ミニレビュー
画面も音も大きくなった「Google Nest Hub Max」。カメラ+ジェスチャの魅力
2019年11月22日 10:00
10型ディスプレイやカメラを搭載したGoogleのスマートディスプレイ「Google Nest Hub Max」が発売された。6月には「Google Nest Hub」(15,120円/税込)が発売されているが、“Max”はディスプレイが7型から10型と大型化されたほか、カメラ機能を搭載し、ビデオ通話やジェスチャー操作にも対応した上位モデルとなる。
ボディの大型化や機能強化にあわせて、価格も28,050円(税込)とやや高価になった。短時間ながら、Nest Hub Maxを試してみた。カメラ機能の詳細やスマートホーム関連機能については後日紹介する。
画面は大きく、音も大きく
ディスプレイは10型/1,280×800ドットで、7型/1,024×768ドットの無印Nest Hubよりふた周り大きい印象。Maxの外形寸法は250.1×101.23×182.55mm(幅×奥行き×高さ)、重量は1.32kg。無印の178.5×67.3×118mm/480gよりはかなり大きい。ただ、奥行きは短めなので、ディスプレイサイズの割には設置しやすいかもしれない。
Google アシスタントによる音声操作で、天気やニュースなどを取得できるほか、YouTubeなどの動画サービスにも対応。YouTube MusicやAWA、dヒッツ、Spotifyなど多くの音楽配信サービスにも対応する。ただし、Amazon MusicやApple Musicには対応していない。
Chromecastを搭載し、YouTubeやYouTube Music、Spotifyなどの対応サービスのスマホアプリからNest Hub Maxに出力指示し、スマホをリモコンとして活用できる。その場合もNest Hub MaxのディスプレイやGoogle アシスタントでの操作も可能だ。
YouTube動画の迫力はなかなかのもの。iPadなどのタブレットに近い画面サイズだが、手に持たずに、少し離れた距離からリラックスして動画を楽しめる。音もかなり迫力があり、Nest Hubより遥かに“テレビっぽい”印象がある。
音楽もパワフルで、リビングルームなど広い部屋でも十分使えそうだ。18mm径のツィータと75mm径のウーファーを搭載し、出力は合計30W。若干低域が強すぎる印象はあるが、音が部屋中に広がり、リラックスして音楽を楽しむにはちょうどいい。また、Podcastのような音声コンテンツがとても聞きやすいのも印象的だ。
気になるのは、ボリュームが10段階しかないため、好みの音量に合わせにくいこと。机上のパソコン脇で音楽を再生する場合、ボリュームは3だと物足りず、4だとうるさいと感じる。もう少し細かく設定できるとありがたい。
ビデオ通話だけじゃない「カメラ」搭載による進化
Nest Hub Maxの重要な機能強化ポイントが「カメラ」の搭載だ。本体の上部に127度広角の6.5メガピクセルカメラを備えている。
このカメラは、Google Duoなどのアプリを使ったビデオ通話で利用できるなど、一般的な“カメラ”の機能に利用できるだけでなく、顔認証やジェスチャー操作などにも活用される。
Nest Hub Maxは、Google アシスタントの音声操作のほか、画面を触れるタッチスクリーンによる操作、さらに画面に“触れず”にジェスチャーでの操作に対応した。ジェスチャーでできることは、音楽の再生/一時停止やアラームの停止程度なのだが、これが結構便利。カメラに数秒手をかざすだけで再生を止められるので、音声操作よりは遥かに楽だ。話しかけられたときにすぐに音を止めたい時など、結構使うシーンは多そうだ。
また、カメラで認識した人の情報に向けてパーソナライズする「FaceMatch」も搭載。顔認証により、家族ごとに異なる交通情報やスケジュールを表示してくれる。Googleアカウントに自宅と勤務地の情報が紐付いていれば、会社から自宅へのルートや到着予定時間なども示してくれる。朝の出勤時などに重宝しそうだ。
今回は1人だけで使っているが、Face Matchで登録できるのは6人まで。2人以上が同時にカメラに入っている場合は、「近くにいてNest Hub Maxを使おうとしている人」が優先されるという。また、この顔認証はNest Hub Maxのデバイス内でのみで完結。プライバシーとセキュリティにも配慮しているとのこと。
Google Duoを使ったビデオ通話に対応。今回はテストできていないが、カメラにはオートフレーミング機能を備えており、撮影しているユーザーが画面の中央に来るようにアングルを自動的に調整してくれる。
Google Homeアプリから、Nest Hub Maxのカメラにアクセスして、自宅等の状況確認も可能。なお、本体背面にはカメラのON/OFF用の「ミュートスイッチ」も備えている。
ボディや画面が大きくなったのも魅力のひとつだが、カメラの搭載がビデオ通話などの機能だけでなく、ジェスチャーなどの使い勝手の向上につながっている点が印象的。FaceMatchでユーザーを認識し、パーソナライズした情報が届くのも思っていた以上に便利。今後のGoogleや他のサービスの連携が進めば、できることはさらに増えそうだ。