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偽情報や誹謗中傷対策で官民連携プロジェクト発足 グーグル、Tiktok 、Xなど参画
2025年1月22日 16:24
総務省は、インターネットやSNSにおける利用者のICTリテラシー向上を目指し、プラットフォーム事業者や通信事業者、IT企業・団体等と共に官民連携プロジェクト「DIGITAL POSITIVE ACTION」を始動した。
インターネットやSNSの普及に伴い、偽・誤情報や詐欺広告、誹謗中傷などの違法・有害情報が拡散しやすくなっている。特にデジタル空間において、人々の関心・注目の獲得が経済的価値となるアテンション・エコノミーの下での偽情報・誤情報の流通や拡散が行なわれている点を指摘。過激なタイトルや憶測だけのコンテンツなどの拡散や流通が社会問題化しているという。
総務省では、これらの問題に対処するため、有識者による「デジタル空間における情報流通の健全性確保のあり方に関する検討会」を実施。検討会では、制度的な対応や対策技術の研究開発に加え、ICTリテラシーの向上が重要だと指摘された。
「DIGITAL POSITIVE ACTION」は、この提言を受けて設立されたプロジェクト。慶應義塾大学大学院法務研究科の山本龍彦教授を会長とし、総務省、関連団体、プラットフォーム事業者、通信事業者、IT・インターネット関連事業者などが参画する。
同プロジェクトでは、官民連携によって推進体制を構築する。ICTリテラシー向上に向けて、世代に応じた多様な方法で普及啓発を行なうとともに、SNS・デジタルサービスにおいては利用者の安全性を考慮した設計上の工夫を促し、信頼性の高い情報に関する表示上の工夫を推進する。これらの活動を通して、総合的なICTリテラシーの向上に向けた社会的機運を醸成していくことを目指す。
具体的な活動内容としては、以下の3点を挙げている。
- 官民の取り組みを集約した総合的なWebサイトの開設
- 多様な関係者によるセミナーやシンポジウムの開催、普及啓発教材の作成
- 社会全体でリテラシー向上に向けた機運を高めるための広報活動
参画団体・企業は、安心ネットづくり促進協議会、草の根サイバーセキュリティ推進協議会、セーファーインターネット協会、ソーシャルメディア利用環境整備機構、日本ケーブルテレビ連盟、マルチメディア振興センター、Google、LINEヤフー、Meta、TikTok Japan、X、グノシー、スマートニュース、NewsPicks、日本マイクロソフト、KDDI、NTTドコモ、ソフトバンク、楽天モバイルの計19の事業者。今後も順次拡大予定としている。
本日から先行Webサイト「DIGITAL POSITIVE ACTION」を公開。ロゴ、スローガン、ステートメントを掲載している。2月11日のセーファーインターネットデーに合わせて、内容を拡充する予定としている。
また、プロジェクト推進パートナーによる今後の予定も公開。2月~4月にかけて、「偽・誤情報対策ワークショップ」(Tiktok Japan)や、「ティーンアカウントに関する啓発キャンペーン」(Meta)、詐欺に関する注意喚起動画(LINEヤフー)など、多くの参画事業者が取り組みを実施する。
総務省大臣政務官の川崎ひでと氏は、「インターネットやSNSの普及により、我々の生活は豊かになった一方で、偽情報や誹謗中傷などが拡散しやすくなり、社会に影響を及ぼす深刻な課題となっている。ICTリテラシーの向上には、多様な関係者が一丸となって社会全体の機能を高めることが重要だ」と述べた。
同プロジェクトの終了時期は定めておらず、複数年にわたってリテラシー向上のために活動するとしている。