ミニレビュー
デスク周りや枕元のお供。“ここ”だけ冷やす「ここひえ」で猛暑対策
2020年8月20日 08:30
今回使ってみたのは、ショップジャパンの「ここひえ」です。テレビショッピングなどで見かけたことがあるかも知れませんね。胡散臭そうだなぁと思いつつ、以前から気になっていた商品なのですが、3週間ほど使ってみると結構イイ。エアコン代わりにするのは厳しいものがありますが、侮れない実力でした。
サイズは、約176×173×181mm(幅×奥行×高さ)、重さは約1.03kg(乾燥時)と小型軽量。モバイルバッテリーでも動作するため、屋外での使用も可能です。持ち運びに便利な取っ手もあります。
1/2/4時間のOFFタイマーも用意されており、タイマーをセットしなくても、12時間で自動的に電源が切れるのは安心です。
気化熱現象で冷えた空気を送る冷風機
ここひえの構造は単純。水を染みこませたフィルターの後ろでファンを回し、気化熱現象を利用して冷えた空気を送り出す仕組みです。主な構成要素は、水を供給するタンク(容量は約600ml)、水をしみこませるフィルター、前面のカバー。
本体内部の背面には、いわゆるPCのケースファンが内蔵されています。直径は約11cm、ケースファンとしては中型サイズで、風量と静音性のバランスは、まずまずと予測できます。
タンクに水を入れて本体にセットすると、本体内部の下皿に水が回るので、ここにフィルターの“脚”を浸すようにセットします。フィルターの脚が水に浸るようにセットしないと、冷風機としての効果が得られないので注意です。
また、あらかじめフィルターを濡らしてからセットするのが重要なポイントだと思います。初回利用の場合、フィルターに水が染みこむまでに結構時間がかかりますし、フィルターに染みこませる分、タンクの水を使ってしまうため、連続使用時間(満水で約9時間)にも影響しますね。
ECサイトなどで「まったく冷えない」「扇風機の方がマシ」などの酷評もありますが、フィルターに水が染みこまないうちに電源を入れたのではないかなと思いました。
“ここ”だけ冷やしたいときに使うのが正解
気になる空冷効果を見てみます。28度の室内で、「弱」で1分間動作させたところ、ここひえの周囲の温度は約24℃まで下がりました。1mほど離れたところでも、約25℃でした。1分で約4度の低下は優秀ですね。風も出て、ほどよい涼感です。
ただし、「ここひえ」単体で、部屋がキンキンに冷えることを期待してはいけません。あくまで”ここ”だけ冷やすためのものと割り切って使うべきでしょう。
例えば、風呂上がりに扇風機前を陣取っている方、外出から戻ってきた自分だけ暑い方などにおすすめ。ピンポイントで涼みたいケースに有効だと思います。
部屋のエアコン温度は高めに設定しておき、「ここひえ」で自分の周りだけ冷やすといった節電効果も期待できそうです。
また、悪評の高い騒音についても計測しました。弱:約38dB、中:約43dB、強:約52dBとなりました。約52dBの「強」は確かにうるさく、枕元で動作させるのは厳しいです。
一方、「中」「弱」は、さほど気にならない印象。窓の外から聞こえてくる蝉の声の方がうるさいと思います。なお、環境省の示す騒音レベルの目安として、図書館や住宅地の深夜などの音が40dB前後とされています。
もっと冷やしたいときは?
公式サイトで「裏ワザ」として紹介されている方法を試してみます。フィルターを湿らせてから凍らせてセットします。これは効果絶大でした。先ほどと同じように「弱」で1分間動作させたところ、なんと、-12度の約16℃となりました!
わざわざフィルターを凍らせるのが面倒な場合は、タンクに氷を入れるのもひとつの手です。
「ここひえ」のイマイチなところ3つ
全体的によい商品と思いますが、イマイチなところを3つ。
・本体は8,778円(税込)と結構いいお値段
衝動買いするには抵抗のある価格です。割安の2台セット販売を購入して、友人とシェアすることを検討した方がいいかも知れません。
・交換フィルターが3,278円(税込)と割高
メーカーは、年一度のフィルター交換を推奨しています。本体価格に対して、交換フィルターは割高に感じます。
・フィルターのカビが心配
稼働しない期間中、水を染みこませるフィルターにカビが発生しそうで気になります。保管の際は、フィルターをよく乾燥させた方がよさそうです。
とはいえ、サーキュレーター代わりにも使えそうですし、モバイルバッテリーとの組み合わせで、キャンプなどのアウトドアシーンにも重宝すると思います。一年中使うことを考えれば十分に価値はあります。
職場や家庭で「寒い」「暑い」のエアコン戦争に明け暮れている方、自分専用の冷風機としていかがでしょうか。