ミニレビュー
パワフルになったMax。「Fire TV Stick 4K Max」がいい
2021年10月16日 10:00
Amazonのテレビ用デバイス「Fire TV Stick」に「Max」が登場しました。iPhone 13 Pro Maxなどのようにフラッグシップモデルにつけられる「Max」の称号ですが、価格は6,980円とリーズナブル。それでいて、4K/HDR映像対応やAlexaによる音声操作、Wi-Fi 6対応など充実の機能が特徴となっています。
Fire TVシリーズのなかでも、「Fire TV Stick 4K」の後継モデルといえる製品ですが、主要なアップデート内容をまとめると
・40%パワフルになり、コンテンツ検索やアプリ切り替えが高速に
・Wi-Fi 6に対応
・Prime Videoなどダイレクトボタン付きのリモコンに
となります。
付属リモコンは、Prime Video、Amazon Music、Netflix、DAZNの4つのダイレクトボタン付きとなり、各アプリを直接起動できるようになっていま。4Kではない「Fire TV Stick」では2月から付属し、単体でも購入できました(2,980円)。4K対応のMaxの付属リモコンもダイレクトボタン付きとなった格好です。
価格は6,980円と、従来のFire TV Stick 4Kと変わらないものの、40%パワフルになったとのこと。どれくらいパワフルになったのか試してみました。
サイズは変わらず。ダイレクトボタン付きのリモコンに
HDMI端子を除くスティック本体の外形寸法は99×30×14mm(HDMI端子除く)で、従来のFire TV Stick 4Kと同じです。なお、4Kに対応しないFire TV Stick(86×30x13mm)との比較では、一回り大きくなっています。
同梱品は、本体とリモコン、HDMI延長アダプタと、電源アダプタ/ケーブルです。前述のようにリモコンがダイレクトボタン付きになったのが大きな変更点です。
テレビの背面のHDMI端子は、すぐ隣に別のポートがあるため、スティックを挿すと隣の端子が使えなくなるケースがあります。その場合は、延長アダプタを利用します。今回筆者宅のテレビでも延長アダプタを利用しています。
無線LANはIEEE 802.11a/b/g/n/ac/ax(Wi-Fi 6)対応。Wi-Fi 6対応がMaxならではの特徴となります。本体の側面には、給電用のmicroUSB端子を備えています。
Fire TV Stickユーザーにとって、特に目新しさはなく、アップグレードはしやすそうです。
パワフルになったMax
今回のFire TV Stick 4K Maxの特徴は「パワフル」ということ。「アプリの起動を高速化したほか、コンテンツ検索やアプリの切り替えもよりスムーズになった」とのことです。
新たに対応したWi-Fi 6は、通信速度の速さだけでなく、同時接続に強いという点が特徴です。家の中にWi-Fi機器が増えている現状では、こうしたアップデートは重要と思われます。
テレビに接続して試したところ、たしかにスムーズに動作します。ただし、普段自宅で使っている「Fire TV Cube」との比較では、アプリの切り替えや検索スクロールなどにはほとんど違いを感じません。Netflixアプリの起動時間は少し早くなったような印象はありますが、「比べると違うかな」といったレベルです。
Prime VideoでもNetflixでもあまり顕著な差はないかな、と思っていましたが、大きな違いが感じられたのは、Prime Videoにおける再生開始時間です。Prime VideoのAmazon Original作品「シンデレラ」は、Cubeの場合再生開始まで6~9秒程度かかりますが、Maxは2秒程度でスタートします。もともとFire TV Cubeに不満はなかったのですが、Fire TV Stick 4K Maxを使ったあとだと少しストレスを感じるようになりました。
加えて違いを感じたのが、再生時の早送り/戻しなどのトリックプレイです。Fire TVでは[<<][>>]ボタンの長押しで、早送り/戻しになりますが、このレスポンスが上がっているほか、サムネイル付きで早送りできます。内容を見ながら“見どころ”を探せるのでこれはかなり便利です。
気になった点は、有線LANで接続している自宅のFire TV Cubeに比べ、4Kでの再生開始が遅い、あるいは4Kで再生開始しないコンテンツがあったことです。Fire TV Stick 4K Maxは、Wi-Fi 6対応の無線LANルーター NEC「PA-WX3000HP」を利用し、テレビの近くに設置しています。Cubeでは、Prime Videoで4Kコンテンツを再生すると最初から4K、あるいは再生開始から30秒程度でHDから4K映像になります。一方、Fire TV Stick 4K MaxではHDで再生開始して、そのまま4Kにならないケースもありました。
筆者の自宅の環境に依存する問題かもしれませんが、Fire TV Cubeを置き換える場合は、Fire TV Stick 4K Max用の有線アダプタを導入したいと感じました。
4K未対応の「Fire TV Stick(第3世代)」(2020年発売、4,980円)と比較してみると、メインメニューにおけるサムネイルの読み込みやスクロールの滑らかさに違いが感じられます。また、コンテンツの再生開始もMaxは瞬時~3秒程度に対し、Stickは5~10秒程度とかなりの差があります。操作の快適性という点では、Maxのほうがかなり満足度が高いといえます。
リモコンは便利。Maxでもリーズナブル
Fire TV Stick 4Kとの一番大きな違いといえるのは、「リモコン」でしょう。3月から別売されていましたが、付属リモコンになったので、Fire TV Stick 4K Maxを購入するだけでこのリモコンが手に入ります。
Fire TVシリーズでは、ホーム画面からPrime VideoやNetflix、U-NEXT、DAZNなどのサービスを選んでいく方式ですが、視聴したいサービスやコンテンツが決まっている場合、操作がワンステップ減らせます。
例えばNetflixで「イカゲーム」を見る場合、[1]電源ボタンONでFire TVのホーム画面を表示→[2]Netflixアプリを選ぶ→[3]イカゲームを選ぶという操作体系ですが、新リモコンでは、[1]Netflixボタンを押すとテレビ・Netflixアプリが起動→[2]イカゲームを選ぶ、で済みます。
見たいサービスが決まっている場合は、すぐに呼び出せるというのは魅力的です。また、ボタンを押すだけでPrime Video生成中にNetflix、その逆にNetflixからPrime Videoといった切り替えも可能で、そのレスポンスも優秀です。
なお、ボタンはPrime Video、Netflix、DAZN、Amazon Musicの4つ。このボタンを他のサービスに割り当てることができないのは少し残念なところです。
そのほか、多くの映像配信、音楽配信サービスのアプリも追加でき、YouTubeの視聴も可能となっています。お気に入りのサービスをホーム画面の上部に登録できるようになっています。
Fire TV Stick 4K Maxを導入することで、最新機能をテレビに追加できるという点で、6,980円という価格はかなりお手頃。Maxという名前の割にはリーズナブルです。また、2KのFire TV Stick(4,980円)とのパフォーマンス差も大きく、特にテレビで映像配信を見る時間が長い人ほど、Maxを選んだほうがいいかもしれません。