ニュース
トライアル、西友を買収 3800億円
2025年3月5日 16:23
スーパー/ディスカウントストアのトライアルが西友を買収する。
トライアルホールディングスは5日、スーパーマーケットの「西友」を運営する株式会社西友の株式を取得し、完全子会社化すると発表した。西友株式の100%をトライアルHDが取得し、株式取得額は3,800億円。株式譲渡実行日は2025年7月1日。
トライアルグループは、九州を中心にディスカウントストアを運営するほか、IoT/AIなどを活用した流通小売業界のデジタルトランスフォーメーション(DX)などのリテールAI事業を展開している。
トライアルでは、成長戦略として既存店成長と新規出店、「食」の強化、収益性向上による持続的な成長を目指している。具体的には、リテールテックの導入による店舗改装、美味しくて安い惣菜やプライベートブランド(PB)商品の開発、ローコストオペレーションの強化などを予定している。
西友は、関東エリアを中心に駅に近接した好立地の店舗を多く保有しており、強固な事業基盤を有している。また、PBを中心とした商品力、自社保有の製造拠点、メーカーなどの取引先との関係も保持している。
今回、トライアルが西友を完全子会社化することで、九州地方だけでなく、人口集積地の関東・中部・関西エリアでの事業基盤を迅速に確立し、かつ効率的に実現できると判断。この子会社化により、連結売上高1兆円超の小売グループとなる。
西友とトライアルの店舗は地域的に重複が少なく、商圏のカニバリゼーションによる退店などは認識していないとする。「みなさまのお墨付き」、「食の幸」などの西友のオリジナル商品やプロセスセンター、セントラルキッチン等の製造拠点を獲得することで、トライアルグループ全体の「食」の強化と生産・物流の最適化も図れるとする。
加えて、西友が展開するEC事業もトライアルのECとシナジーが期待できるとする。リテールAI事業でも、メーカーとのデータ連携による流通業界の効率改善や、トライアルによるタブレット決済機能付きレジカード「Skip Cart」の導入による買い物体験の向上、リテールメディアの収益化などに取り組む。