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「虎ノ門アルセアタワー」竣工 歩道拡幅で周辺エリアの回遊性向上

虎ノ門二丁目地区再開発協議会が推進する「虎ノ門二丁目地区第一種市街地再開発事業」において、業務棟「虎ノ門アルセアタワー」が2月14日に竣工した。

同事業は、虎の門病院、国立印刷局、共同通信会館を含む街区を一体的・段階的に開発することで、機能を停止することなく施設の更新を図り、国際競争力を強化する高機能オフィス、周辺地域をつなぐ歩行者ネットワーク等を整備する計画。

事業地区は、霞ヶ関エリアに近接し、外堀通り、桜田通り、六本木通りなどの幹線道路や東京メトロ銀座線の虎ノ門駅、日比谷線の虎ノ門ヒルズ駅、南北線・銀座線の溜池山王駅にも近接する、交通利便性に優れた立地。

虎ノ門アルセアタワーは、中高層部にオフィス、低層部に国際的なビジネス活動をサポートする業務支援施設や商業施設を整備し、2階のデッキからは周辺地域に接続。自立性の高いエネルギーシステム採用による災害対応や地上、デッキ、壁面に植栽を配置するなど環境にも配慮した高機能物件として整備している。

オフィスは5~38階に配置。オフィス床面積は110,800m2と虎ノ門エリア最大級の規模。天井高は2,900mmを確保し、1フロアの床面積は3,300m2以上。使いやすい整形と圧迫感の少ない空間を確保している。

耐震性能は官庁など防災業務の中心となる施設と同程度を確保。災害時に停電になった際は、非常用発電機とコージェネレーションシステム(CGS)が作動し電力を供給する。万が一、中圧ガスが断絶してもオイルタンクにより168時間(7日間)の非常電力供給が可能。

3階にはシェアオフィス、カンファレンス、フィットネス、2階にはバイリンガル対応のコンシェルジュ、1階にはバイクステーション(予約制)を配置し、外国人ビジネスマン等に対応できる国際ビジネスサービスセンターとして整備している。1、2階にはワーカーをサポートするマルシェなどの商業施設も整備する。各施設は25年度中に順次開業予定。

事業地区周辺は、土地の高低差、広い幹線道路や不整形な交差点による回遊性の支障、歩行者空間の不足など歩行者ネットワーク上の課題があった。本事業では、歩道の拡幅、歩行者デッキの整備などを行ない、虎ノ門駅方面、虎ノ門ヒルズ駅方面、溜池山王駅方面、ホテルオークラ方面への安全で快適な歩行者ネットワークの形成を図る。同時に周辺道路の拡幅や、アメリカ大使館前の交差点改良による不整形な交差点の解消など周辺の自動車交通の円滑化も図っていく。

虎ノ門駅方面の歩道拡幅
虎ノ門アルセアタワー内のデッキ
虎ノ門ヒルズ駅方面への歩行者デッキ
溜池山王駅方面への歩行者デッキ完成予想イメージ
アメリカ大使館前交差点の改良イメージ

事業地区北側では、歩道の街路樹と一体的な緑化空間を形成するため、広場等を整備。事業地区南側では、隣接する赤坂インターシティAIRから続く赤坂・虎ノ門緑道を延伸し、さらに広場等を一体的に整備することで、港区道第1014号線沿道に約4,500m2の緑化空間を整備する。デッキ、屋上緑化、壁面緑化も含めると事業地区全体で約7,500m2の緑化面積が確保される予定。

なお、事業全体では、都市基盤施設整備も含めると15年以上にわたり整備が続く予定で、事業完了は30年を予定している。

所在地は東京都港区虎ノ門二丁目105番。敷地面積は約22,500m2、延床面積は
約180,600m2。建物の高さは約180mで、地上38階、地下2階。鉄骨造(一部鉄骨鉄筋コンクリート造、一部鉄筋コンクリート造)。

開発を推進している虎ノ門二丁目地区再開発協議会は、都市再生機構(UR都市機構)、日鉄興和不動産、第一生命保険、関電不動産開発、東京ガス不動産、JR九州、大成建設、共同通信会館などの地権者で構成されている。