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Notion、次の進化はメールやAI強化、Teams対応
2024年11月8日 13:34
コラボレーションソフトウェアの「Notion」は7日、日本で初の大規模イベント「Make with Notion Showcase Tokyo」を開催した。10月下旬に発表したスタンドアローン型メールアプリ「Notionメール」(プレビュー版)などの新機能などのほか、今後のロードマップなどについても紹介した。
サイロ化とソフトウェア中毒を防ぐ
NotionのFuzzy Khosrowshahi CTOは、2014年のNotionのスタートから、「美しい、職人が作ったようなソフトウェアを目指す」方針を維持してきていることを強調。日本から受けた影響や、世界中のユーザーグループの支持について言及するとともに、大手企業からテック企業、スタートアップまで、企業の規模を問わずにNotionが使われていると説明した。
一方、ソフトウェアが市民権を得た反面、大きな課題も生まれている。それが「ツールが増えて、サイロ化した」ということ。サイロ化とは、組織や部門、機能ごとに、データやツールが別々に別々に管理され、組織や部門をまたいだ連携が難しくなること。会社やグループにおいて、データベースやワークフロー、ドキュメントなどが点在し、「なにがどこにあるかがわかりにくくなっている」という問題が生まれている。
Fuzzy氏は、この問題を「ソフトウェア中毒」という言葉で紹介。調査によれば企業では平均88ものソフトウェア/ツールが使われているという。そのうえで、「ソフトウェアはクリエイティブで、美しく、順応性があり、価値があるものでなければならない」とし、誰もが使いやすいソフトウェアとしてのNotionを強調。「シンプルな機能をすぐに使え、複雑なことをやろうと思えば、対応できる」と語った。
Notionはテキスト/ドキュメントだけでも使えるほか、データベースや、検索、チャート、自動化など必要に応じて機能を使える。この点を「レゴのようなビルディングブロック」と表現し、使いやすく、またほぼ全てのデータをNotionに集約し、必要な機能だけを追加していける「テイラーメイド」なサービスであると説明する。
Notion AIはTeams対応 まもなく「Notionメール」
2024年もNotionには多くの機能強化が行なわれており、Notionサイトの開始のほか、チャートや編集、Notion AIの改善、データベースの20%高速化などを図っている。これらは顧客ニーズに応えながら、Notionの体験としてシームレスに使えるように機能追加されている。
10月には「フォーム」を開始。タスク依頼や、問題報告、データ収集、ユーザーのフィードバックなどのフォームを構築し、Notion上でデータを集めやすくすることで、Notionにおけるデータの価値を向上していく。Head of Product MarketingのJohn Hurley氏によれば、Notionで課題だった「集める」機能としてフォームを実装したという。
また、カスタマイズ可能な「レイアウト」機能もリリースしたほか、3つの新たなオートメーション機能(メール通知、カスタム数式による詳細なアクション、カスタムWebリクエスト)も紹介。Notionだけで様々な自動化が行なえることを強調した。
AIについては、ソフトウェア/ツールごとにサイロ化だけでなく、それぞれのツールがAI導入することで新たな「サイロ化」の要因になっていると言及。Notionによる「Notion AI」では、こうした情報やツールの「断片化」を避けて、Notion上で統一した体験でAIが使えることや、ブランドにあわせたライティング補助などのAIを活用した使い方ができることなどを紹介した。
今後追加予定の機能としては、Notion AIと「Microsoft Teams」、「Salesforce」との連携を発表。Notion AIでは「AIコネクター」として、Notion AIからNotion外のデータにアクセスできる機能を用意しており、ここにTeamsやSalesforceなどが対応していく。
AIコネクターでは、これまで、SlackとGoogle ドライブに対応していたが、Teamsについては「日本での要望が多かった」として対応を決定。リンクプレビューやデータベースオートメーションなどに対応予定。また、また、アトラシアンの「Jira」とは双方向での利用が可能になる。
10月に発表した「Notionメール」についても紹介。GmailをNotionのUI上で扱えるようにするもので、メッセージをNotion上で書いて送信したり、受信箱を自動整理する機能なども搭載予定。2025年初頭にサービス開始予定だが、現在も早期アクセスを受け付けている。
また、今後のエンタープライズ対応を強化。カスタムデータ保持規則への対応や組織レベルでの管理機能の追加など、大企業が使いやすい環境も整備していく。