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楽天モバイル、春商戦は楽天経済圏をフル活用

楽天モバイル 春商戦向け「春の応援」キャンペーン

楽天モバイルは14日、春商戦向けの「春の応援」キャンペーン2種類を発表した。同日から受付をスタートする。記者向けの発表会も開催し、春商戦に向けた取り組みが語られた。

春の応援キャンペーンは、スマホデビューの子供などを含む5~18歳が対象の「学生応援」キャンペーンと、大学生や新社会人など19~25歳が対象の「新生活応援」キャンペーンの2つ。「Rakuten 最強プラン」を新たに契約するユーザーが対象で、最大で14,000円相当の楽天ポイントを還元し、実質1年無料と謳う。キャンペーン実施期間は2月14日~5月31日。

「学生応援」キャンペーン
「新生活応援」キャンペーン
ほかのキャンペーンも強化

競合他社は2024年末に春商戦向けのキャンペーンを発表、1月から大々的に展開している。楽天は2月14日に発表し同日受付スタートとなり、“出遅れ”が指摘される格好だが、「タイミングとしてはそんなに悪くない。受験も終わり学校が決まって、新生活にむけてこれから検討が始まる。タイミングとしてはドンピシャではないか」(楽天モバイル 代表取締役 共同CEOの鈴木和洋氏)としている。

楽天モバイル 代表取締役 共同CEOの鈴木和洋氏

楽天モバイルの特徴は、料金プランを「Rakuten 最強プラン」に集約し、その内容も比較的シンプルにしていること。直近の契約数の拡大に大きく貢献しているという紹介キャンペーンなども含めて、20~30代といった若年層からの支持が大きいという。ただし、日本の若年層人口における楽天モバイルのシェアはまだ低く、今後も若年層獲得にフォーカスしていく。一方、「最強シニアプログラム」などもすでにラインナップしており、若年層に特化するわけではないとも説明されている。

830万契約を突破、1,000万を目指す
若年層を中心に紹介キャンペーンの利用が拡大
各年齢層でも乗り換えなどが加速しているという

楽天モバイルの最強の武器は、“楽天経済圏”(楽天エコシステム)と緊密に連携できること。春商戦に向けたメッセージとしては、楽天市場での買い物をはじめ、旅行・決済・金融サービスなど楽天エコシステムで得られるポイントを楽天モバイルの料金に充当すれば「楽天モバイルが永年無料」という(注意書きありきの)論法を持ち出しており、他事業者と比較して楽天グループの大きな優位性であるエコシステムや、その総合力を大いに訴求していく方針。また、そうした総合力を引き出すためにAIを活用していくともした。

永年無料とアピール
楽天エコシステムが最大の強み

直近のキャリア各社の決算会見では、KDDIが「高付加価値型の経済循環」の必要性を訴え、ソフトバンクはさらに踏み込み、現状の料金プランが限界にきていることを訴えた。これは、電気代をはじめさまざまなコストが高騰しているためで、どちらも、料金を値上げに転じる時期がくると示唆するもの。

楽天モバイルはそうした動きに対してまず、これまで国内のモバイル通信料金が値下がりしてきたのは「楽天モバイルの参入で適正な競争が起きた。健全な競争により価格が下がった。経済合理性のある結果」(鈴木氏)と指摘する。

料金の比較

現在の料金プランにおけるコスト構造についても「いたずらに価格破壊しようとしているわけではない。最新技術を活用し、適切な利益を乗せている。採算を度外視して低価格で提供しているわけではない」(鈴木氏)と、適正で価格を維持できるという見通し。各社で共通の課題ともいえる電気代の削減については、AIを活用したシミュレーションで一部設備を適時スリープさせるなどの対策を実施しているという。

一方、さらに値下げの余地があるのかと問われると、「(楽天モバイルは)十分に下がっている」(鈴木氏)という認識。「他社は下げる余地があるのではと推察する。決算をみても、大きな営業利益を上げている。日本の通信市場全体としては下がる余地がある」(同)とし、各社の訴えとは異なり、さらに値下げの余地があるという見方を示している。