世界初のアンモニア燃料タグボート「魁(さきがけ)」

日本郵船とIHI原動機は、2024年8月23日に竣工したアンモニア燃料タグボート「魁(さきがけ)」の3カ月の実証航海が終了したことを発表した。アンモニア燃料船として世界初となる実運航中の実証試験、解析を行ない、重油使用時と比較して最大約95%の温室効果ガス(GHG)排出量削減を達成している。

「魁」は、2021年10月にNEDOのGI基金事業の公募採択を受け、「アンモニア燃料国産エンジン搭載船舶の開発」の一環として開発。商用利用を前提とする世界初のアンモニア燃料船として竣工した。竣工後は日本郵船グループの新日本海洋社によって東京湾での曳船業務に従事しながら実証航海を行なっている。

日本郵船とIHI原動機は、運航時におけるアンモニアの混焼率、温室効果ガス排出量の削減率を解析し、主要な各負荷域(四分力)においてそれぞれ90%以上、最大で約95%の達成を確認した。アンモニア燃料船を実運航して実証試験、解析を行なったのは世界初で、これにより、アンモニアが実際に利用可能な船舶用の次世代燃料として有力な選択肢の1つであることを確認したという。

「魁」は今後も東京湾で曳船業務に従事し、アンモニア燃料船の開発、運航に関する知見を蓄積する。また、日本郵船とIHI原動機は、ジャパンエンジンコーポレーション、日本シップヤードと共同で、2026年11月竣工予定のアンモニア燃料アンモニア輸送船の開発に取り組む。