ミニレビュー
ネジ穴なしで備え付け風本棚を作れる突っ張りアイテム「ラブリコ」
2019年5月1日 08:15
本棚やちょっとしたディスプレイのため、自宅の壁に「棚」がほしいと思ったことはありませんか? でも素敵な書棚は高価だし、壁に棚受け金具で取り付けようにも賃貸だとネジ(ビス)穴を開けられません。
持ち家の場合でも、壁の下地が石膏ボードだとあまり重量のある棚は付けられないし、コンクリート躯体に壁紙を直貼りしているマンションではそもそも躯体にビスを打てないことになっています(躯体は共用部)。また、コンクリートへのビス打ちは技術的にハードル高めです。
そんなときに活躍してくれるのが2×4アジャスターの「ラブリコ」。ホームセンターに必ず売っている2×4材を床と天井に“突っ張る”ことにより、壁面収納を実現してくれるツールです。
このラブリコ、知らない人はまったく知りませんが、知っている人にはとっても有名な製品です。ひと頃流行った“DIY女子”的な話題の中に必ず出てくる便利アイテム。これまでは樹脂製だったのが、知らぬ間にアイアン製の無骨なタイプが加わっていたので購入しました。小学生の娘用本棚をいずれ作ろうと思っていたのです。
天井高に合わせた2×4材と棚材を用意
ということで、さっそく近所のホームセンター・ユニディで2×4材の柱と棚板を入手します。ラブリコのトリセツには「天井の高さから75mm短い2×4材を用意すべし」とあります。ラブリコそのものの高さを考慮してね、ということです。
取り付け予定の1段下がったところの天井高は2,035mmなので、1,960mmの2×4材が2本必要となります。なお、2×4材は、長さが910mm、1,820mm、2,438mm、3,050mm、3,650mmと決まっているのですが、いつも行くユニディには1,820mmと3,650mmのサイズしかなく、やたらと長い3,650mmを1,960mmにカットしてもらいました。端材が1,700mmも残りますが……いつか何かに使おうと思います。
ちなみにユニディカード会員で5,000円以上購入すると、近隣エリアへ無料配送してくれるので、長大なものや重いものを購入するときは特に便利です。
棚板は規格サイズの幅910mm×奥行き250mm×厚さ18mmを4枚としました。もちろんサイズも希望通りにカットしてくれますが、だいたい1,000mm以下の幅にしようと思っていたので、より簡単に規格サイズを選択。
材質は安価なパインの集成材なので1枚1,000円ぐらい。棚を固定するL型の棚受け金具が16個で1,200円ぐらいだったので、材料費は1万円以下。経済的な壁面収納を目指します。
そして、より一層簡単にするため塗装もしません。塗装にはペンキ、ニス、ステイン、ワックスなどがありますが、当然費用も時間もかかります。
質感という意味でも、ペンキは木材感を失うのでNG、ニスは光沢が出るのでNG、DIYの大人気塗料であるステインは“DIY女子”みたいな主張が出すぎなのでNG、蜜蝋ワックスなどは高級家具、無垢床に使うイメージなので簡易家具には似合わない、といった理屈も一応はあります。
ラブリコの取り付けから組み立てスタート
では、さっそく組み立てです。2×4材の両端にラブリコ本体と、床保護用のパッドを取り付けます。ラブリコ本体はネジで締めるだけ、パッドはシール貼りするだけです。パッドはなくても問題ありません。
次に棚板に棚受け金具を固定します。金具は棚板の両端中央に取り付けます。つまり、柱の前面に棚を付けるわけではなく、棚板を柱で挟み込む感じです。そうすることで荷重が2本の柱に真っ直ぐ掛かるようにします。
ちなみに柱の片側に荷重がかかる場合は20kgまで、とトリセツに書かれています。今回は基本「本棚」を想定しているので、重くても倒れる恐れのない方式にします。
ちなみに棚板は金具を使わなくても、細い角材を固定してその上に棚板をのせる「すのこ方式」などもあります。さらにラブリコ専用の棚受けもラインアップされており、マーキング不要で、柱を突っ張ってから高さを決められて便利とのこと。しかしながら、それだとあまりにもラブリコ感が出てしまうので今回はL型金具を採用しています。
棚板に金具を固定したら、2×4材の柱に固定します。1段目はちょっと高めで床から700mmの位置に設定しました。床と棚との間に大きめのモノを置けるスペースを確保した、とも言えますが、実は700mmにしたのには理由があり、後述します。
4枚の棚板を片側の柱に固定すると、いつ倒れるかわからない不安定な状態になるので、周りの人や家具、壁やドアに注意です。ケガをしたりキズが付く恐れあり。
反対側の柱にも固定するとようやく安定感が出てきます。すっかり本棚っぽくなりました。この後、設置する部屋へ運んでいよいよラブリコで突っ張ります!
ちなみに、丁寧にマーキングしたり、そのマーキングにきれいに合わせて金具を固定(ネジ締め)したつもりでも、微妙な1mm以下の誤差が積み重なって柱と棚の接合面がわずかに浮いたりすることもあります。そもそも2×4材が微妙に反っている可能性もあります。が、そこはネジで強引に固定すれば問題ありません。プロではないので「まぁそういうものだ」と割り切った方がいいです。やり直したところで修正できるものでもありません。
棚を設置する位置を決めたら「ラブリコ」の伸縮部分を回して突っ張ります。
可能な突っ張り幅は22mm。床から天井までの高さは場所により微妙に異なっていることも多いのですが、22mmも余裕があれば大丈夫です。さすがに床や天井が2cm以上傾いていることはありません。
ちなみに水平を確認してみると微妙に傾いていますが許容範囲。ビー玉が転がるほどではありません。
備え付け風本棚完成。こだわりのポイントは?
と、言うことで設置完了です! 見た感じの違和感もなく、シンプルな棚が出来上がりました。
実際に本を収納してみても安定感は抜群です。柱を手でぐいぐい引っ張ってみてもかなり強力に突っ張ってくれています。そもそも、家具の転倒防止のために地震対策突っ張りグッズがあるぐらいなので安心です。
そして、「小学生の娘用本棚」としていた理由が、机とともに設置することを計算していたため。これが最終形態となります。
学習机と合わせることで、まるで「システム学習机」のような仕上がりを求めたのでした。1段目の棚板を床から700mmの高さにしたのもこのため。学習机の高さに揃えているのです。
この学習机は無印良品のもので、材質は棚板と同じパイン材。学習机も透明ニスやワックス仕上げがされていない製品なので、それに合わせて棚の方も塗装やワックスをかけなかった、というのも無塗装の理由でした。時間が経つと同じような色、風合いになります。
なお、棚板の幅を机の奥行きに合わせればさらに机と棚の一体感が生まれると思います。今回は収納力、つまり棚の幅が欲しかったのでこのようなカタチとなりました。L字な感じになって、それはそれでうまくいったと自画自賛です。
ラブリコを使った自作本棚は「DIYなんてしたことない」という人でも比較的簡単です。時間もそれほどかからないし(3〜4時間)、今回の費用は1万円以下と経済的。棚板を構造用合板にすれば、さらにお安くなります。
ゴールデンウイークなどの連休や夏休みに、あるいは普段のお休みの日でも可能な、子供たちやパートナーと一緒に始めるお手軽DIY。作ることそれ自体がレジャーとなること、間違いなしです。