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所沢駅が「駅まちレジリエンス」モデル駅に 震災時の帰宅困難者対策
2024年12月19日 18:48
西武鉄道と所沢市は2025年1月から、所沢駅を「駅まちレジリエンス」のモデル駅として設定し、西武鉄道各駅に先行して、駅における発災時のサービス提供と運用の検証を開始する。
1月に発生した能登半島地震により、発災地域一帯が大きな被害を受け、道路や鉄道などの交通網も寸断され、帰宅困難者が溢れる事態となったという教訓を踏まえ、発災から1年が経過するタイミングで開始する。
所沢市は震災時等の対応として各事業者と連携して帰宅困難者対策に取り組んでおり、西武鉄道では'25年4月実施を目標に、発災時の帰宅困難者向けのサービス提供を準備している。これらを踏まえ、所沢駅を発災時の対応力を強化する「駅まちレジリエンス」のモデル駅として、西武鉄道と所沢市が共同で帰宅困難者対策等の取り組みを推進する。
西武鉄道が準備を進める帰宅困難者向けサービスを、所沢駅で他の駅に先行して1月から提供と運用の検証を開始する。
提供サービスは、トイレ開放、震災時対応マップの配布、緊急時駅周辺情報マップの掲示。また立ち寄りサービスとして、飲料水・駅ナカコンビニ「トモニー」商品の一部提供、スマートフォン充電を提供する。
そのほか一時待機サービスとして、駅内で待機できるスペースの提供と防災用備蓄品セット(水・軽食・防寒アルミシート)の配布を行なう。一時待機サービスは、高齢者、障がい者、乳幼児、その他特に配慮を要する人を優先する。
今後、運用の検証を目的とし、所沢市と西武鉄道による帰宅困難者対応の共同訓練の実施等を検討する。
西武鉄道では所沢駅以外でも、「駅まちレジリエンス」をテーマに災害に強い沿線を目指す。帰宅困難者対応のほか、駅舎等の安全確認方法の整備や、各種訓練等も含めた沿線自治体・他企業との共同施策、同社Webサイト「大規模地震への備え」での情報発信に取り組む。これらにより、震災等が発生した際でも、すべての人に「駅に行けば安心」と思われるようになることを目指す。
駅における発災時のサービス提供は、西武線沿線で大規模地震が発生し、鉄道が全線運転を見合わせた場合に西武鉄道91駅(小竹向原を除く全駅)で実施する。なお、電気・水道は使用可能な状況を想定している。