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小田急、駅構内カメラ映像に行動認識AI 転落や車いす、不審者検知

実証実験に使用するカメラ

小田急電鉄と小田急ビルサービス、アジラは、小田急線柿生駅、玉川学園前駅で、コンコースやホームなどの既設駅構内カメラの映像に、行動認識AIを活用した解析を行なうことに関する実証実験を行なう。ホームからの転落や車いす利用者、不審者・不審物を適正に検知可能かを検証する。

小田急線各駅では、駅係員等が巡回をはじめとした安全確保や各種案内を行なっている。今後、生産年齢人口の減少が予想されることから、鉄道運行に従事する係員が2035年度に2020年度比で30%減少したとしても、安全・安心な運行を継続できる体制構築を目指す。

また、セキュリティ会社であり、小田急線の鉄道警備を請け負っている小田急ビルサービスでも、DX技術を活用した、少ない要員での安全・安心な警備体制の構築を目指している。

実証には、アジラによるAI警備システム「AI Security asilla」を使用。対象2駅の改札口を含むコンコースとホームに設置している既設の駅構内カメラ全20台の映像を対象に、行動認識AIによる解析を行なう。解析対象は、車いす利用者、白杖利用者や、ホームからの転落、長時間にわたりホームに留まっている人、客同士等のトラブル、不審物等。

実証実験に使用するカメラ

混雑度合いや天候、時間帯により駅構内カメラの撮影環境が変化するなか、適正に検知できるか否かを検証する。期間は10月10日から'25年1月9日まで。

AI Security asillaはアジラが独自で研究開発を行なう「行動認識AI」をコア技術としたAIプロダクト。カメラから送られてくる映像をAIが解析し、映像内の人物がどんな行動をとっているのかを認識し、設定された特定の行動を検知、即時に発報できる。

従来の防犯カメラは事件や事故が起きた際に検証する「録画機器」だったが、行動認識AI活用により事案への早期介入や事件・事故の防止が期待でき、警備品質の向上や少人数で警備業務が運用可能といったメリットがあるとしている。