ニュース

小田急、深大寺のバス折返場に住+商の複合施設「みいど」

完成イメージ

小田急バスは、東京都調布市深大寺東町の路線バス折返場内(「晃華学園東」バス停)で、住まいと商いが共存する“なりわい暮らし”を実現する複合施設「meedo(みいど)」を2025年春に開業する。

深大寺エリアは、国分寺崖線から湧く豊かな水、その恩恵による農村文化が今も息づく地域。計画地近くは、かつて深大寺用水が流れ、水車が回り、野菜を洗ったり洗濯をするなど、人々の営みやなりわいが集う地域の拠り所だった。現在は、閑静な住宅地で、計画に先駆けた調査では近所でコーヒーなどを飲みながらゆっくり過ごせたり、憩える場所を求める声があったという。

meedoはこういった声を反映させた、大小規模が異なる店舗兼用住宅、土間付き住宅、シェア店舗、井戸のある広場、バス待合所等からなる複合施設。「水と人々の営み」をコンセプトに、店舗出店者を中心とした居住者とともに地域コミュニティの活性化を目指す。

俯瞰イメージ

1階に大きく土間を設ける店舗兼用住宅では、住まいと商いが一体となったカフェや飲食店の展開、地場産野菜の販売などを想定している。

店舗兼用住宅には「店舗面積大」と「店舗面積小」の区画がある。店舗面積大は1階を店舗運営、2階を住居に区別する設計。店舗運営に特化した区画で、施設内に3戸設ける。延床面積は47.2~64.59m2

店舗兼用住宅(店舗面積大)

店舗面積小は1階の約10m2を土間として店舗運営に、そのほかを住居にした区画で、施設内に4戸設ける。土間は店舗利用のほか、アトリエや自転車を保管する用途など、趣味にも活用できる。延床面積は50.1~53.82m2

店舗兼用住宅(店舗面積小)

施設の中央には、入居者や近隣の人も活用できる開かれた区画としてシェア店舗(キッチン)を設置。屋外にはベンチを設置し、meedoのシンボルと位置付ける手押しタイプの井戸や水路、さらに周囲との調和も意図して緑を多く設けることにより、生活の中でせせらぎや草木のざわめきを感じられるようにする。施設内には、カーシェアリングやシェアサイクルなどの用意も進める。

井戸(深井戸)は、太陽光をエネルギーとしてポンプで水を汲み上げるため、停電時の水の提供も可能。憩いのベンチは、有事の際かまどへと姿を変える。そのほか、停電時にも利用可能な自動販売機やマンホールトイレの設置、共用部の照明による明るさの確保等により、地域の一時避難場所としての機能を持たせる。

店舗兼用住宅のほか、住居専用の区画も整備。2階建てすべてを住居にしたもので、1階に土間がある住宅とファミリー向け住宅を用意する。延床面積は、1階が土間の住宅が50.1~59.2m2、ファミリー向けが67.9~72.04m2

住居専用

meedoの名称は、コンセプトの「水と人々の営み」、シンボルの「井戸」、および計画地の周辺には「絵堂(えどう)」と呼ばれる農村集落があったことなどに由来している。

ロゴ

小田急バスは2021年に東京都武蔵野市内のバス折返場にて、店舗兼住居によるなりわい賃貸住宅を核にした複合施設「hocco(ホッコ)」を開業しており、meedoはhoccoに続くバス折返場活用施設。hoccoでの実績を踏まえ、店舗運営のための面積を大きく設ける区画や、住居面積を大きく設ける区画など、メリハリのある設計等にトライするとしている。

所在地は東京都調布市深大寺東町2-7-2外。アクセスはJR中央線 三鷹駅南口から小田急バス「晃華学園東」行き28分、京王線 つつじヶ丘駅北口から京王バス「深大寺」行き7分。A棟が5戸およびシェア店舗、B棟が8戸の構成で、敷地面積はA棟が401.8m2、B棟が1,372.83m2、建築面積はA棟が187.57m2、B棟が274.28m2