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神奈川・相模原に地域密着型商業「ミナノバ」 東京建物の新ブランド

minanoba相模原

東京建物は、地域密着型商業施設「minanoba(ミナノバ)相模原」を、神奈川県相模原市にて3月5日にオープンする。新ブランドであるミナノバの第1号で、埼玉県川口市での第2号物件の開発も進められている。東京建物はオープンに先立ち内覧会を実施した。

ミナノバは、日常生活を支える生活必需品やサービスがワンストップで揃う「暮らしのインフラ」をコンセプトとする。また相模原では自動ドアに、視覚障がいのある人や車いす利用者などの通行に配慮したスマートフォン連携ユニバーサル自動ドア「ミライロドア」を導入する。

エントランスにはミライロドアを導入

店舗の敷地面積は7,341.33m2、延床面積は8,646.71m2で、地上2階建て。食品スーパー「ライフ」やドラッグストア「トモズ」、100円ショップ「セリア」、各種クリニックなど、11店舗を展開する。クリニックは春から夏にかけて順次オープン予定。飲食店は、アイスクリーム「サーティワンアイスクリーム」、寿司「魚べい」。テナントは11区画あり、そのうち9区画が決定、残り2区画は現在協議中となっている。

店舗一覧
1階のライフ
1階にはセブン銀行ATMが設置されている
2階のセリア。奥には総合衣料「パシオス」、メガネ「ルック」がある
2階の魚べい

外観はアースカラーを基調とした、街並みに馴染むようなデザインを採用。内装にも木目調を取り入れるなど、落ち着いたデザインとしている。

2階には「この規模の商業施設としては珍しい」という授乳室を完備。そのほか、バリアフリートイレや喫煙室を備える。

授乳室

入口の自動ドアには、音声による誘導案内やドアの開放時間・開閉速度の自動調整の機能を持つ「ミライロドア」を導入。高齢者、車いす利用者、視覚障がいのある人、ベビーカーなど、通常の自動ドアでは「開くのが遅い」「閉まるのが早い」「開いているのかどうかわからない」と感じる人に向けた自動ドアで、利用者が「ミライロドア」アプリをインストールしたスマートフォンを持って自動ドアに近づくと、音声の誘導案内等が自動で作動する。

ミライロドア

音声による誘導案内では、ドアの位置や開閉状態を音声で知らせ、視覚障がいのある人の円滑な通行をサポートする。ドアの開放時間・開閉速度については、車いす利用者やベビーカーでも余裕を持って通行できるよう、必要に応じて自動で調整する。

ミライロドアアプリは誰でもダウンロード可能。ミライロドアにどのような動作を求めるかは、アプリで設定できる。

なおミライロドアは、ミライロ、フルテック、ハウディの3社が共同開発した。

東京建物が地域密着型商業に参入する理由

東京建物は、大型商業施設「SMARK」(群馬県伊勢崎市)や、都市型商業施設「FUNDES」シリーズを展開するほか、グループ外からの受託による商業・複合施設コンサルティング等に携わってきた。

ミナノバで地域密着型商業施設に参入する理由について、東京建物 商業事業部長 長谷山隆史氏は「増加傾向にある共働き世帯や高齢者は、時間を有効に活用したい、もしくは移動に制約があるといった理由から、コンパクトに生活必需品・サービスにアクセスできることが求められている」と説明。

東京建物 商業事業部長 長谷山隆史氏

加えて、「小商圏で成立するため開発余地のある用地が未だ十分に存在する」「工期が短く、資材価格上昇等のリスクコントロールがしやすい」「生活必需品中心で消費者の来店頻度が高く、安定的な収益・賃料を確保できる」などのメリットがあるという。

展開エリアは首都圏の郊外を計画している。ミナノバ相模原は小田急電鉄小田原線 小田急相模原駅から徒歩9分と、決して“駅チカの利便性”を備えた施設ではないが、「都市型と違って比較的競合が少ない」ことも、郊外の地域密着型を展開する理由の1つに挙げた。

なお、川口市で計画している2号店の立地は、JR武蔵野線 東浦和駅から徒歩20分。3号店の物件も、未発表ながら内定しているという。

位置図
小田急相模原駅北口の様子。駅前には商業施設「ラクアル・オダサガ」がある。ミナノバ相模原はここから徒歩9分

ミナノバ相模原の所在地は神奈川県相模原市南区南台三丁目1番30号。相模原市南区の2020年の人口は約28万人で、2015年調査時よりも4,000人強増加しているほか、足元1km圏で45,000人、2km圏で168,000人を有する。また、半径1km圏内のスーパーマーケットは4店舗と競合が少ないことも、同地での出店の決め手となった。

想定する商圏は周辺の1~2kmで、徒歩の来店客がヘビーユーザーになることを想定している。ミライロドアも、徒歩圏をターゲットとした店舗だからこそ意味があるとしている。ただし、5km程度の商圏を対象外としているわけではなく、自動車の来店を見込んで平面188台の駐車場を用意する。そのうち身障者用は4台。

ミナノバ相模原の屋上駐車場
左から、フルテック 代表取締役副社長 古野元昭氏、東京建物長谷山隆史氏、ミライロ 代表 垣内俊哉氏、