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三菱地所、“木を魅せる”木造商業ビル 神戸「MOTOMACHI Wood Terrace」

三菱地所ホームが設計・施工をした、“木を魅せる”をコンセプトとした神戸元町の木造商業ビル「MOTOMACHI Wood Terrace」が、2月14日にアパレル路面店として営業を開始した。

MOTOMACHI Wood Terraceは、木の構造躯体を「見せる(魅せる)」ことをコンセプトとした木造商業ビル。事業計画からテナント誘致までトータルに企画した、非住宅・都市木造の象徴的なプロジェクトとして進めてきた。

環境への配慮を意識し、CLT(Cross Laminated Timber:直交集成板)床板や梁を現し(あらわし)にした内観、ガラス越しの木造躯体が目を惹く外観を特徴としている。

規模は地上2階建で、構造は木造軸組み工法。建築面積は34.38m2、延べ面積は67.33m2。100m2以下の2階建で計画することで準耐火建築が可能となり、木の構造躯体を現しとすることができたという。鉄筋コンクリート造と比べ、工期短縮や労務費削減といった建設コスト面でもメリットがあるとしている。

同等規模の鉄筋コンクリート造と比較して、ライフサイクルアセスメントにおけるCO2排出量を80%以上削減し、カーボンニュートラルの実現に貢献。また、木材の使用による調湿効果やリラックス効果から、商品のコンディションの維持や来店客の購買意欲向上への寄与が期待できるとしている。

設計に関しては、人通りの多い角地において、木材の素材を外からも感じられるよう、二方向をガラス張りのカーテンウォールとした。またガラス面を大きく見せられるよう、天空に向けて張り出すような設計にすることで、ガラス越しの木造躯体を“魅せる”外観としている。

内部は木造躯体のCLT素材を現しにすることで、木材の存在感・安心感・力強さを感じられるデザインとした。床躯体梁をたすき掛けでデザインし、金物が見えないように工夫。天井を見上げたときに木の美しさを感じられるように演出している。

住宅以外の用途にも木造建築へのシフトが進むなか、三菱地所ホームは木造住宅メーカーとして、三菱地所グループの建築用木材の生産から流通、施工、販売に至る、川上から川下まで一貫する統合型ビジネスモデルにおいて、木造中大規模建築の施工を担い、都市の「木造木質化」に向け事業展開を図っている。

特に土地の有効活用、店舗やオフィスなどの非住宅建築や施設系建築の「木造木質化」に注力。三菱地所グループ内外との連携により、木材の有効活用を推進し、社会的意義のある価値創造、持続可能な社会の実現への貢献を目指す。

MOTOMACHI Wood Terraceの所在地は兵庫県神戸市中央区元町通1-11-1。テナントはマザーハウス。