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ホンダ、次世代EV「Honda 0シリーズ」搭載技術を公開

Honda 0(ゼロ)シリーズのテスト車両

ホンダは、2026年からグローバル市場へ投入を予定している新EV「Honda 0(ゼロ)シリーズ」で搭載予定の次世代技術を公開した。フラッグシップモデルの「SALOON」は、コンセプトモデルに近い形で2026年に販売することも発表している。

Honda 0シリーズは、“Thin, Light, and Wise.(薄く、軽く、賢く)”という新たなEV開発アプローチにより、ゼロからの発想で創り出す、全く新しいEVシリーズ。専用開発したアーキテクチャーを軸に、「共鳴を呼ぶ芸術的なデザイン」「安全・安心のAD/ADAS」「IoT・コネクテッドによる新たな空間価値」「人車一体の操る喜び」「高い電費性能」という5つのコアバリューを提供する。

“Thin”としては、ホンダの「M・M(マン・マキシマム、メカ・ミニマム)思想」をEV時代に具現化。低全高、ショートオーバーハングの独創的なデザインでありながら、居住性に優れた空間価値の実現を目指す。

“Light”としては、ホンダのクルマづくりのこだわりである「操る喜び」を提供する軽快な走りと、世界トップクラスの電費性能を目指す。

これらを実現するため、EV専用プラットフォームを新開発。2.0GPa級ホットスタンプ材(超高張力鋼板)を採用し、薄く低全高なスタイリングと乗員の安全・安心の両立を目指す。薄型バッテリーパックや、新開発の小型e-Axleも採用し、独自の低床フロア技術により、低重心、低慣性を実現。車両の挙動を安定させ、軽快な走りを実現する。

新開発EV専用プラットフォーム

バッテリーケースの製造ラインには、6,000トンクラスのメガキャスト(高圧高精度鋳造)マシンを採用。従来60部品を超えていた部品数を5部品に削減する。世界初のCDC接合技術も採用し、軽く強度の高い素材の使用範囲を拡大。ボディー骨格を軽量化し、電費の向上と衝突安全性能を両立する。

“Wise"では、クルマそのものが賢くなる、ホンダ独自のソフトウェアデファインドビークル(SDV)を実現。独自のビークルOSを搭載し、コネクテッド技術の進化と合わせて一人一人に最適化した知能化技術を搭載。新しい移動体験の提供を目指す。また車両の購入後も、クルマの機能はOTA(Over The Air)により継続的にアップデートする。

ストレスのない車内体験に向け、IVI(車載インフォテイメント)における操作のシンプル化を徹底。パーソナライズと音声アシスタントによるサポートを継続的に進化させていく。また、移動空間を盛り上げるエンタメサービスを充実させるほか、運転好きのユーザーがさらに楽しくなるコンテンツを拡充。XR(拡張現実)技術を活用し、クルマに乗っていない人ともつながる仮想同乗体験なども展開予定としている。

1月に米国ネバダ州ラスベガス市で開催されたCES 2024では、「SALOON(サルーン)」「SPACE-HUB(スペース ハブ)」の2台のコンセプトモデルを公開したが、フラッグシップモデルとなるSALOONは、コンセプトに近い形で2026年に市場投入を予定。

2030年までにはHonda 0シリーズとして小型から中大型モデルまで、グローバルで7モデルを投入する計画とする。

なお、今回公開した技術や、電動化に向けた考え方をプロダクトとして具現化した姿として、Honda 0シリーズの新モデルを、2025年1月のCES 2025で公開する。