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「ハローキティ展」開幕 50年の歴史をたどる1千以上のアイテム

ハローキティの誕生50周年を記念したイベント「Hello Kitty展-わたしが変わるとキティも変わる-」が東京国立博物館 表慶館(上野公園)でハローキティの誕生日となる11月1日に開幕しました。会期は2025年2月24日までです。

史上最大量という1,000アイテムを超えるハローキティのグッズ展示を始め、オリジナル映像やアーティストとのコラボ作品も展示されるファンには待望のイベントとなっています。

東京国立博物館の正門を入ると大きなキティちゃんがお出迎え

ここでは開幕に先立って10月30日に行われたメディア内覧会の模様を写真を中心にしてお伝えします。

開会セレモニーにハローキティが登場

会場は1909年に開館した歴史ある表慶館で、建物全体を使ったボリュームのある展覧会になっています。

表慶館は正門から見て左手の建物です

開会セレモニーで東京国立博物館 館長の藤原誠氏は、「東京国立博物館は152年目で日本で一番歴史と伝統がある博物館。そうしたところで、日本を代表するキャラクターであるキティちゃんの展覧会を開催できるのは大変幸せなことだと思っています。キティちゃんはハローキティということで、人々の心が和むという意味合いもあると思います。そういうキャラクターがあってこそ日本の文化ではないかと思います」と挨拶しました。

表慶館から登場するハローキティ
ハローキティも「家族やお友達、恋人や大切な人と一緒に楽しんでもらえたらとっても嬉しいです」と挨拶しました
記念撮影。左から東京国立博物館 館長の藤原誠氏、ハローキティ、サンリオ 専務取締役の大塚泰之氏、日本テレビ放送網 常務取締役の澤桂一氏
会期中は同博物館の特別アンバサダーに就任するハローキティ。色々なポーズを披露してプレスのカメラに収まりました

ファン垂涎! 歴史的アイテムも多数

会場内は「プロローグ Hello! You」から「エピローグ Hello!Tomorrow」まで8つのカテゴリーに分けて展示されています。

本展のテーマが「わたしが変わるとキティも変わる」ということで、時代とともに変わるハローキティの姿をグッズを中心に見せる構成です。懐かしのグッズが並ぶ世界は、まるでタイムマシンで昔に戻ったように思う人も多いのではないでしょうか。

デビュー当時の設定である「紙袋から出てきた」ところを思わせるエントランス
見上げるとドームまで続くリボンがありました

会場内は映像作品を除いて撮影可能になっていて、フォトスポットも多く配置されています。また、SNS投稿でオリジナルステッカーがもらえるのも要チェックです。

撮影OKのグラフィックは実在したカメラがモチーフ
SNS投稿でもらえるオリジナルステッカーは数量限定

本展を通じてのメッセージは「ハローキティのユニークさ」。見ていくにつれて、ハローキティがなぜアニメやマンガなどほかのキャラクターとは違う存在になっているのかが明らかになります。

プロローグのコーナーで最初に登場するのは――
デビューした1974年の翌年に発売された初期のぬいぐるみ。当時はあっという間に完売したそうです
デビュー当時のグッズもたくさんありました
こちらはチェック柄バッグのコーナー。懐かしく思い出される人もいるのでは?
ハローキティの第1号グッズとして知られるプチパースもありました。これも貴重な一品です。1975年春の発売でした
ハローキティを象徴的するリボンのグッズも。結び目の左側が少し大きいのがポイント
アメリカンテイストの雑貨やレトロなCDプレイヤーといったアイテムもありました
こちらはカセットテープのケース
ハローキティがイギリス出身ということでチェック柄のアイテムも多く出たそうです
身長はリンゴ5個分、体重はリンゴ3個分というくらいリンゴに縁が深いハローキティ。リンゴモチーフのグッズもありました
デザインの変遷も知ることができました
この「いちご新聞」というのは、サンリオが月刊で発行している情報紙のこと
当初小さな子供向けに登場したハローキティですが、ファンの成長に合わせて大人びたデザインも登場していきます
非売品というスワロフスキーのオブジェ。ラインストーンでデコるなど当時の流行が思い出されます
描かれているのはキティの友達キャラのタイニーチャム。チャムをあしらったシリーズからキティがサンリオで一番売れるキャラクターになったそう
サンリオショップに訪日客が増えたことから企画されたという富士山シリーズ。山の形を見事にグッズに落とし込んでいます
90年代はこうしたキルティングモチーフのグッズも流行っていました
かつて作られた特別なぬいぐるみも。右前はドイツ ヘルマン社製の「キティ ティディ」
サンリオショップで買い物をするともらえるおまけ「プレミアムマスコット」。現在も続いているサービスです
歴代デザインのぬいぐるみも見比べられます
その中には現在も人気が高い”日焼けキティ”の姿も

変わり種グッズも勢揃い

文房具やバッグなどの定番アイテム以外に、昔の家電製品などの変わり種グッズも多数展示されていました。多くが貴重なもので、今ではプレミアム価格で取引されているものもあります。

1989年発売のテレビ。会場ではブラウン管らしい奥行も見ることができます
状態が良いものは高値で取引されているダイカットパーツ付きのカメラ。110フィルム機ですが、35mmフィルムを使った復刻品が出たら売れそう!?
キティ型のドライヤーは80年代の製品。2階のフォトスポットにあるオブジェの元ネタです
こちらのデジタルウォッチは大ヒット商品になったそうです
女子向けゲームの先駆けになったというキティのゲーム。確かにゲームボーイ登場の頃はゲーム機は男子のアイテムというイメージがありました

キティグッズをまとったファッションショー

2階に上がるとさらなるハローキティの変化を辿ることができます。特にマネキンを使ったブース展示は圧巻です。時代の空気を積極的に取り入れてきたというキティの世界がファッションで表現されていました。

2階に上がって最初にあるのは本展のキービジュアル。現在のハローキティ担当デザイナーである山口裕子氏によるものです
ブース展示は非常に作り込まれているので、細かいところまでチェックしてみてください
80年代、モノトーンの流行に合わせて登場したアイテム。カラフルなデザインからチェンジしたそうです
キティ以外のキャラターはほとんど見かけない本展ですが、この場所にボーイフレンドのダニエルがいました
ハローキティと切っても切れないのがコギャルの文化。当時流行ったフラワーモチーフの「カオハナデザイン」は現在リバイバルヒットしているとのことです
当時のカオハナデザインのグッズ。女子高生と言えばカメラも欠かせないアイテムでした
アメリカ限定品の電話機。これもなかなか見る機会のないアイテムではないでしょうか
フラワーモチーフのアイテムはアメリカでも商品化されていました

シアターで映像作品を見た後はコラボグッズを堪能

次は「ハローキティシアター」に入ります。映像ディレクターの牧野惇氏が本展のために作ったオリジナルの映像作品が上映されています。

ハローキティシアターの入り口。映像では「こんなものにまで」というくらい七変化するキティのデザインが見られます

吹き抜け部分ではほかのキャラクターや企業とのコラボレーションアイテムを展示。“仕事を選ばない”とまで言われるハローキティならではの幅広い活躍ぶりがありました。

吹き抜け部分の展示も充実しています
各企業とのコラボレーションアイテムが並んでいました
50周年記念でリカちゃんともコラボしたそうです
マクドナルドとのコラボレーションで登場したぬいぐるみは記憶に新しいところです
こちらはほかのキャラクターとのコラボレーションの一部です
コレクターもいるという「ご当地キティ」。変身やかぶり物などパターンがあるようです
オリジナルデザインからここまで変化できるキャラクターも少ないのでは?
本展の目玉の一つといえる東京国立博物館とのコラボ。所蔵されている美術品とキティちゃんのなじみの良さにびっくり
有名な浮世絵もよく見てみると……!

アーティスト描き下ろしのイラストも見逃せない

終盤の見所が「私とキティ」の題材で制作されたイラストレーションの数々。30名のアーティストが参加しており、様々なシーンが展開されていました。

世界観が固定されているアニメキャラクターなどと違って、ハローキティがグッズのキャラクターであることもイラストの世界に違和感なく溶け込んでいける理由ではないでしょうか。

イラストは大きなサイズで迫力があります
お気に入りの作品を探すのも楽しいでしょう

展示の最後となるエピローグのコーナーはフォトスポットになっていました。大きなキャラクターやオブジェが並んでおり写真映え間違い無しです。

サンリオキャラクターと撮れるスポット。キティのほか、マイメロディ、クロミ、ポムポムプリン、シナモロールがキティと同じリボンを付けています
フォトスポットにはビッグサイズのドライヤーも。なんと横から風が出ていました
大人気になったというピンクキルトシリーズからは巨大サンダルが登場。後方のケースには同シリーズのレプリカが展示してあります
壁を利用したフォトスポットもありました。こちらも懐かしさのあるイラストです
表慶館は建築の美しさも見所でしょう
最近の建物ではあまり見られない造形が目を惹きました

物販は争奪戦必至!? 怒濤の300アイテム以上が並ぶ

フォトスポットを抜けて1階に戻ると物販コーナーがあります。ほとんどが今回のために制作されたグッズだそうで、その数300アイテム以上とのこと。ここでも一部を紹介します。

物販コーナー

なかでも個人的におすすめしたいのは「オリジナル図録」。4,400円ですが、170ページ超で相当な情報量となっていました。

展示されていなかったアイテムも含むグッズの写真を始め、ハローキティにまつわるストーリーや各デザインの解説も掲載。また、アーティストによる描き下ろしイラストや50周年のグラフィックも収録されています。キティファンならマストの1冊といえるでしょう。

オリジナル図録。黄色い部分がハーフケースになっている凝った作り
図録の目次。特別寄稿は東京国立博物館 学芸企画部長の松嶋雅人氏による「キティちゃんのひみつ」
デビュー間もなく作られた当時のマンガも収録されていました
キティが表紙を飾ったいちご新聞のデザインもずらり

物販グッズはかなりの人気を想定してか、購入個数の制限があるアイテムも少なくありません。また、全体購入数が1会計で50点までという表示もありました。

東京国立博物館の所蔵品とのコラボはグッズとしても登場。こちらは京うちわ
名画コラボの御朱印帳やミラーカード
キービジュアルのぬいぐるみはM/S/マスコットの3サイズ
“足長キティ”として知られる珍しいタイプのぬいぐるみも
足長キティはシークレットチャームとしても販売
ハローキティが文字になった「もじもじハローキティ」シリーズのグッズ
キティ以外のサンリオキャラクターをあしらったアイテムもありました
Tシャツやソックスといったアパレルアイテムも
こちらはベアブリックとのコラボアイテム。大きい方は400%モデル
エニシング製の前掛け
横浜文明堂のどら焼き。食べ物もいくつかありました
八幡屋礒五郎の七味や志満秀のえびチーズサンドも
オリジナルショッパーは全面デザインで250円となっていました
協賛しているブラザーは文字入れができる缶バッジのワークショップを実施
同じくブラザーのコーナーでは同社のプリンターを使ったTシャツを販売していました

会期中は博物館の敷地に「サンリオカフェワゴン」が登場します。会場限定デザインのキャラクタークレープなどが用意されていました。

サンリオカフェワゴンはアニバーサリー記念の特別号です
カフェワゴン限定のグッズも販売されています

以上、写真を多めに掲載してみましたが、史上最大量の展示ということでこれでも一部です。ぜひ会場に足を運んで実物のディテールまで味わってほしいと思いました。大人が懐かしむ一方で、若い人の眼には昔のグッズが新鮮に映るかも知れませんね。

しっかり見て回るとなるとそれなりに時間を要すると感じましたので、時間に余裕を持って会場に向かうことをおすすめします。

なお本展は東京会場終了後、沖縄('25年3月~5月)、福岡('25年6月~8月)、京都('25年9月~12月)、名古屋('25年12月~'26年2月)での開催も決定しています。

世界的に有名なハローキティの大規模展示会とあって、海外の報道関係者も見られました

一夜限りのパーティーに渡辺直美さんらが駆けつける

メディア内覧会の夜には、ハローキティ50周年を記念したイベント「HELLO KITTY 50th Anniversary Party」が東京国立博物館 法隆寺宝物館で行なわれ、ゲストとして渡辺直美さん、箭内夢菜さん、JO1の川西拓実さんと河野純喜さんが登場しました。

イベントの入り口となった東京国立博物館の黒門には、ハローキティの幕が掲げられていました
法隆寺宝物館はプロジェクションマッピングで彩られました
プロジェクションマッピングでは50周年のグラフィックも投影
そして建物の前にはかなり大きなサイズのキティがいました
水面に反射して良い雰囲気を醸し出しているキティちゃん

イベントスタートを前に屋外でフォトコールが行なわれ、カメラに向かってゲストがポーズをとりました。

渡辺直美さんはリボンのヘアスタイルです
キティのポシェットを提げているのは箭内夢菜さん
JO1の川西拓実さんと河野純喜さんもキティのグッズを身につけて登場
フォトコールが終わるとゲストは会場で待つキティのもとへ向かいました

イベントが始まるとさっそくハローキティが登場。歴代のキティがあしらわれた50周年記念デザインの衣装にチェンジしていました。

50周年を迎えてやってみたいことを聞かれたキティは、「たくさんの人とお友達になることです。世界中のお友達みんなが笑顔になって仲良しの輪が広がっていったらとっても嬉しいです」と答えました

続いて渡辺直美さん、箭内夢菜さん、JO1の川西拓実さんと河野純喜さんも加わってトークを展開。

川西さんは「キティちゃんは京都、奈良、沖縄とか北海道でもどこにでもいるなと感じています。さすがだなと昔から思っていて尊敬しています」とコメント。河野さんも「僕たちはまだ5年目でキティちゃんは大先輩なんですが、いつかキティちゃんとコラボするのが夢なんです」と続きました。

キティの衣装を見て「このカオハナデザインが世代的に大好きです」と渡辺さん。箭内さんは「カオハナも好きですし、初代のザ・キティちゃんというデザインも大好きです」と話しました

ハローキティとの思い出深いエピソードを訊かれた箭内さんは、「中学生の時に初めてサンリオピューロランドに連れて行ってもらってキティちゃんに会ったときに嬉しすぎて大泣きしたのが一番印象に残っています」と振り返りました。

渡辺さんにとってのハローキティは? と質問されると「私にとっての女神ですね。もう小さい頃から大好きで、今ニューヨークに住んでいるんですが、日本にはいないキティちゃんがいっぱいでお金が足りません」と笑っていました。

その後巨大なバースデーケーキが現れ、ゲスト一同でハローキティの50周年を祝いました。

ケーキを見たキティは、「大好きなリボンがたくさん付いていて感動しちゃいました。たくさんの方からお祝いしてもらえてとっても嬉しいです」と喜んだ様子でした

続いてハローキティは、ピューロランドで講演している「KAWAII KABUKI ~ハローキティ一座の桃太郎~」の衣装で登場。“歌舞伎キティ”を披露しました。

桃太郎役の衣装で登場したハローキティ。着物はリンゴやハート柄をちりばめたもの
「こんなに間近で見られて感動しました」と語るのは箭内さん。たすきもピンクと紫でかわいいデザインです
最後は見栄を切るポーズのフォトセッションで締めくくりました
Hello Kitty展 ―わたしが変わるとキティも変わる―

・会期:2024年11月1日(金)~2025年2月24日(月・休)
・開館時間:9時30分~17時 金曜・土曜は19時まで(入館は閉館の30分前まで)
・休館日:月曜日(祝日または休日の場合は開館、翌日休館。2月10日(月)は開館)。12月17日(火)、12月26日(木)〜2025年1月1日(水)は休館。12月24日(火)、12月25日(水)は表慶館のみ開館
・観覧料:一般 2,000円、大学生・専門学校生 1,800円、中学生・高校生1,600円、小学生 1,000円。総合文化展(常設展)も観覧可能

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