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経産省、AI活用時の法的リスクに備える「契約チェックリスト」
2025年2月21日 08:00
経済産業省は、生成AIを活用する事業者間における「AIの利用・開発に関する契約チェックリスト」を公開した。当事者間の適切な利益とリスクの分配、AI利活用を促すことを目的としたもの。
事業活動においてAI技術を用いたサービスの利活用を検討する事業者の増加が顕著な一方で、AIの技術や法務に必ずしも習熟していない事業者が導入を検討するケースも増えている。こうした状況下で、AI技術を使ったサービスの利活用を行なう場合の契約実務に関し、以下のような懸念が挙げられるという。
- AIの利活用に関する契約に伴う法的なリスクを十分に検討できていない可能性
- 保護されるべきデータや情報が予期せぬ目的に利用され、また第三者に提供される等、想定外の不利益を被る可能性
今回公開されたチェックリストは、こうした市場環境の変化を踏まえ、AI利活用の実務になじみのない事業者など、国内事業者が実務上使いやすい形式で製作された。
チェックリストは、当事者間の適切な利益やリスクの分配を目指し、AIの利活用も促すことを目的とし、特に以下の方針に基づいて策定された。
- AI技術を用いたサービスの利用者が、サービスの提供者に対して提供するデータの利用範囲や契約上のベネフィット(サービスの水準、AI生成物の利用条件等)について十分な検討を行なうために必要な基礎的な知識を提供すること
- 提供されるデータの不適切な利用等を避けられるよう、利用者が契約時にチェックするべきポイント(チェックポイント)を具体的に記載すること
- 幅広い想定読者や利用場面を念頭に置き、AI利活用の契約実務に有益な参考資料とすること
読者のAI活用の実務経験は問わず、主に、社内法務部・顧問弁護士等が契約条項を具体的に検討する場面や、ビジネス部門担当者等が契約についての初期的な検討を行なう場面を想定している。