP」。利用者数も向上しているようで、筆者の生活圏内ではLUUPの利用者を見かけない日はないほどです。

11月1日からは料金も改定され、「50円+1分ごとに15円」から「30分ごと200円」というシンプルな仕組みになりました。10分以内の短い時間しか使わない場合は改定前のほうが安いものの、1分ごとに料金が加算されるのは利用者のメンタル的に辛い部分もあることと、多くの場合は10分以上使っていたことを考えると、筆者としては改定後の料金体系の方が魅力的です。

2つの「サブスク」 500円で毎回100円引きと3000円で毎回30分無料

この料金改定に合わせてサブスクリプションプランも導入され、月額500円で毎回の利用が100円割引になる「ライトプラン」、月額3,000円で最初の毎回30分が無料になる「プレミアムプラン」が利用できるようになりました。

なお、どちらのプランも11月からは1カ月買い切りの先行体験プランとして提供され、12月以降に正式サービス化の予定です。

LUUPのサブスク先行体験プラン

普段からLUUPを愛用している筆者としては待ってましたのサブスクリプションプラン。どちらのプランも一長一短あるのですが、「時間制限はあれど回数に制限なく無料で乗れる」ことで新しい使い方ができるのではないか、という期待のもと、月3,000円のプレミアムプランを契約してみました。

なお、前述の通りどちらのプランも11月の時点では1カ月買い切りプランのため、契約する場合はAmazon.co.jpまたはKiigoでクーポンコードを購入し、LUUPのアプリからクーポンとして適用する、という手順になります。

先行体験では30日間の利用プランをECサイトで購入
LUUPアプリから購入したクーポンを適用して利用開始

短い距離でも積極的に利用する が、予想外の課題も

プレミアムプランで無料になる1回30分という特典を使い切るには、30日の間に15回乗る必要があります。ただし、実際に契約した30日間は、残念ながら15回も乗ることはできませんでした。

一番大きな理由はLUUPで利用できる電動キックボードや電動アシスト自転車の在庫です。

自宅の近辺にはLUUPのポートが非常に多く、徒歩1分以内の場所で20台以上は在庫を持つだけの余裕はあるはずなのですが、プレミアムプランを契約する直前から近隣の在庫がゼロという状態が続いており、せっかくのプレミアムプランを使いたくても使えないことが多くありました。

この在庫状況は筆者の周辺ではどんどん悪化しており、5分以上歩かないと在庫のあるポートにたどり着かない、ということも増えています。おそらくLUUPのヘビーユーザーが多いエリアで、プレミアムプランの加入者が積極的に使っているのだと思われます。

近所のポートに機材が無いというケースが増えている(イメージ)

一方で、何度乗っても30分は無料という仕組みは、当初は思ってもみなかった使い方もするようになりました。

自宅は駅から徒歩8分程度の距離ですが、その間にLUUPのポートが4カ所ほどあり、一番近いポートは筆者の家の目の前にあります。今までは普通に歩いていたのですが、プレミアムプランを契約してからはそのわずかな距離も気軽に乗るようになりました。アプリで利用設定する手間はあるものの、疲れて帰ってきたときにわずかな距離でも歩かずに帰れるというのは嬉しいものです。

30分以内なら何回乗っても無料

また、近隣のコンビニへ買い物に行くときなども積極的に使うようになりました。コンビニも徒歩5分程度の距離なのですが、歩くのは億劫、かといって自転車を駐輪場から出してきて乗り降りするのも面倒、というときにLUUPは便利。在庫さえあれば利用申請は家を出てポートに向かうまでに済ませられますし、コンビニに入って鍵を閉めるのもリモートで操作できるので、お店に入店してから操作できるのが手軽です。

プレミアムプランの契約のおかげで、在庫さえあれば利用頻度は上がっているのですが、課題はアプリの操作。LUUPのアプリは起動してからポートを確認するまでの動作が重く、短い距離をさっと乗りたいのにアプリが重くて利用開始まで手間取る、ということも少なくありません。返却ポートは利用開始ポートと同じにして、QRコードを読むだけですぐに借りられる「クイック設定」的な使い方ができれば、短い距離での利用頻度も上がりそうです。

プレミアムプラン自体は非常に魅力的で、サブスクならではの新しい使い方もできるという期待を感じた反面、せっかく使いたいのに在庫がないという状況が困りどころ。利用エリア次第ではあるものの、自宅や筆者の行動範囲の周辺では12月に入ってからもポート在庫は改善されず、使いたいときに在庫がない、という確率が70%以上。そのため次の契約は二の足を踏んでいる状態です。

使いたいときに使えるような在庫の運用改善なども、サブスク展開に合わせて期待したいところです。

甲斐祐樹

Impress Watch記者から現在はフリーライターに。Watch時代にネットワーク関連を担当していたこともあり、動画配信サービスやスマートスピーカーなどが興味分野。個人ブログは「カイ士伝