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パナ、顔認証1つで移動も買物もできる実証実験 愛知県常滑市

パナソニック コネクトは、中部国際空港島及び周辺地域で、暮らし・仕事・観光など生活圏をまたがる多様なサービスを「ひとつの生体情報」で利用可能にする実証実験を2025年1月27日~2月28日に実施する。

エリアの生活圏全体で共有する「顔情報プラットフォーム」を構築し、複数の事業者の顔認証基盤とシステム連携することで、顔認証活用に伴うサービス利用者・提供者両方の煩雑さを解消する、先進的な生体認証プラットフォームの実装を目指す検証。「あいちデジタルアイランドプロジェクト」の一環として、愛知県から委託を受けて実施するもの。実証実験の名称は「常滑の街が笑顔でつながる! 顔認証で遊んで・買って・体験しよう!!」。

空港ホテルのフロント、レストラン、バー、売店での決済や、外部事業者の入退場、INAXライブミュージアムの決済やスタンプラリー、電動キックボードレンタルの決済など、様々なユースケースで顔認証を活用する。

これまで国内で実施された顔認証を活用したエリア活性化の取り組み事例の多くは、「観光」や「移動」など目的別にシステムの構築や効果検証がされており、暮らし・仕事・観光など生活圏全体をとらえた横断的な活用は検討されていなかった。

そのため、今後各エリアで提供される様々なサービスにおいて顔認証の活用が増加した場合、利用者側では、サービスごとの顔認証登録が発生して煩雑となることが予想され、自治体や企業などのサービス提供者側では、顔認証基盤を個別に開発・実装する必要があるなど、生活圏全体の利便性向上としては課題がある。

「顔情報プラットフォーム」を構築することで、サービスごとに異なる顔認証基盤とのシームレスなシステム連携を実現。観光・移動などサービスごとに異なる顔認証基盤・システムが連携することで、利用者は1度の顔登録で様々なサービスを利用できるようになる。企業などのサービス提供者側も顔認証基盤を個別に開発・実装する負荷が低減する。

利用者は事前に専用Webサイトからスマートフォンで参加登録を行ない、「顔情報」と、「体験を希望するサービスごとに必要な本人情報」を登録する。例えば、顔認証決済の場合はクレジットカード情報も登録する。

決済には顔認証クラウドサービス「KPASクラウド」を活用しし、顔認証とPINコード入力による2要素認証で決済が完了する。

愛知県では、2026年に開催されるアジア競技大会などを見据え、海外からのゲートウェイとなる中部国際空港島とその周辺地域を、「革新的事業・サービスのオープンイノベーションフィールド」として位置づけ、2030年に普及が見込まれる各種サービスやソリューションの早期社会実装を目指している。今回の生体認証システム実証事業はその取り組みの一環。