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LINEがミニアプリ強化で目指す「DXの基盤」 第2四半期は過去最高

LINEヤフー出澤剛CEO

LINEヤフーは5日、LINEを中心に今後のプロダクト強化の方向性について説明した。LINEについては、LINE公式アカウントとLINEミニアプリを強化し、「純粋なコミュニケーションツールから企業・店舗の総合的なDXソリューションを目指す」(LINEヤフー出澤剛CEO)とした。

プロダクト強化のポイントは「公式アカウント・ミニアプリ」、「LINEコマース」、「PayPay金融」の3点。

LINE公式アカウントは、店舗や企業からのメッセージ配信やCRMなどの機能を備えており、2023年度でアカウント広告で1,000億超の売上規模を持つ。ここに「ミニアプリ」を連携させることで収益拡大を目指す。「店舗のDXソリューション」として強化する方向で、例えば佐川急便のミニアプリでは公式アカウントで[友だち]になっていなくても再配達通知を受け取れる。

また、「串カツ田中」の例では、LINE上で予約やモバイルオーダーに対応することで、予約利用が拡大。電話対応や注文対応の手間を削減できるなど、人手不足対策としても活用されているという。こうしたDXソリューションとしての「LINEミニアプリ」に力を入れていく。

もう一つの強化ポイントが「コマース」。LINE上の友だちにギフトを送れる「LINEギフト」は年々拡大しているが、ギフトシーンに適した商品を拡充するほか、機能面でもLINEのソーシャルグラフに立脚した強化を図る。今後5年間で毎年30%以上の成長を目指し、早期で1,000億円以上を目指す。

LINEアプリでも、ショッピングタブを刷新。集客力のある[タブ]の部分にショッピングを追加することで、Yahoo!ショッピングなどで「LINE起点」のショッピング体験を強化。2024年度第4四半期以降の展開を予定しており、LINE公式アカウントとの連携や季節やトレンドにあわせた商品提案なども行なっていく。

PayPayを軸に金融事業を強化。国内ナンバーワンのコード決済であるPayPayと金融サービスを連携させていく方針で、PayPayカードは、PayPayによる2022年10月の連結子会社化後、1年間で30%成長。PayPay銀行においてもPayPayミニアプリ経由での口座開設を拡大している。なお、当初2024年度に予定していたが情報漏洩問題のため延期された、LINEとPayPayのアカウント連携時期は、現時点では未定。

過去最高の第2四半期 「全社的な検案事項は解消に」

2024年度第2四半期決算は、売上収益が前年同期比4.7%増の4,622億円、全社 調整後EBITDAは同9.9%増の1,126億円で、いずれも第2四半期としては過去最高。また、自己株取得により、プライム市場上場維持基準は適合見込みであること、昨年来課題となっていたセキュリティ対策も計画通り進行中であることから、「全社的な検案事項は解消に向かっている」(LINEヤフー出澤剛CEO)とした。

増益の要因は、アカウント広告とPayPay連結の売上成長が中心。またコマース事業も伸びており、ショッピングは前年のふるさと納税の反動があるものの、プラス成長が続いているという。

出澤CEOは、'23年10月の合併で目的としていた、「収益力の向上」と「プロダクト創出力の向上」を着実に実行できていると強調。LINEミニアプリなどのプロダクト強化により、成長拡大を目指すとした。