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ワークマンの着たほうが涼しい「暑熱軽減ウェア」を体験してきた

ワークマンは、「酷暑期対策新製品」発表会を開催。熱中症4大リスクである「気温・湿度・輻射熱・風」に対応する世界初のウェア「XShelter 暑熱軽減ウェア」や、ワークマン史上最高レベルの冷却機能となる「ペルチェベスト PRO2」などを発表し、40℃の空間を再現した暑熱ルームを用いた体験会も行なった。

XShelter 暑熱軽減ウェアは、汗をかくと気化熱でより涼しさが感じられ、“着ている方が涼しい”ことを特徴としている。遮熱、UVカットなど暑熱対策に有効な14の機能を備えた点が世界初になるという。

商品は、ポロシャツやフーディー、ショートパンツなど10アイテムをラインナップ。価格は980円~2,900円。3月下旬より店頭で販売を開始している。

XShelter 暑熱軽減ウェア
ポロシャツやフーディー、ショートパンツなど10アイテムを用意

XShelterの素材は、2種類の異なる糸を組み合わせ、生地の表面と裏面とで異なる機能を持つ特殊生地構造を採用。表側は特殊酸化チタン融合ポリエステル糸で、日傘と同じ暑熱効果を持ち、合成繊維の2~3倍の速乾性やUV効果を備える。裏側は多層疎水性ポリプロピレン糸で、水分を含まず、窓ガラスの4倍の断熱性、水に浮く軽量性などを特徴としている。

この素材により、熱中症4大リスク「気温・湿度・輻射熱・風」を軽減する14の機能を実現。接触冷感、気化冷却、速乾性、遮熱率、UVカット、通気性などで、快適に過ごせるようにする。

開発は、日本赤十字看護大学附属災害救護研究所の専門家と行なっており、災害時にも利用できる衣類として研究が進められた。普段着として日常の厳暑、雨対策に利用することで、災害に備えるという。

XShelter 暑熱軽減ウェアの素材。2種類の異なる糸を組み合わせている
熱中症4大リスク「気温・湿度・輻射熱・風」を軽減する14の機能を搭載
日本赤十字看護大学附属災害救護研究所の専門家と開発

気化熱でかなり涼しい

実際に「XShelter 暑熱フーディー」を着用して、40℃の空間を再現した暑熱ルームを体験してみた。40℃の暑熱ルームは立っているだけで顔から汗が出てくるが、暑熱フーディーを着ていると腕や背中などが何も着ていないときと比べて、確かに暑さを感じにくい。

また、気化熱で涼しくなる機能を実感するために、汗をかいたときに見立てて右袖の裏側に霧吹きで水を噴霧。その状態で着てみると、水を噴霧した右袖が明らかに冷たくなっていて心地良い。

XShelter 暑熱フーディー。男女兼用。S~3Lサイズ(価格:2,900円)
40℃の暑熱ルームで体験
Mサイズを着用。男女兼用なので、160cmの筆者で少し大きいくらい。Sサイズでも良さそう
右袖の裏側に水を噴霧

濡らしたタオルを触ったときのような冷たさだが、サラッとした生地のためベタベタせずに不快感もない。内側から汗をかいたときを想定しているが、これだけ違うなら、屋外に長くいる可能性があるときは、汗をかく前に自分で内側を水で濡らしておくのも良さそうだ。とても軽いので折りたたんでバッグにも入れておきやすい。

暑熱フーディーは男女兼用で、サイズはS~3L。カラーはブラック、レイクグリーン、ホワイトの3色。価格は2,900円。

濡らした右袖だけ冷たくなって気持ちおい。サラッとした生地なためベタつかず不快感もない
前面
背面
サイドのファスナーを開けて風通しをよくすることもできる
XShelter 暑熱フーディーの生地を使った実験。右の白い生地だけ霧吹きで濡らす
サーモグラフィーで温度比較。右だけ温度が低くなっている

暑熱軽減フーディーKidsも展開しており、3月下旬に10商品を販売してから、「Kidsが最も売れている」とワークマン 専務取締役 土屋 哲雄氏は話す。大人用と同系色での展開となるため、親子でリンクコーデも楽しめるとする。

Kidsのサイズは120~150cm。カラーはブラック、ターコイズブルー、ホワイトの3色。

暑熱軽減フーディーKids(価格:1,900円)
大人用と同系色での展開となるため、親子でリンクコーデも楽しめる

シリーズ10商品の中で土屋氏は「キャップもおすすめです。暑い日でもこのキャップをかぶっていると額に汗をかかないのですが、帽子をかぶっていることを忘れるくらい軽く、とても使いやすいです」とコメント。

また、販売計画については「全10アイテムで初年度47万点、金額としては22億円の売上を目指します」と話した。

ワークマン 専務取締役 土屋 哲雄氏
暑熱キャップ
全10アイテムで初年度47万点、金額としては22億円の売上を目指すという
フードのないジャケットタイプ(価格:2,900円)
ポンチョ(価格:1,780円)
半袖ポロシャツ(価格:1,900円)
ショートパンツ(価格:2,500円)
クライミングパンツ(価格:2,500円)
ハット(価格:1,280円)

また、暑熱対策デバイスとして「暑熱バンド」を発売。深部体温上昇の変化を独自のアルゴリズムで推定し、熱中症リスクを察知したらLED点灯とバイブレーションで「注意」を知らせる。その後、リスク計算を繰り返し、熱中症リスクが高いと判断した場合は「警告」通知が届く。

熱中症リスクを知らせる「暑熱バンド」(価格:1,900円)

ペルチェベストの冷却プレートが5個に進化

ペルチェベスト PRO2は、ペルチェ素子により冷暖房を切り替えられ、オールシーズンに対応する商品。付属のモバイルバッテリーで駆動する。

2023年5月に第1弾として「冷暖房服 ICE×HEATERペルチェベスト」を発売し、3万点が完売したという。

新モデルとなるPRO2は、19,800円と価格は据え置きで、冷却プレートを従来の3カ所から5カ所に増加。肌との接触面積が増え、最大-28℃(表面温度約-3℃)の冷却で、「着る冷凍庫」として上半身を冷やすという。

ペルチェベスト PRO2
冷却プレートが従来の3カ所から5カ所に増加
最大-28℃(表面温度約-3℃)の冷却を実現

こちらも暑熱ルームで体験したが、着用してすぐ、まだ電源を入れる前でも背中に当たる冷却プレートがしっかり冷たく感じられた。既にこんなに冷たいなら電源を入れても変わらないのでは? と思ったが、その心配は杞憂に過ぎず、1分ほどでさらに冷たくなった。

ファンは排熱のためにあるので表側から触ってみると温風だったが、上半身に当たっている冷却プレートが十分冷たいので問題ない。40℃の暑熱ルームにいても、背中が冷たいので汗をあまりかかずに過ごすことができた。

さらに上から、暑熱フーディーを着ると、背中だけでなく水で濡らした袖も気化熱で涼しくなってより冷たさを感じられる。通気性が高いので、排熱がこもることもなく快適に着ることができた。

運転モードは、冷却は「強/弱/ゆらぎ/デバイス(小)4個」の4種類、温熱は「強弱」の2種類。

現在は予約を受け付けており、受付終了日は4月11日だが予約上限に達し次第受付終了となる。発送時期は4月中旬~下旬を予定している。

操作部。下のボタンを押すと冷却、上のボタンを押すと温熱