ニュース
東京駅前に51階建て複合施設「トフロム ヤエス」 劇場・商業・オフィス・医療
2025年3月3日 17:48
東京駅前の八重洲一丁目東地区で開発が進められている、東京駅直結の複合施設の名称が「TOFROM YAESU(トフロム ヤエス)」に決定した。10階建ての「TOFROM YAESU THE FRONT」と51階建ての「TOFROM YAESU TOWER」で構成され、オフィス、医療施設、劇場・カンファレンス施設、バスターミナル、商業施設等の機能が導入される。竣工は2026年を予定している。
再開発組合の一員として参画する東京建物は、発表会を実施して施設名称の由来や、施設概要を説明した。
「東京駅前八重洲一丁目東地区第一種市街地再開発事業(A地区・B地区)」として進められているプロジェクト。A地区がTHE FRONT、B地区がTOWERとなる。
名称の「ト」には「八重洲へ(TO)」、「フロム」には「八重洲から(FROM)」の意味が込められている。ロゴには、施設のコンセプト「人・時・場を“つなぐ”」、ネーミングの「八重洲へ」「八重洲から」多様な価値観をつなげていくという思いが込められ、結び目がモチーフとなっている。
シンボルマークの3本の結び目は八重洲の「Y」を表し、世界中の「ヒト」「モノ」「コト」の3つが交じりあう、東京、日本の中心となる存在としての意味合いが込められている。
トフロム ヤエスが位置する八重洲・日本橋・京橋はそれぞれの頭文字をとって「YNKエリア」と呼ばれ、YNKエリアでは多くの再開発が進められている。バスターミナルは、トフロム ヤエスのほか、23年3月にオープンした東京ミッドタウン八重洲、現在開発が進められている「八重洲二丁目中地区」の、東京駅前3つの再開発事業の地下空間に整備される。3エリア合計で20バースと、国内最大級の高速バスターミナルとなる。
YNKエリアは再開発のほか、首都高地下化をはじめとした日本橋川再生計画やTokyo Sky Corridor計画、羽田空港アクセス線(仮称)による東京駅から羽田空港へのダイレクトアクセス化、つくばエクスプレスと都心部・臨海地域地下鉄構想の東京駅接続など、さらなる発展が見込まれる。
トフロム ヤエスの規模は、THE FRONTが地上10階・地下2階、高さ約45m、敷地面積約1,300m2、延床面積約12,000m2、TOWERが地上51階・地下4階、高さ約250m、敷地面積約10,600m2、延床面積約225,000m2。
建築デザインは、多様な個性が集積することを「八重洲らしさ」と捉え、箱を重ね合わせた「箱積み」のデザインとした。
東京駅からの地下通路の動線は、東京駅八重洲地下中央口改札の正面に位置し、八重洲地下街などを経由してトフロム ヤエスにアクセスできる。
商業は70店舗・劇場は800名収容
商業施設はTHE FRONTおよびTOWERの低層階に整備。6,000m2の商業エリアに、飲食店を中心に約70店舗がオープンする。
TOWER 1階には、屋内広場「檜物町(ひものちょう)スクエア」を整備。同エリアで行なわれるお祭りの神輿を展示する等、地域の魅力を発信する。
劇場・カンファレンス施設はTOWERの3~6階に整備。ぴあ、コングレが運営する。約800名収容可能な東京駅前初の段床型劇場や、大型の展示会・講演会等を実施できる平土間ホール、各種会議・交流イベントが実施できる会議室を完備。演劇・ミュージカル・音楽ライブ等の催事を誘致し、東京駅周辺エリアで不足していた、エンタメを通じた文化発信拠点とする。また、MICEを誘致することで、YNKエリアのビジネス交流機能の拡充を図る。
医療施設ついては、「日本医科大学八重洲健診ステーション」をTOWER 6・7階に整備。FDG-PETによるがんの早期発見やβアミロイドPETによるアルツハイマー病診断をはじめ、先進機器の導入・専門医の登用により精度の高い病変検出・疾病の発見を行ない、日本医科大学付属病院(文京区)との連携による高度医療サービスの提供、外国語対応や災害時の医療連携など、社会のニーズと未来を見据えた医療施設とする。
ワーカーのウェルビーイング向上をサポートするオフィス機能
トフロム ヤエスでは、ワーカーのウェルビーイング向上につなげるサービス・機能・空間を実装。リフレッシュ空間、ウェルビーイングフロアなどを整備する。
リフレッシュ空間は、TOWER 41階に「YAESU SKY LOUNGE」を整備。地上約190mの場所から東京湾を一望できるほか、多彩な緑に囲まれた空間とする。
また、個室空間「RE:TREAT Room(リトリートルーム)powered by Upmind」を設置。全国の源泉を凝縮抽出・モバイル化するクラフト温泉の特許技術を持つLeFuroと協業し、温泉ミストによる湯治体験が気軽にできる「喫泉室」を展開する。着衣のまま利用可能。
そのほか、マインドフルネスアプリを手掛けるUpmindが監修・運用する瞑想・仮眠プログラムや、健康的なメニューを提供するカフェテリアなどを展開する。
ウェルビーイングフロア「Wab.」は、入居企業のワーカー向けのサポート機能を持つ共用スペースとしてTOWER13階に整備。身体に良い食を通じてワーカーの生活をサポートする食堂・カフェ&バー・ビュッフェカウンター、サードプレイスとして利用できるラウンジ空間、緑化やアート・お茶に特化した会議室、脳科学で実証された音楽と映像による刺激で集中・リラックスできる個室ブースなど、ウェルビーイング向上に向けた様々な取り組みを提供する。
THE FRONTの屋上階には、東京駅を眼下に望む「Rooftop Terrace」を整備。リフレッシュやコミュケーションを促進するスペースとしての利用を想定している。
10階、41階にはフレキシブルオフィス「EXEVIA TOKYO YAESU」を整備。短期でも利用可能なレンタルオフィス・セットアップオフィスを設けるほか、ラウンジ、会議室、コワーキングスペース、個室ブースなどを用意する。
オフィスでは、スマートフォンによるタッチ入退館・入退室システムを導入。国内賃貸オフィスとしては初としており、アプリの起動なしでシームレスな入退館を可能とする。オフィスの総貸室面積は約10万m2、フロア面積はTHE FRONTが約850m2、TOWERが約2,500m2。現時点の入居内定率は約60%。