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楽天、5年ぶりに四半期黒字化 モバイル事業が大幅改善
2024年11月13日 18:45
楽天グループは10日、'24年度第3四半期決算を発表した。連結業績は前年同期比9.3%増の5,667億円となり、「インターネットサービス」「フィンテック」「モバイル」の全セグメントで増収を達成。'19年第3四半期以来、5年ぶりの四半期黒字。
Non-GAAP営業利益は123億円、IFRS営業利益でも5億円の黒字。EBITDAは前年同期比159.1%増の922億円を記録した。
モバイル改善 契約数は812万
モバイル部門の売上収益は1,060億円(前年同期比19.5%増)。Non-GAAP営業損失は前年同期比265億円改善の487億円となった。
楽天モバイル単体では、売上収益が725億円(前年同期比30.3%増)と増収。Non-GAAP営業損失は506億円で、前年同期比200億円の改善。EBITDAは97億円の赤字となったが、前年同期比で241億円の大幅改善。通信設備のセール・アンド・リースバックにより1,700億円を調達。当面必要な資金を自ら確保し、グループ全体の資金流動性も向上した。「楽天モバイルの損失改善により、黒字化への道筋が見えてきた」(三木谷会長)。
契約回線数は11月10日時点で812万回線を突破。解約率も継続的に低下し、第3四半期の調整後MNO解約率は1.09%となった。MNO ARPUはエコシステムARPUを含めて2,801円。データ利用量の多いメインユーザーの増加でデータARPUが伸長。
三木谷会長は「楽天モバイルのプロジェクトは、単体での健全な収益性の実現、楽天エコシステムへの顧客流入および育成、楽天シンフォニーでの海外における技術販売という3つの目的がある」としたうえで、「(設備の)電気料を節約するような仕組みを導入し、効率を上げていくことに注力をしていきたい」と今後の展望を語った。
インターネットサービス部門の売上収益は3,146億円(前年同期比4.4%増)、Non-GAAP営業利益は212億円(前年同期比54.2%増)で増収増益。国内EC流通総額は前年同期比6.9%減の1.5兆円となったが、昨年の全国旅行支援終了やふるさと納税のルール変更前の駆け込み需要の影響を除けば、前年同期比約5%増と堅調な成長を維持した。
楽天カードも堅調 みずほFG提携で法人強化
フィンテック部門の売上収益は2,082億円(前年同期比12.8%増)、Non-GAAP営業利益は400億円(前年同期比57.2%増)。「楽天カード」はショッピング取扱高が初めて6.0兆円を突破。マーケティング費用の最適化や貸倒関連費用の抑制が利益率改善に貢献した。
「楽天銀行」は口座数が1,619万口座(9月末時点)に達し、預金残高も11.1兆円に拡大。金利収益の増加で増収増益を達成した。「楽天証券」は証券総合口座数が1,165万口座に増加。「楽天ペイメント」も取扱高の拡大とコストコントロールで、2四半期連続の営業黒字を拡大した。
また、楽天カードを中心としたみずほFGとの戦略的資本業務提携について、三木谷会長は「法人の信用問題や決済時のタイムギャップを解消し、法人カードの提供を可能にすることで、双方にとってウィンウィンな関係を提携になると考えている」と述べ、詳細は14日の記者会見で説明するとした。