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東京駅前に51階建て複合施設「トフロム ヤエス」 劇場・商業・オフィス・医療

東京駅前の八重洲一丁目東地区で開発が進められている、東京駅直結の複合施設の名称が「TOFROM YAESU(トフロム ヤエス)」に決定した。10階建ての「TOFROM YAESU THE FRONT」と51階建ての「TOFROM YAESU TOWER」で構成され、オフィス、医療施設、劇場・カンファレンス施設、バスターミナル、商業施設等の機能が導入される。竣工は2026年を予定している。

再開発組合の一員として参画する東京建物は、発表会を実施して施設名称の由来や、施設概要を説明した。

東京駅前八重洲一丁目東B地区市街地再開発 理事長 加藤一男氏
東京駅前八重洲一丁目東A地区市街地再開発 理事長 兼 特定業務代行者 代表企業 東京建物 代表取締役 社長執行役員 小澤克人氏
発表会で展示されたトフロム ヤエスの模型

「東京駅前八重洲一丁目東地区第一種市街地再開発事業(A地区・B地区)」として進められているプロジェクト。A地区がTHE FRONT、B地区がTOWERとなる。

外観 (c)TOFROM YAESU

名称の「ト」には「八重洲へ(TO)」、「フロム」には「八重洲から(FROM)」の意味が込められている。ロゴには、施設のコンセプト「人・時・場を“つなぐ”」、ネーミングの「八重洲へ」「八重洲から」多様な価値観をつなげていくという思いが込められ、結び目がモチーフとなっている。

シンボルマークの3本の結び目は八重洲の「Y」を表し、世界中の「ヒト」「モノ」「コト」の3つが交じりあう、東京、日本の中心となる存在としての意味合いが込められている。

トフロム ヤエスが位置する八重洲・日本橋・京橋はそれぞれの頭文字をとって「YNKエリア」と呼ばれ、YNKエリアでは多くの再開発が進められている。バスターミナルは、トフロム ヤエスのほか、23年3月にオープンした東京ミッドタウン八重洲、現在開発が進められている「八重洲二丁目中地区」の、東京駅前3つの再開発事業の地下空間に整備される。3エリア合計で20バースと、国内最大級の高速バスターミナルとなる。

位置図 (c)TOFROM YAESU
バスターミナル東京八重洲 エントランス (c)TOFROM YAESU
バスターミナル東京八重洲 乗り場 (c)TOFROM YAESU
写真中央がトフロム ヤエス、右奥に見えるのが東京ミッドタウン八重洲
開発が進められている八重洲二丁目中地区。かつて八重洲ブックセンター本店や八重洲三井ビルディングなどがあった

YNKエリアは再開発のほか、首都高地下化をはじめとした日本橋川再生計画やTokyo Sky Corridor計画、羽田空港アクセス線(仮称)による東京駅から羽田空港へのダイレクトアクセス化、つくばエクスプレスと都心部・臨海地域地下鉄構想の東京駅接続など、さらなる発展が見込まれる。

トフロム ヤエスの規模は、THE FRONTが地上10階・地下2階、高さ約45m、敷地面積約1,300m2、延床面積約12,000m2、TOWERが地上51階・地下4階、高さ約250m、敷地面積約10,600m2、延床面積約225,000m2

TOFROM YAESU THE FRONT 外観 (c)TOFROM YAESU
TOFROM YAESU TOWER 外観 (c)TOFROM YAESU
TOFROM YAESU TOWER 鳥瞰 (c)TOFROM YAESU
TOFROM YAESU TOWER 鳥瞰 (c)TOFROM YAESU
TOFROM YAESU TOWER ピロティ (c)TOFROM YAESU

建築デザインは、多様な個性が集積することを「八重洲らしさ」と捉え、箱を重ね合わせた「箱積み」のデザインとした。

東京駅からの地下通路の動線は、東京駅八重洲地下中央口改札の正面に位置し、八重洲地下街などを経由してトフロム ヤエスにアクセスできる。

商業は70店舗・劇場は800名収容

商業施設はTHE FRONTおよびTOWERの低層階に整備。6,000m2の商業エリアに、飲食店を中心に約70店舗がオープンする。

TOFROM YAESU THE FRONT イメージ (c)TOFROM YAESU
TOFROM YAESU TOWER イメージ (c)TOFROM YAESU
TOFROM YAESU THE FRONT 地下エントランスゲート(八重洲地下街直結)イメージ (c)TOFROM YAESU

TOWER 1階には、屋内広場「檜物町(ひものちょう)スクエア」を整備。同エリアで行なわれるお祭りの神輿を展示する等、地域の魅力を発信する。

檜物町スクエア イメージ (c)TOFROM YAESU

劇場・カンファレンス施設はTOWERの3~6階に整備。ぴあ、コングレが運営する。約800名収容可能な東京駅前初の段床型劇場や、大型の展示会・講演会等を実施できる平土間ホール、各種会議・交流イベントが実施できる会議室を完備。演劇・ミュージカル・音楽ライブ等の催事を誘致し、東京駅周辺エリアで不足していた、エンタメを通じた文化発信拠点とする。また、MICEを誘致することで、YNKエリアのビジネス交流機能の拡充を図る。

劇場 イメージ (c)TOFROM YAESU
ホールホワイエ イメージ (c)TOFROM YAESU

医療施設ついては、「日本医科大学八重洲健診ステーション」をTOWER 6・7階に整備。FDG-PETによるがんの早期発見やβアミロイドPETによるアルツハイマー病診断をはじめ、先進機器の導入・専門医の登用により精度の高い病変検出・疾病の発見を行ない、日本医科大学付属病院(文京区)との連携による高度医療サービスの提供、外国語対応や災害時の医療連携など、社会のニーズと未来を見据えた医療施設とする。

医療施設エントランスホール イメージ (c)TOFROM YAESU
PET検査室 イメージ (c)TOFROM YAESU

ワーカーのウェルビーイング向上をサポートするオフィス機能

トフロム ヤエスでは、ワーカーのウェルビーイング向上につなげるサービス・機能・空間を実装。リフレッシュ空間、ウェルビーイングフロアなどを整備する。

リフレッシュ空間は、TOWER 41階に「YAESU SKY LOUNGE」を整備。地上約190mの場所から東京湾を一望できるほか、多彩な緑に囲まれた空間とする。

View Lounge イメージ (c)TOFROM YAESU

また、個室空間「RE:TREAT Room(リトリートルーム)powered by Upmind」を設置。全国の源泉を凝縮抽出・モバイル化するクラフト温泉の特許技術を持つLeFuroと協業し、温泉ミストによる湯治体験が気軽にできる「喫泉室」を展開する。着衣のまま利用可能。

RE:TREAT Room 「喫泉室」としての利用イメージ (c)TOFROM YAESU
発表会で展示された喫泉室のデモ

そのほか、マインドフルネスアプリを手掛けるUpmindが監修・運用する瞑想・仮眠プログラムや、健康的なメニューを提供するカフェテリアなどを展開する。

ウェルビーイングフロア「Wab.」は、入居企業のワーカー向けのサポート機能を持つ共用スペースとしてTOWER13階に整備。身体に良い食を通じてワーカーの生活をサポートする食堂・カフェ&バー・ビュッフェカウンター、サードプレイスとして利用できるラウンジ空間、緑化やアート・お茶に特化した会議室、脳科学で実証された音楽と映像による刺激で集中・リラックスできる個室ブースなど、ウェルビーイング向上に向けた様々な取り組みを提供する。

THE FRONTの屋上階には、東京駅を眼下に望む「Rooftop Terrace」を整備。リフレッシュやコミュケーションを促進するスペースとしての利用を想定している。

Rooftop Terrace イメージ (c)TOFROM YAESU

10階、41階にはフレキシブルオフィス「EXEVIA TOKYO YAESU」を整備。短期でも利用可能なレンタルオフィス・セットアップオフィスを設けるほか、ラウンジ、会議室、コワーキングスペース、個室ブースなどを用意する。

オフィスでは、スマートフォンによるタッチ入退館・入退室システムを導入。国内賃貸オフィスとしては初としており、アプリの起動なしでシームレスな入退館を可能とする。オフィスの総貸室面積は約10万m2、フロア面積はTHE FRONTが約850m2、TOWERが約2,500m2。現時点の入居内定率は約60%。

THE FRONT 8階相当からの眺望 (c)TOFROM YAESU
TOWER 48階相当からの眺望 スカイツリー方面 (c)TOFROM YAESU
TOWER 48階相当からの眺望 築地・レインボーブリッジ方面 (c)TOFROM YAESU
TOWER 48階相当からの眺望 皇居・新宿方面 (c)TOFROM YAESU